★「福祉人材育成・研修センター」で開かれる各種研修で都が発行するリーフレット「性的マイノリティの人権 多様な性があること、知っていますか?」を毎回配布しています。
「福祉人材育成・研修センター」で開かれる各種研修で、都が発行するリーフレット「性的マイノリティの人権 多様な性があること、知っていますか?」を毎回配布し、啓発するようになりました。
2017年度は1月末までに68講座、1726名の受講生を数えます。また、区内のケアマネージャー連絡会、介護サービスネットワークに対してもリーフレットの配布と説明が行われました。
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◆上川あや
本日、私からはLGBT支援とがんの後遺症対策について伺いたいと思います。
初めに、性的マイノリティーの介護などを支える福祉人材についてです。
性的マイノリティーの中には、同性同士が家族として暮らしたり、身体に医療の措置を受けている方が少なくありませんが、典型的な男女の枠に当てはまらないということで、福祉領域の人たちの無理解を恐れて、医療や介護を遠ざけてしまいかねない嫌いがあります。
介護の現場では男女二分法による介護が行われることが一般的です。入所施設では男性部屋、女性部屋と分けられることが多く、入浴も性別で曜日を設けて、複数名一緒に入浴介助が行われることもあります。
一般社会では性同一性障害なら手術はするものというイメージが強くありますが、手術は健康保険がききませんし、違和感の程度も解決策もそれぞれです。実際には日本精神神経学会の調査でも、性別への違和感を訴えて受診した人のうち、手術を受け、性別まで変更した人は二割にとどまるというデータがあります。こうした人たちが社会生活上の性別と身体的な性別、戸籍の性別がそれぞれ異なるといったケースも多く、医療と介護のアクセスが問題になりがちです。また、同性カップルが医療機関を利用するとき、パートナーが医師から家族ではないという解釈で説明を受けられなかったり、治療の同意ができなかったりすることが、しばしば課題として語られるようになってきました。
介護でも同じ問題が起こります。支えあい暮らしてきた同性のパートナーが介護を担いたいと願っても、現状の介護の現場には知識も理解もありません。家族や生活状況を詳細に聞き、アセスメントに当たるケアマネジャーもしかりです。果たして数十年支えあって暮らしてきた同性のカップルを家族として扱っていただけるのかという課題があります。
繰り返しになりますが、こうした知識と理解の不足から、多くの当事者が介護サービスを自宅に招き入れることをちゅうちょする、こうした現状を変えていただきたいと考えています。
世田谷では、行政職員研修でも、教職員研修でも、スクールカウンセラーの研修でも、性の多様性と適切な支援を学ぶ機会が提供されております。介護人材等にも同様の研修機会がぜひとも必要だと考えております。
幸い世田谷区には福祉人材育成・研修センターというものがございますので、ぜひ取り組んでいただきたいと考えるんですけれども、いかがでしょうか。
◎柳澤 高齢福祉課長
介護・福祉の現場でも、LGBTを初めとした多様性を尊重し、LGBTについても正しい知識と理解を持って、利用者やその家族の支援に当たることは、人権擁護の視点からも欠かせないと考えております。
利用者等の支援に当たっては、生活全般の解決すべき課題、ニーズの把握が必要で、そのためにニーズの基礎知識を身につけ、身体状況だけではなく、生活歴やセクシュアリティー、ライフスタイルなど、生活全般を捉える必要があります。
福祉人材育成・研修センターを初め、区で実施している介護職員などに向けた研修では、ニーズを発見する基礎知識を学んでいただいておりますが、LGBTに関しては現在触れておりません。
今後、利用者や御家族のニーズに基づき個別支援が適切にできるよう、介護職員などへの研修の中で、LGBTの方々の抱える困難などについても重要課題として取り上げ、介護職員等の理解促進に努めてまいります。
また、LGBTの方を介護する職員からの相談に適切に対応できるよう、関係所管とも連携しながら、LGBTに関する情報の収集と提供を進めてまいります。こうした取り組みを通し、性別、年齢、国籍、性的マイノリティーなどを理由に差別されることなく、一人一人が自分らしく安心して暮らすことのできる地域社会を構築してまいります。
◆上川あや
ぜひよろしくお願いいたします。