★大規模防空壕の調査と安全対策が進みました。
区は陥没事故もあった大蔵運動公園下の大型防空壕(総延長600m)を放置してきましたが、上川が学術面も含めた調査と安全確保を要求。2017年度から2カ年で調査と埋戻し工事が進められています。跡地には区教委の案内看板も立つ予定です。
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◆上川あや
初めに、区立大蔵運動公園内に残る大規模防空ごうについて伺います。
昨年3月の予算審議で初めてこの問題を取り上げました。
ごうは、昭和十九年に東京都砧公園事務所が予算配分を受け造営した横穴式防空ごうで、総延長六百メートルあったとされています。ごうは戦前、陸軍病院のあった成育医療センターの敷地から南側の国分寺崖線にまで延び、運動公園内の崖線のへりに三カ所の出入り口があったとされています。成育医療センターの建設で病院部分は埋め戻され、崖線の出入り口も閉ざされていますが、その間のごうは空洞のまま、テニスコート、陸上競技場付近の地下に残されていると見られます。過去には区も調査をしています。三十四年前の予算でボーリング、地震波及び電気抵抗の調査を、三十三年前の予算でカメラを差し込んでの内部撮影を行っており、いずれも開口部に近いテニスコート周辺だけを調べています。その結果、深さ約五メートルのところでごうは確認をされました。経年劣化による周辺地盤の水分上昇と地耐力、地盤の荷重を支える力の低下も確認をされておりました。今後は本格的な分布調査と土質の調査が必要であるとの結論で同報告書は閉じられておりましたが、以後三十三年間、区は全く調査を行っておりません。
そこで、昨年の質疑では再調査を求めました。区は、今後、公園施設の再整備の機会などを捉えて全体の調査を行い、しっかりと分析してまいりたいと答弁なさいましたが、昨年、公園緑地課が予算要求した調査費四百九十五万円は却下され、調査の見通しはないままです。そこで伺います。
まず、過去に同公園のテニスコートでは防空ごうの上部が陥没をし、対策工事をしたことがあると聞いています。防空ごうが原因と疑われる同公園内の陥没、変状の全てとその後の対応について報告を求めます。
また、首都直下型地震の発生が懸念される今、分布調査も土質調査も行わない区の管理が万全と言えるのか見解を伺います。
さらに、国土交通省には、今も特殊地下壕対策事業なるものが存在をしております。陥没等で危険が増した防空ごうの埋め戻し費用等に国が半分補助をするものです。しかし、同事業は二十八年度採択が期限となっており、今年度、基礎調査を見送った区は、みすみすこのチャンスを逃そうとしております。区はこの補助を使えないのではないでしょうか。調査を急ぐべきではないですか。また、今後の対策工事は全額区費で賄うことでよいとお考えなのかどうか、それぞれ見解を求めます。
また、今後どのようなスケジュールで対策をとる考えか、質問後一年以上ありました検討状況について報告を求めます。
◎髙木 みどりとみず政策担当部長
私からは、大蔵運動公園の防空ごうに関する一連の御質問に御答弁申し上げます。
まず、大蔵運動公園内の過去の地盤変状などについてですが、三十年ほど前にテニスコート内での一部分が沈下したとの聞き取り情報一件がございました。当時の対応といたしましては、沈下した部分を土砂で埋め戻したとのことで、それ以降、日常の点検などで確認してきている中では、地盤の変状等があらわれたとの記録はございません。管理者としての見解ですが、現在はこれまで陥没のおそれはないと判断してまいりましたが、地盤の状況などの詳細は把握できておらず、防空ごうがどの程度公園を管理する上で支障となるかを定性的に示すことができませんので、まずは防空ごうの実態を把握し、分析するための調査に着手することから始めたいと考えております。次に、国の補助事業である現行の特殊地下壕等対策事業につきましては、御指摘にございましたとおり、平成二十八年度中の採択が補助の条件となっております。区といたしましては、対策工事は国の補助事業を充当して事業を実施すべきと考えていることから、現段階では調査が実施できてはいないものの、事業の窓口である東京都を通じまして、国へ期限の延伸を要望してきているところでございます。新規採択と事業延伸に向け、引き続き東京都とも連絡を密にとり合い、補助事業の必要性を訴えてまいります。
また、この間の区の検討状況でございますが、防空ごうに関する資料収集や現地確認、専門業者へのヒアリングのほか、東京都と補助事業に関する調整などを行っているところでございます。
今後についてですが、区といたしましても、安全を保つことは非常に重要な責務であると認識しております。引き続き地表面の変化などの兆候を見逃さぬように目視点検を実施していくとともに、なるべく早い時期に実態を把握し、分析する調査を実施するため、関係所管との調整に努めまして、しっかりと取り組みを進めてまいります。以上でございます。
◆上川あや
防空ごうの件なんですけれども、国に補助事業の延伸を要望しているという大変頼りない御答弁で、延伸がかなわなかったときに、区費で全額やることになったときに私は責任をとりますので、緊張感を持ってしっかり取り組んでください。
終わります。