◆上川あや

同性カップルの人生のパートナーとしての宣誓を受領する区の取り組みについて伺います。

いよいよ来月五日から同性同士のカップルの宣誓を認める事務が開始をされることとなりました。まずは、区長を初め関連所管の皆さんのこの間の御努力に感謝を申し上げたいと思います。その上で、さらなる改善点を何点か提案させていただければと考えます。
今回、区からは、提出された宣誓書の写しとその受領証が交付されることとなりました。このうち受領証には区長のサインがコピーで入ります。また、宣誓書の写しには、区の収受印を押したコピーが手渡される予定です。しかし、このままでは簡単に偽造やコピー、あるいは第三者の量産までできてしまうという普通紙による印刷になる予定です。公的に証明する書類としては余りにも不十分、配慮に欠けると考えます。
通常、住民票などでは、複写をしますと、複写、コピーなどと隠し文字が浮き出る偽造防止用紙が使われます。社会的信用性を高めるための当然の工夫で、一枚二十円程度で行える配慮です。今回もこうした配慮をいただければと考えるんですが、いかがでしょうか。

◎齋藤 生活文化部長

世田谷区パートナーシップの宣誓の取り組みにおきまして、宣誓する方々の本人確認を行うなど、個人情報の取り扱い並びにプライバシー保護への配慮には細心の注意を払うべきものと認識しております。
発行する書類に関しましては、個人情報を扱う文書であることを十分に考慮いたしまして、複製等加工ができないような用紙を使用するなどの配慮をし、実施に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。

◆上川あや

よろしくお願いいたします。

◆上川あや

続けまして、同性をパートナーとする区の職員の処遇の改善についてです。
本年2月の本会議でも、異性をパートナーとする区の職員と同性をパートナーとする区の職員との福利厚生の間には大きな格差があるということを取り上げさせていただきました。現状では、互いに支えあう人生のパートナーが倒れたとしても、あるいは亡くなったとしても、そのお相手が同性の方では介護の休暇も弔いのための休暇もとることはできませんし、結婚祝い金などが出ることもなければ、職員住宅にも入れません。非常にむごいことだと考えます。
その後、御検討いただく中では、まず、法的な縛りのない福利厚生の一環としての互助制度、例えば結婚祝い金などについて改善の提案ができそうだということを伺っております。現在までの検討状況についてお伺いいたします。

◎岡田 総務部長

性的マイノリティーの当事者職員についての福利厚生面における処遇改善につきましては、この間の検討の中で、法改正等を待たずにできることとして、世田谷区職員互助会による給付事業、例えば結婚祝い金と同等の給付事業などを検討しているところでございます。この互助会につきましては、会員の互助組織でございますので、互助会みずからが運営方法等を定めることとしておりますので、給付事業の改正に当たっては、会員の同意手続が必要となります。
多様性を尊重し、差別や偏見のない社会を目指す観点から、会員の中で同性の方を人生のパートナーとするケースがあった場合に、同じ仲間としても祝福する方向で互助会に提案をしていく考えでございます。現在、来年度からの実施に向けまして課題等を整理しているところですが、こうした当事者職員への福利厚生制度の改善について、できるところから取り組んでまいります。

◆上川あや

ありがとうございます。
ほかにも休暇制度ですとか職員住宅なども二十三区の共通基準から外れておりまして、区の独自裁量で決められるということを確認してございますので、ぜひ引き続きの検討をお願いしたいと思います。

続けて、区民から出された要望書についてです。
三月五日、十六人の同性カップルを中心とした区民の性的マイノリティー当事者の方々が、この区役所に要望書と住民票、そして納税証明書を持って見えられました。そこでの要望事項は二つございました。これは、お会いいただきました区長、副区長、生活文化部長も御承知のことと思います。一つは、今回実現の運びになりました区民同性カップルの公的な承認。そしてもう一つは、区が家族を単位として提供している区民向けのサービスで、同性カップルの区民にも適用可能なものがあるかどうかを具体的に洗い出し提示をしていただきたいという内容でした。この二つ目の要望が今なお課題のまま取り残されています。区としてどのように取り組むお考えであるのか伺います。

◎宮崎 副区長

性的マイノリティーの方々への支援策の一つですけれども、仮称第二次男女共同参画プラン、この検討委員会及びその作業部会の中で丁寧な議論を深めていきたいと考えております。
今お話がございました、要望書に記載の家族という単位として行っている各種サービスや事務にはどのようなものがあるのか具体的に洗い出してほしいと、また、そのうちのどれが同性カップルにも拡大可能か提示してほしいと、このような御要望をいただいておりまして、受けとめているところでございます。
御指摘の件でございますけれども、同性間のパートナーシップに関する検討PT、これは既に立ち上げてきたわけでございますけれども、この中で法的な側面での検討も十分考慮した上で、今回のパートナーシップ宣誓の取り組みの第一歩となったという経緯がございます。
したがいまして、この男女共同参画プラン検討委員会等におけます検討の進捗状況も見据えながら、適宜、庁内の検討体制を整えまして、いただきました御要望に対して、どの範囲で、どのような形でできるか、そういうものについての可能性を検証してまいりたいと考えております。

◆上川あや

区民の平等を保障してください。

◆上川あや

最後に、区長に一言お伺いしたいと思います。
過日、区民の皆さんからの要望書には、戸籍上の家族でないことを理由に賃貸契約を断られていたり、あるいは不動産契約の管理費を倍額につり上げられて不利な条件で住まわれていたり、また、医療機関で、パートナーが重篤な状態に陥ったにもかかわらず家族としての面会すら認められなかったりと、大変理不尽な体験が多く語られてありました。この間、こうした不条理が起こらないよう区から事業者に協力要請することも検討しているというふうに報道されておりましたけれども、これは実行していただけるんでしょうか。

◎保坂 区長

十一月五日に区として検討した上で宣誓書の写しとその受領証を発行するということなんで、ぜひ宅建業あるいは不動産業、それから医療機関を持っている医師会などにしっかり御理解していただかなければ実効性が広がらないと思っているので、早速行動したいと思っております。

◆上川あや

大変力強いお言葉をいただきまして、感謝を申し上げます。皆さんしっかりと取り組んでくださいませ。
終わります。