◆上川あや
最後に、聴覚障害者への支援策について伺います。
初めに、先の定例会の一般質問でも取り上げました区の手話通訳者派遣に回数制限、時間数制限があることについてです。
そもそも都内十一区に回数制限、時間制限などありません。区も本年三月の私の質疑に対し、「御指摘のように回数、時間の上限があることで、利用がしにくかったり、必要とする利用を抑制したりするといったことも聞いております。区としましては、適切な情報保障の観点から、今後考えていくべき課題があると認識しており」と課題を述べ「より使いやすい制度設計に向けて検討してまいりたい」と答えています。
つまり、区も現行制度が使いにくい制度であると認めています。これは障害者差別解消法が禁じる差別の一類型、利用しにくい制度そのものだと考えますがいかがでしょうか。また、改めて回数制限、時間数制限の撤廃を求めます。あわせて区の見解を伺います。
◎小堀 障害福祉担当部長
私からは、区の手話通訳者派遣の回数制限、時間数制限についてお答えいたします。
昨年六月、障害者差別解消法が公布され、平成二十八年四月の施行後は、障害を理由とした差別は禁止され、障害者にとっての社会的な障壁を取り除くための必要かつ合理的な配慮義務が国や自治体に対して求められます。手話通訳者の派遣回数、時間数につきましては、区といたしましても、適切な情報保障の観点から重要な課題であると認識し、平成二十二年度に上限を見直し、三カ月間に利用可能な回数を十八回から四十五回に、時間数を四十五時間から九十時間にふやし、さらに、三カ月間の上限を超えて利用したい場合には、六カ月間の中で利用回数や時間数を調整して利用ができるよう改善を図ってございます。
御指摘のように、回数、時間の上限があることで利用がしにくかったり、必要とする利用を抑制したりするということも伺ってございますので、今後、制度が障害者差別解消法の趣旨から外れていないかという観点からも確認が必要になるものと考えております。
手話通訳者派遣事業につきましては、障害者総合支援法の地域生活支援事業であり、この事業に対する国や都からの補助率が低下している一方で、同じく地域生活支援事業である移動支援事業の実績が大きく伸びているなど、財政的にも課題もございますが、今後国から示される障害者差別解消法のガイドラインも踏まえつつ、よりよい制度設計に向けて検討を進めてまいります。
以上でございます。