◆上川あや

続きまして、無資格マッサージ店等による健康被害について伺います。

昨年9月の一般質問で、視覚障害者の就労の困難とあわせて、無資格マッサージ店等の横行と、その健康被害の問題を取り上げました。無資格施術者のリスクに警鐘を鳴らし、保健所に正式に届け出のある正規の施術所を紹介する自治体も今日ではふえているので、区でも同様に情報提供できないでしょうかということを伺いました。
当時の保健福祉部長からは、保健所とも相談し、資格の有無に関する注意喚起等について区民の健康を守る立場からどのような方策がとれるか検討してまいりますと前向きな答弁をいただいたのですが、当の保健所はこの一年間全く動きませんでした。
この夏、その理由について改めて確認をとりますと、法律に基づかない店舗を営んでいる区民、それを利用されている区民の方もいる。人の健康に害を及ぼすおそれのある業務行為でなければ制限するべきではないという判決も出ていると、かたくなでした。

では伺いますが、保健所はおととし八月、国民生活センターが公表したレポート、手技による医療・類似行為の被害の指摘をどう捉えるのでしょうか。同レポートは、法的資格制度に基づかない施術により危害が発生したと明確に判断できた事例だけで、少なくとも三百六十六件と被害相談の四割を超え、正規施術者の二十七件に比べて多いとしています。また、法的資格に基づかない施術者の中に、ほとんど研修を受けておらず、技量の未熟なものもいると最高裁判決を引用し、警鐘を鳴らしています。世田谷保健所は、区内の無資格の施術者に限って有意に高い健康リスクなどないと考えているのでしょうか、伺います。

◎柳原 生活保健課長

国民生活センターが公表したこの報告書では、行政に対し、法的な資格制度のない施術等について次のように要望しております。人の健康に害を及ぼすおそれのないよう指導すること。消費者に誤認や過度な期待を与えるおそれがないよう広告、表示について注意喚起を行うこと。消費者が法的資格制度のある施術所とない施術所を容易に見分けることができるよう関係機関に注意喚起をするとともに、消費者に対する周知、啓発を行うことでございます。
保健所といたしましては、消費者相談などの関係所管と情報を共有し、実態把握に努めるとともに、健康被害を防止するためにも区民に対し周知を図ってまいりたいと考えております。

◆上川あや

その周知を図っていないから、二度目の質問をしているんですね。
厚労省の公式ホームページには、その名も、無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止についてというページが存在しています。
その中で政府は、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復の四種が国家資格であり、無免許でこれらを業として行えば違法であり、処罰対象になることを明確に記述しています。また、同ページの最後を、こうした制度の内容を御理解いただき、有資格者による施術を受けていただきますようお願いいたしますという言葉で結んでいます。
ところが保健所は、資格に基づかない店舗を営んでいる区民もいるなどの理由から、こうした広報を不適切と拒んでまいりました。
では、保健所はこうした政府広報も不適切と考えているのか、この先もその姿勢を堅持するのかどうか伺います。

◎柳原 生活保健課長

あん摩マッサージ指圧や柔道整復については法的な資格制度がございますが、区民の方が施術所を選ぶ際に、有資格者かどうかという判断を見分けることは難しい状況でございます。
保健所は、現在、法令に基づく施術所を届け出た場合はリストに掲載いたしまして、区政情報センターで閲覧できるようにしております。また、区民から問い合わせがあった場合には、このリストをもとに情報提供しております。厚生労働省から示されております無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止についてのホームページを踏まえまして、さらによりわかりやすく区民に周知してまいりたいと考えております。
今後も、区民が安心して、また安全に施術を受けられるよう、周知、啓発に努めてまいります。

◆上川あや

区政情報センターで閲覧できるということを、広報では全く言わないと思うんですね。また、一年間放置をしておきながら、今後も――今後もとおっしゃいましたよね、今後も周知、啓発に努めていくなどとよく言えたものだと思います。そうであるならば、何度も指摘を受けるまでもなく速やかに改善をしてください。
以上で終わります。