◆上川あや

続いて、性的マイノリティー、LGBT支援についてです。

第一に、区の夫婦向け事業の同性パートナーへの開放を求めます。
昨年10月の決算審議で、副区長は私の質問に次のように述べました。要望書に記載の家族という単位として行っている各種サービスや事務にはどのようなものがあるのか具体的に洗い出してほしいと、また、そのうちどれが同性カップルにも拡大可能か提示してほしいと、そのような御要望をいただいておりまして、受けとめているところ、男女共同参画プラン検討委員会等におけます検討の進捗状況も見据えながら、適宜、庁内の検討体制を整えまして、いただきました御要望に対して、どの範囲で、どのような形でできるかそういうものについての可能性を検討してまいりたい。これをどのように実施するお考えであるのでしょうか、伺います。

第二に、家族向け相談事業の御案内の工夫についてです。
本年3月の予算審議で、区の福祉・医療サービスの案内にある家族の定義に同性のパートナーが含まれるかどうかを伺いました。がん相談の案内の言う家族については、御指摘の事業の案内表記を改善するとともに、患者本人が同性パートナー同席での対面相談を希望される場合には、そのような形で御相談をお受けしてまいりたいと御答弁がありましたが、その後案内に改善はありません。また、その他、福祉、医療の相談についても、職員も同性パートナーは家族と同様であるという認識を持っているとして、同性パートナーの方も家族同様、区の窓口で相談ができるということを広報やホームページの記載を工夫してお伝えしてまいりますと御答弁がありましたが、こちらも改善はありません。いつどのように改善なさるのか伺います。

この質問の最後に、住まいの確保への支援策についてです。
今回の男女共同参画プラン(素案)に、同性カップルに対する住まいの確保の支援と書いていただいたことに感謝いたします。これはどのように取り組まれるのでしょうか。昨年秋、事業者団体にたった一度要請したのみに終わらせず、今後も引き続き民間への協力要請を続けていただけるのかどうか伺います。
また、民間にお願いするのみでなく、区みずからも区営住宅の申し込みをできるようにするべきです。この点、区が他会派の質問に検討という言葉で約束をしてから既に一年半がたちました。区よりおくれて同性パートナーシップ宣誓を取り入れた三重県伊賀市では既に、条例改正をせずとも、事実上婚姻関係と同様の事情にある者として、男女の事実婚と同様、市営住宅の申し込みの道が開かれております。
区ではどう取り組むのでしょうか。具体的な検討状況と今後の改善方法、タイムスケジュールをあわせてお伺いいたします。

◎宮崎 副区長

私からは、同性パートナーに対します対応策、これについてどのように実施していくのかというお尋ねについて御答弁申し上げます。

第二次男女共同参画プラン検討委員会では作業部会を設置いたしまして、性的マイノリティー当事者の方に委員として参画いただくとともに、ほかにも当事者の方からヒアリングを実施するなど、実施に即した議論を進めてまいりました。また、作業部会では、性的マイノリティーの方が抱える課題を洗い出し、施策の方向性についての御提言をいただきまして、今般の第二次男女共同参画プランにまとめております。これとあわせまして、現在、性的マイノリティーの方を対象にLGBTの暮らしに関する意識調査と、パートナーシップ宣誓をされた方々にパートナーシップ宣誓の取り組みに関するアンケートをそれぞれ実施いたしまして、性的マイノリティーの方々の生活上の困り事や必要な支援について調査をさせていただいております。

一方、庁内の検討体制でございますけれども、男女共同参画推進会議や同幹事会を通じまして議論を始めておりまして、検討委員会作業部会におきまして、庁内の関連所管課が出席し、個別に検討を進めております。
先日、第二次男女共同参画プラン(素案)では、就労、住まい、高齢化、災害時の対応などの支援の方向性をお示しさせていただいたところでございます。先ほど申しました二つの調査の結果を踏まえまして、実現の範囲や手法について検討を続け、一定の段階で議会へ報告し、御議論いただきたいと考えております。
以上でございます。

◎辻 世田谷保健所長

私からは、家族向け相談事業の御案内の工夫、がん相談の場合についてお答えいたします。
区では、福祉、医療のさまざまな御相談における家族の定義には同性パートナーも含まれるものと認識しており、これまでも相談窓口で排除することがないよう対応してまいりました。しかし、当事者の方がより安心して区の相談窓口に訪れるためには、チラシやホームページ等で区の考え方をきちんと御案内することが必要な配慮であったと反省をしております。
区立保健センターのがん相談につきましても、御本人の意思を尊重した上で、プライバシー保護等にも十分配慮しながら、同性パートナーの方も御同席での相談をお受けする体制をとっております。しかしながら、御案内のチラシや区のホームページ等の案内表記が改善されておりませんでした。大変申しわけございません。現在、区のホームページについてもわかりやすい表記となるよう修正を進めており、保健センターのホームページも同様に対応するように指示をしております。また、チラシにつきましても本年度中に改善してまいります。以上です。

◎金澤 保健福祉部長

私からは、福祉、医療の相談案内の改善について御答弁いたします。
区における福祉、医療の相談につきましては、同性パートナーの方も家族同様に相談していただけますが、この点についてはまだホームページ等に御案内が反映されておらず、大変申しわけございませんでした。
現在、ホームページの記載についても修正を進めております。また、「せたがや便利帳」においても、来年度、ホームページ同様修正する予定で広報広聴課と調整しているところでございます。今後も、同性パートナーの方が相談をためらわれることがないよう配慮ある御案内に努めてまいります。以上でございます。

◎渡辺 都市整備政策部長

次に、同性カップルに対する住まいの確保の支援について、民間への働きかけの継続についてでございます。

区は、高齢者、障害者、ひとり親、子育て世帯など、住宅の確保に配慮を要する方々、いわゆる住宅確保要配慮者への民間賃貸住宅への入居促進等の施策に取り組んでいるところでございます。同性カップルの方々が住まいを確保しやすい環境づくりのため、昨年十一月に区長みずからが区民団体へ働きかけを行っていただきました。また、障害者差別解消法の施行の際には、啓発パンフレットを活用しまして不動産団体に向け説明を行い、周知を図っております。御指摘の点につきましても、さらに理解を促進するよう、引き続きさまざまな機会を捉えまして民間団体へのさらなる働きかけを継続してまいります。

最後に、同性カップルの区営住宅の申し込みに関してでございます。
区は、基本計画におきまして多様性の尊重を分野別政策として掲げ、女性や子ども、高齢者、障害者、外国人、性的マイノリティーを理由に差別されることなく、多様性を認め合い、人権の理解を深めるため、人権意識の啓発や理解の促進に努めております。このような観点から同性カップルの方々への取り組みを検討してきたところでございます。
お尋ねの区営・区立住宅の申し込み資格要件でございますが、同性カップルの区民の方々を対象とするには区営住宅管理条例等の改正が必要であると認識しておるところでございます。男女共同参画プラン策定の中でLGBTの暮らしに関する意識調査を実施中であると聞いており、これらを踏まえまして、条例改正も視野に入れまして、人権尊重という観点から早々に具体策の検討を深めてまいりたいと思っております。
以上でございます。