まず、私もその誕生に一役かった、世田谷区教委の「服装自由の日」、「カジュアルデー」について伺います。
その誕生経緯を、当時の朝日新聞報道の一部から振り返ります。
「世田谷区立の全中学校で2019年度、好きな服装で登校できる「カジュアルデー」を設けることになった。
「カジュアルデー」は、生徒自らが服装について考える日として月1回程度実施、授業に支障のない範囲で服装は自由でいいというもの。
予算委員会で、上川あや議員が、性同一性障害の生徒が制服着用の強要で不登校になった例をあげ、「着用は義務ではないことを学校現場に徹底させるべきでは」などと質問した。
堀教育長がカジュアルデーに言及し、「生徒の主体的な判断と適切な自己表現を促すとともに、多様性を理解・尊重する機会とすることを目的とする」と答弁。19年度から全中学校で実施する予定を明らかにした。」
引用はここまでです。

そこでまず確認です。
今ご紹介した質疑の日のご答弁では、いわゆる「制服」、区教委でいうところの標準服は、学校推奨の服装ではあるものの、その着用は義務ではないとのことでした。
この「義務ではない」とする、ご認識に、変化はないですか?

その着用が義務ではないことが確認できました。
次に、カジュアルデーの開始から5年半が経過しましたが、この間、服装を自由としたことで大きなトラブル、風紀の乱れ等あったでしょうか? 問題は起きてないのではないですか?

山本教育指導課長は、そもそも制服そのものがない都内の公立中学校、杉並区立中学の様子についても耳にされてきたと伺っています。
制服のない学校の先行例から見えてくる現場への評価はいかがですか?

区教委に伺うと現在カジュアルデーは、月1回ある土曜日授業の日が全校で実施日になっている。ところが、その土曜日授業も来年度から、基本なくなるとの認識でよいですか?

カジュアルデーを行う、土曜日授業が振替え休日を除き、原則、無くなることが確認できました。
そこで提案があります。
カジュアルデーのそもそもの目的、「生徒の主体的な判断と適切な自己表現を促すとともに、多様性を理解・尊重する機会とする」その実践をもっと前に進めて良い時期だと思うのです。
全区立中学で、「服装自由の日」を設けても問題は起きておらず、生徒はおちついている。
制服を持たない区立中学の様子を聞いても、良い評価がある一方で、大きな課題や支障は見当たらない。
ならば、生徒の主体的な判断に任せる日を、何も月1回だけに限定する必要もないはずです。生徒と学校で話し合い、各校ごとの判断で拡大も可として欲しいのです。
話し合いの結果、週3日でも、また週5日の丸々でも私は良いと思うのですが、いかがですか?

区の子ども条例の一部を改正する条例(素案)の第5条は(自分らしくいられる権利)、第8条は、(自分で自分のことを決める権利)ですよね。
学校には公式行事等、折り目を付けるべき日もあるので、一気に標準服廃止まで求めるものではないですが、子どもに合理的説明ができないような、大人たちによる服装の強制は見直してゆくべきだと思っています。
今後はいっそ、カジュアルデーを主体に、卒業式など特定の学校行事の日をフォーマルデーに設定し、TPOを考える機会としてもよいように思うのですが、いかがですか?

ともあれ、来年の新条例施行に合わせ、長らく教育現場で当然のこととされてきた「服装という自己表現」への不合理な制約、半強制性は脱ぎ捨てて頂くよう求めます。
最後に区教委の今後の取組み方針について伺います。