◆上川あや

最後に、郷土の歴史を深く知る学芸員が、あと数年で全員定年退職することについて伺います。

郷土の歴史を深く知る世田谷区の学芸員が、あと数年で相次いで定年退職を迎えます。昨年度、六名いた学芸員の一人は昨年度末で退職、今後も、今年度末に一人、来年度末に一人、再来年度末に二人、最後の一人も三年後には退職し、全員がいなくなります。退職後も数年間は再任用の形で御協力いただくことも可能だとは考えますが、個々人が長年蓄積してきた知識、経験、人脈をどう次の世代に伝えていくかは重要課題であるはずです。区、区教委はこの課題をどう捉え、取り組んでいかれるおつもりであるのか伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。

◎伊佐 教育政策部長<

私からは、学芸員に関してお答えをさせていただきます。
教育委員会における学芸員の配置状況は、文化財係と郷土資料館に五名の正規職員と短時間再任用職員一名、一般非常勤一名の合計七名が在籍しております。学芸員は、埋蔵文化財を初め、古文書、民族資料の収集整理、保管及び調査研究を行っており、区民に郷土の歴史文化を伝える重要な役割を担っているところでございます。
議員御指摘のとおり、今後四年間で全員が定年退職を迎える学芸員の対応につきましては、教育委員会としても重要な課題として認識しておりますが、定年退職後も再任用職員として任用が可能であり、これまで培った知識、経験を活用してまいりたいと考えております。
また、学芸員が蓄積した知識や経験をデータで保存し、マニュアル化等の整備を進めることや、専門家からの指導助言による補完、また、調査研究の業務を区内大学や活動団体などと連携して実施することなども重要な視点と考えております。
いずれにいたしましても、引き続き郷土の歴史文化を区民に伝えていく姿勢を堅持しながら、そのための体制づくりを、人事所管とも連携し検討してまいります。以上でございます。