最後に肝心な区長部局、区教委の足元の対応です。
ここまで縷々、搾乳できる場の確保の必要性を訴えてきましたが、では現実に区政の足元のママさん職員の皆さんは困ってこなかったのか――?
そんな疑問から、面識ある3人のママさん職員に問い合わると、揃いも揃って搾乳する場に困り、衛生的とは言えない庁舎のトイレにこもり搾乳してきたと分かり愕然とするばかりでした。
以下、いただいたメールの一部をご紹介していきます。
「共有いただいた記事の内容と全く同じで、やはりトイレ(しかも古い庁舎のトイレで狭くて汚い…)で搾乳を行い、そのまま流していました。」
「どうしたらいいのか分からず、人に聞くことも恥ずかしくてできず、1人になれる場所が他に無く、しょうがなくトイレに籠っていました。個室で鍵がかけられる場所となると、結局トイレしかないのです。ただトイレは狭いし、立ちっぱなしですると疲れるし不衛生だし、冬は寒いです。」
「けっこう時間がかかることもあり、混んでいるトイレだったりすると周りの目が気になります。搾乳するときの音も気になります。そもそも仕事中に抜けるので、時間もあまりかけられず、とても焦ります。」
「痛みを我慢しながら昼休みに駆け込むようにトイレに入り、搾乳機で搾乳していました。おおよそ3時間 間隔くらいで母乳が溜まって痛むので、夕方、時短勤務を終え、またトイレに駆け込み搾乳し、その後、帰路に着く流れでした。」
「色んなことに気を遣いながら、焦りながら、息をひそめて、何故かいつも悪いことをしているような感覚でした。」
「私の周りには仕事復帰と同時に、授乳を続けることを諦めて卒乳を選ぶ人もたくさんいました。もし環境が整っていたら、諦めなくて済んだかもしれません。」
「職場に搾乳出来るスペースがあれば、かなり助かるのではないかと思います。そして、それに伴う職場の理解の促進も急務だと感じています。」
「これから出産を迎え、子育てしながら仕事復帰を目指す職員に同じような思いはしてほしくないと思っています。」
引用は以上です。 皆さん、いかがでしょうか? これが区役所の実態です。
そこでまず、区長に伺います?
区は「子ども子育て応援都市」を宣言した区内最大規模の事業所です。
ところが、その足元では職員が不衛生なトイレにこっそり籠って搾乳し、その母乳を捨てることを余儀なくされてきた。
3期工事の終了後、この本庁舎には3300人もの職員と多くの委託事業者が共に働く想定で、全体工事の終了まで、あと4年あります。
既に3期工事の詳細図面まで書かれていると承知していますが、国が各事業所に「搾乳室」整備の旗振りを始めた今、その整備を盛り込まず続行するのであれば、私は反対です。
職員も安心して庁内で搾乳でき、その母乳を赤ちゃんに安全に届けられる冷凍冷蔵庫を備えた搾乳室の整備を求めますけれども、いかがですか?
続けて総務部長に伺います。
職員が安心して庁内で搾乳し、その母乳を冷凍できる環境整備と併せ、職場の理解促進が急務です。
国は労働基準法 第67条が定める、1日2回を限度とする育児時間に搾乳を充てることも可能との見解ですが、各職場にそうした理解は乏しい上、特に男性上司に対し、プライベートかつ、センシティブな搾乳を理由に育児時間を請求すること、それ自体に心理的なハードルがあるのに加え、搾乳回数も1日2回で十分とは限らず、また急に切迫することもある胸の張りや痛みに事前の届出を迫ることには無理があります。
各職場の対応には、よくよく柔軟性を持ってもらわなければ、職員の体調悪化すら招くと危惧しますが今後のご対応はいかがでしょうか?
最後に、区教委の学校施設等にも搾乳室等を設置し、職場理解の徹底を図る必要性があると考えますが、どう対応なさるのか、そのお考えを伺います。