◆上川あや

続いて、区がようやくこの春からスタートさせた庁議情報の公開について伺います。

問題点の第一は、庁議の傍聴を一律に認めない、一切認めないとしている区の態度です。
既に指摘したとおり、埼玉県新座市、都内国立市、埼玉県等の庁議は原則傍聴が可能です。新座市の庁議公開のルールがそうであるように、庁議を公開することにより、公正かつ円滑な運営に著しい支障が生じると認められる場合は非公開、あるいは区民等のプライバシーを守る視点から必要な場合には非公開とルールを定めればよいのであって、一律非公開、全面非公開とする理由はないように思います。
例えば直近の世田谷区の庁議の公開分、四月十七日の庁議にかかった案件は、世田谷区新型インフルエンザ等対策行動計画(案)についての一本ですが、この庁議の傍聴を認めることにいかなる不都合があるのでしょうか。全面的に傍聴を不可とする合理的理由について説明を求めます。
また、平穏な環境の中、討議を進めたいということであれば、音声傍聴だけでも認めればよいのではないのですか、あわせて区長の見解を伺います。

問題点の第二は、区が公開した自称会議録の余りのお粗末さです。区が作成、公開している自称会議録の程度を他の自治体のそれと比較してみます。切りのいいところでちょうど二時間の会議時間だった、平成二十五年四月二十六日の会議録を開きますと、その文字数は全千二百六十文字でした。一時間当たり六百三十字、普通の速さで読んで、たった二分で読み切れる分量です。
一方、板橋区が公開している庁議の会議録を本年三月二十七日開催分で見ますと、きっかり一時間の会議の要約に三千百五十三字を用いており、世田谷区の五倍の情報量です。つまるところ、世田谷区の自称会議録は、およそ会議録とは呼べない代物であり、実質、要点筆記以下だと考えます。
区長が掲げる情報公開の徹底はこれで実現できるのでしょうか。改善のお考えはないのですか、区長の見解を伺います。

◎保坂 区長

上川議員にお答えいたします。
このたび、情報公開を進める一環として、行財政運営の基本方針や重要施策などを庁議において実施することが決定された事案にかかわる資料と会議録の公表について、本年四月から実施したところであります。
会議録の公表に当たっては、日時、出席者、件名、決定された付議資料に加えて、指摘のあった意見や修正事項など、議事の要点となる部分を掲載しております。
今回、区はみずから庁議の情報を開示することとし、また、とりわけ議論の際提出された付議資料、こちらをPDFファイルで全て見ることができる。このように情報公開については一定の前進を図ってきた所存であります。
行政情報の開示、オープン化の取り組みを通して、区民の参加と協働の機会を広げるために、会議録の掲載内容については、区民の反応、御意見を伺いながら、引き続きこれから工夫の余地はないのか検討するよう、関係所管に指示してまいります。

◎板谷 政策経営部長

私からは、庁議情報の公開に関し、庁議の傍聴についてのお尋ねについてお答えをいたします。
庁議の公表に当たりましては、例えば個人に関する情報や法人等の利害に関する情報、検討中の情報で、公にすることにより区民に混乱を生じさせるおそれがあるものなど、情報公開条例に定める非開示情報に該当するものは公表はできません。
音声傍聴を含め傍聴については、透明性という点ではすぐれておりますが、こうした非開示情報がそのまま公表されることが危惧されると考えております。
冒頭、区長から御答弁申しましたが、この四月から区のホームページにアップするとともに、区政情報コーナーで閲覧に付している庁議の会議録及び決定された付議資料について、ホームページのアクセス方法や掲載内容を工夫するなど、改善する方向で検討を進めたいと思います。
以上でございます。

◆上川あや

庁議の公開について、区長に再質問いたします。
会議録の内容について、さらに検討の余地がないか、再検討を所管部に指示をするということでしたが、会議録がしっかりとられるのであれば、庁議の場で発言することをやめておこうと、結局、空洞化すること自体も私は恐れているんですね。ですので、ぜひ提案なんですけれども、公開される庁議の、そこで付議される情報の紙の中に、これまでの政策決定過程の手順での議論の振り返りをつけていただきたいんですね。でないと、政策決定過程の見える化にはつながりませんので、区民参加をうたうのであれば、しっかりとその点対応していく必要があると思います。区長の見解を伺います。

◎保坂 区長

再質問にお答えします。
今回の四月一日からの新たな開示は、議会での御議論、御指摘、御提案も踏まえて、少々時間はかかりましたけれども、第一歩を記したものと御理解をいただきたいと思います。
その会議録の字数について余りにも簡素ではないか、御指摘もいただきました。一方、付議資料を軸にそこから見ますと、いつ、どのようなときに決定がされたのかということをたどることができますし、また、議会への情報提供と両輪で行っております記者会見の回数についても、他自治体よりは随分と多いと、といっても一カ月に一回程度でありますけれども。
そういうことで、今後、今、潜在化の危惧ということを言われましたけれども、そういうことにならないように、さらにこの制度を、まず区民に知っていただく工夫も必要かと思います。ホームページでより簡単にアクセスできるように、すぐに行き着けるような工夫も含めて、今の御指摘も受けとめながら進めていきたいと思います。

◆上川あや

足かけ三年かけて公開したにしては余りにもひど過ぎますので、今後の展開、しっかりやってください、お願いいたします。
終わります。