具体的な成果

★手動車いすの操作講習会が実現しました。

 

国内では、毎年5000人以上が脊髄を損傷し、新たに車いす生活に入りますが、適切な操作訓練も受けられず退院となる方が多く、無理な運転で肩を壊すなど新たな障害を生む原因にもなっています。
上川の提案で、北欧で車いすインストラクターの研鑽を積まれた方による手動車いすの操作講習会が開かれました。

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◆上川あや

最後に、車椅子操作技術の向上に向けたトレーニングを世田谷区で実施できないか伺います。

日本には現在十万人以上の脊髄損傷者がおり、毎年新たに五千人以上が脊髄を損傷し、新たに車椅子生活に入るとされています。事故の後は、身体の状態が落ち着くのを待ち、排せつなどの基本的な指導を受けて退院となりますが、車椅子の選び方や座り方、乗りこなし術、生活に必要な細々としたスキルなどを教われる機会は少なく、どこで事故に遭い、どの病院に入るのかで指導の有無やその質まで変わってしまうといいます。
また、退院後も一人で操作の練習をしなければならなかったり、同じ入院仲間からの情報に頼るケースが多く、質の高い指導にはなかなか出会えない現状があります。加えて、体力増進の機会が車椅子ユーザーには非常に少なく、一人での外出や日常生活、就労などにも困難が伴い、不適切な車椅子の選択や座り方、未熟な操作技術も重なって、新たに褥瘡や頸椎症などの二次障害が発生することも少なくないといいます。

区では、適切な座り方を確保するための座位の保持の技術、いわゆるシーティングの提供を二〇〇五年からスタートさせておりますが、その先の車椅子操作テクニックの講習会は、ごくごく初歩的な内容のものが過去五回行われただけで、それすら二〇〇八年で途絶えたままとなっています。
福祉の先進国スウェーデンでは、車椅子ユーザー主体のグループが車椅子の操作方法を伝授するトレーニングキャンプを各地で企画、運営し、操作に必要な基本姿勢、効率的で無駄がなく体にも負担のかからない動力の伝え方、多くの車椅子ユーザーが苦手とするドアの開け閉めのコツや、熱いコーヒーなどを片手に持ちながら、やけどをせずにいかに進むかの技術、さらには緊急時にどうすれば車椅子で階段をおりることができるのかといったところまで、多くのスキルを伝授し、国もその参加費用を支給しているといいます。
同様の車椅子操作技術を伝える取り組みは、かの地でトレーニングキャンプに参加した日本人当事者を中心に既に日本でも始まり、世田谷区からも参加者があるとも聞きますが、その参加費用は全て自己負担、開催地への移動も容易なことではありません。こうした事態は速やかに改善をするべきと考えます。区の足元で実践的なトレーニングの講習会を実施するよう求めます。
区の見解を伺って、私の壇上での質問を終わります。

◎小堀 障害福祉担当部長

私からは、車椅子の操作技術の講習会につきまして御答弁申し上げます。
総合福祉センターでは、障害のある方の社会参加や健康づくり等を促進することを目的に、交流・レクリエーション事業を実施しております。事業メニューにつきましては、利用者のニーズ等を踏まえまして毎年見直しを行っており、車椅子の操作に関する講座につきましては、平成二十年度までに五回、交流・レクリエーション事業の中で福祉用具のミニ研修として実施したことがございます。
御提案の車椅子の操作技術の講習会の実施につきましては、お話しのスウェーデンのトレーニング法や実施方法など、今後詳細な情報を収集いたしまして検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。