産後の女性が安心して搾乳し、その母乳を赤ちゃんに届けられる環境づくりについて伺います。

産後の女性の中には赤ちゃんが、10人に1人の「低出生体重児」であるため入院していたり、産後、早期に復職したなど様々な理由から、赤ちゃんと離れ自分で母乳を搾る「搾乳」を必要とするケースが少なくありません。
授乳期は母乳で胸が張ってくるため一人でも定期的に搾る必要が出てきます。
母乳が排出されず溜まると、胸が硬くなり痛む。乳腺炎になりインフルエンザのような高熱や悪寒、倦怠感が生じることもある。搾乳間隔を空けると母乳も減り母乳育児の継続に差し支える恐れも出てきます。
他方で体重2500グラム未満の「低出生体重児」には母乳を与えることが推奨されており、母乳を入院先に届けるため、数時間おきに搾乳しなければなりません。
加えて厚労省の「乳幼児栄養調査」によれば、妊娠中「母乳で育てたい」と考えた割合は「ぜひ」と「できれば」の合計で93.4%と圧倒的で、母乳育児と復職とを両立させたいママさん方も多いのです。
ところが、こうしたママさんが一歩家を出ると、気兼ねなく衛生的に搾乳できる場の確保は容易ではありません。

まず、検証の手始めに、この区役所から見てみましょう。
昨年竣工した東棟、西棟のそれぞれに2カ所の「授乳室」がありますが、その名称はズバリ「授乳室」。ママさん一人の来庁で気安く利用できる、ご案内表記ではありません。
実際、ママさんひとりの搾乳では不審な目で見られたり、「ここ授乳室ですよ」と声をかけられ、嫌な思いをした方々もいるのだといいます。
こうした状況の改善を目指し、神奈川県では昨年、子育てNPOと共に授乳室で搾乳もできることを知らせるシンボルマークを制定。県施設への貼付を始め、県内事業所にも活用を呼び掛けています。
一方、区の施設には、今挙げた授乳室含め、「あかちゃんスペース」が220箇所ありますが、そこでも搾乳にご利用頂けると判る案内表記はないままです。

そこで第一に求めるのが区の施設の改善です。
まず、今述べた、赤ちゃんスペース、220か所でも搾乳してよいかの確認を区に求めます。
そのうえで搾乳がOKならそうと判る名称変更――例えば「授乳室・搾乳室」 の併記や「ミルクルーム」への変更、神奈川県同様、一目で搾乳歓迎と判るシンボルマークの策定、貼付など改善策の展開を求めますが、いかがでしょうか?