◆上川あや

最後に、区の歴史を後世に伝えていくための書物、区史の編さんについて伺います。

昭和七年十月の世田谷区誕生から、ことしで八十三年となりました。この間、区史の編さんは三回ありました。
一度目は昭和三十一年から三十七年にかけ編さんが進められた第一次編さん事業で、本編上下二巻、資料編四巻、附編一冊を上梓し、全体を「新修世田谷区史」としました。世田谷区の誕生から二十四年目の出来事です。二度目はその十五年後、昭和四十六年から昭和五十一年九月にかけ行われた第二次編さん事業で、五年の歳月をかけ、四つの附属資料を取りそろえた「世田谷近・現代史」の刊行を見ました。三度目は、区制五十五周年を記念して行われた「せたがや百年史」の編さんで、約五年の歳月をかけ、前二回の区史編さん後生じた十六年間の区史を補う目的で行われました。
以上、世田谷区の誕生から、それぞれ二十四年、十五年、十六年と間を置いて区史編さんは続けられてきましたが、平成四年の第三次編さん以降二十三年間、その作業は途絶えたままです。以前申し上げたとおり、区の学芸員も全員の定年退職が間近です。積極的に第四次編さんを考えてゆかなければならない時期に来ていると考え、その検討を求めますが、区の見解はいかがでしょうか。

◎板谷 政策経営部長

私からは、新たに区史編さんを進めるべき時期に来ているのではないか、お尋ねにお答えをいたします。

区では、これまで昭和二十六年発刊の「世田谷区史」を初め、お話しのとおり何度かの編さんを重ね、直近では平成四年に「せたがや百年史」を刊行しております。また、「せたがや百年史」は、主に前回発刊後の社会状況の変化を追加する形で、区制五十五周年記念事業として既存の研究や資料に依拠して編さんをされております。
将来にわたり区民が愛着を持って世田谷区に住み続けていただくためにも、世田谷の歴史を後世に引き継ぐことは大切な取り組みであると認識をしております。新たな区史の編さんにつきましては内部で検討を始めているところですが、教育委員会とも連携し、区議会の御意見や学識経験者の方々など、関係者の助言等も伺いながら進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。