◆上川あや

最後に、区の動画広報に聴覚障害者等への配慮がない現状を変えることを求めます。

二〇〇九年十月の質疑で、区の動画広報に手話、字幕等の聴覚障害者等への配慮が全く欠けていることを指摘いたしました。その後、区は「魅せます!せたがや」の動画に手話を挿入、字幕を多用していくことも約束をしたはずでした。私も質問の翌年、その改善を見届けてまいりましたが、ここに来て、区の広報動画から手話が完全に抜け落ちております。その欠落を補完するに足る十分な字幕スーパーすらありません。
区に確認したところ、MXテレビから区の広報番組を放送している都内二十区のうち四区がその映像に手話を挿入する一方で、世田谷区提供の映像からは手話は完全に抜け落ちているとわかりました。また、それを補完するべき字幕も、健常者を対象に映像効果を狙ったものでしかありません。
さらに動画サイト、ユーチューブを介して配信されている職員お手製の広報番組にも、手話はおろか、字幕さえないものがあります。石川さゆりさんと区長の新春対談にも全く配慮がなく、新春から暗い気持ちにならざるを得ませんでした。一体どうなっているのですか。この間の経緯を含め説明を求めます。また改めて善処を求めますが、どのように取り組まれるおつもりであるのか伺います。

◎宮崎 政策経営部長

私からは、動画広報に係りまして、聴覚障害者等への配慮がないということに対してのお答えを申し上げます。
区の制作する映像広報は、制作会社へ委託する手法から、職員みずからが制作し、その波及効果も高いと考えられるインターネットへの掲載を進めるなど、この間、費用対効果と職員の技術力の定着を図ってまいったところでございます。
そのような中で、内容の趣旨がわかるようにテロップを入れているところでございますけれども、現在の表示方法ではなかなか伝わりづらいというものになっております。
「魅せます!せたがや」につきましては、インターネットを主な配信先と考えまして掲載するとともに、特別区広報番組としてテレビでも放映しておりますが、職員が制作することを契機に、平成二十三年度から手話映像を提供しておりませんでした。
インターネットでの配信につきましては、自動字幕起こし機能により音声が文章で確認でき、聴覚障害のある方も画面をごらんいただきながら内容を御理解いただけますが、現在配信している映像広報には自動字幕起こし機能の対応ができていない映像もございます。この間の経過を考えますと大変申しわけなく思っております。
今後、テレビでの放映に関しまして、「魅せます!せたがや」につきましては、平成二十五年度制作よりテロップをつけることで改善してまいります。
また、インターネット配信につきましては、自動字幕起こし機能の活用について調査いたしまして、早急に対応してまいります。以上でございます。