◆上川あや

続きまして、来年度予算に盛り込まれましたタブレット端末の活用実験についてです。

このタブレットの導入は、そもそも世田谷区役所における手話通訳者の設置が余りにも貧弱で、しかしながら、議会で私より強く拡充を求めましても、改善は小幅なものにとどまりました。結局、窮余の策として、あくまでも手話通訳者が各総合支所にいない、これを補完する策として、私から、本庁一カ所にしかいない手話通訳者と各支所をテレビ電話等で結べませんかと提案をしたものです。今回、ふたをあけますと、タブレット数台だった当初の予算要求が五十八台にまで膨らみました。要望した私も正直戸惑っておりますが、聴覚障害者の皆さんが本来お望みなのは手話通訳者の設置であって、タブレットで全てが補えるということでは決してありません。この点は誤解がないように、原点を確認しておきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

◎若林 障害施策推進課長

待機手話通訳者の配置は現在本庁に限られておりまして、時間も午前中のみであることを以前御指摘いただき、総合支所に来庁する聴覚障害者に筆談器以外で支援ができないか、この間検討してまいりました。本来は各総合支所におきましても、手話通訳者が待機していることが望ましいと考えているところではございますが、実際の配置は難しいということも事実でございます。お話しのとおり、映像通信を利用した手話通訳の実施につきましては、次善の策として御提案いただいたものと理解しておりまして、近年、進歩の著しいタブレットPCの活用により、少しでも聴覚障害者のニーズに応えてまいりたいという趣旨で導入を予定しているものでございます。

◆上川あや

また、今後の展開についてなんですが、何より情報保障を必要とする聴覚障害者の皆さんの御意見を十分に聞いた上で展開を図っていただきたいと思います。当事者不在のサービスにならないよう、この点も念を押して、お考えを伺っておきたいと思うんですけれども、いかがでしょう。

◎若林 障害施策推進課長

手話は一つの言語でありまして、聴覚障害者がコミュニケーションをとるための重要な手段であります。タブレットPCの活用をしていただくためには、どのように利用されているか、利用に際しどのような課題があるかなど、利用者や手話通訳者の意見を受けとめまして、検証していくことが最も重要であると考えております。来年度、タブレットPCを総合支所等に配置し、さまざまな活用方法を検討していくこととなりますが、課題を検証しながら、よりよい支援ができるように検討してまいりたいと思っております。

◆上川あや

よろしくお願いいたします。