◆上川あや

続いて、性的マイノリティーの相談窓口の確立を求め、二点質問いたします。

第一に、性同一性障害に関して、区の相談窓口の確立を求めます。
昨年四月二十三日、国は、心と体の性が一致しない性同一性障害の児童や生徒への対応として、教育相談を徹底するよう求める通知を全教育委員会に発しました。一方、区と教育委員会はこれまで、私の議会提案にもかかわらず、相談の窓口を明記できませんでした。この状況は国が通知を発出して一年半がたつ今も変わっておりません。国から相談対応の徹底を求められながら窓口を提示しない対応は、本来おかしいと考えます。
既にお隣川崎市と鹿児島市が、医療、人権、教育の各部門連携のもと、性同一性障害に関する相談の窓口を明示しています。川崎市は、昨年の五月から窓口を明確化、以降、それまで一件だった相談が七十九件に急増したと伺っています。また、本年一月末、相談窓口を開設した鹿児島市にも既に二十数件の相談が寄せられたそうです。
世田谷区も、保健、人権、教育の各部門連携のもと、相談の窓口を明確化するべきと考えます。区長と教育委員会それぞれに見解を求めます。

続いて、前出の相談の窓口の確立に当たっては、性的指向についての悩み、つまり、同性愛者、両性愛者の悩みに対してもしっかり対応していく姿勢を明らかにするべきです。
これには二つの理由があります。
一つは、同性愛者、両性愛者に対する誤解や偏見が今も根強く存在し、それゆえに、いじめやからかいの対象になりやすく、また、みずからに否定的な感情を持ちやすいためです。こうした人たちのメンタルヘルスの課題、自殺念慮の高さについては、これまで世田谷保健所も繰り返しその深刻さをお認めでありました。
ここで、少々長くなりますが、参考に、一昨年二月の本会議で示された世田谷保健所の答弁を読み上げたいと思います。
「性的少数者には性同一性障害、同性愛、両性愛などが含まれます。同性愛に関しましては、一九九二年、世界保健機関、WHOが、いかなる治療の対象にもならないと宣言をしております。しかしながら、同性愛に関する偏見や差別がなくなったとは言えず、二〇〇五年、京都大学等による男性同性愛者へのインターネット調査によりますと、学校で仲間外れにされていると感じたことがある人が四二%、言葉による暴力被害を受けたことがある人が五四%との結果が出されております。さらに、六五%の人は自殺を考えたことがあり、約一五%の人が自殺未遂の経験があるとしておりまして、六年前の一九九九年とほぼ同様の結果が報告されております。
また、関西看護医療大学等が行った『わが国における都会の若者自殺未遂経験割合とその関連要因に関する研究』によりますと、二千人以上に調査を実施し、男性で同性愛あるいは両性愛である場合、お話にありましたように自殺未遂のリスクが約六倍高いと報告をしております。性同一性障害の六八%が自殺を考えたという岡山大学大学院の報告もございます。
医学的には人間の性には男性と女性とに単純化できない多様性が認められるとされておりますことから、医療、保健、福祉及び教育などの専門職が性の多様性について理解するとともに、性的少数者に対する社会の正しい理解が求められております。」
引用は以上です。

区として、同性愛、両性愛の当事者について、これだけの苦悩があることを認めながら、その一方で相談を受け付けないという対応は本来あり得ません。
もう一つの理由は、幼少期や思春期においては、性同一性障害と同性愛、両性愛の区別が現実的に難しいということです。専門家による研究では、性同一性障害と診断される子どもは、その多くが成人後には性同一性障害の症状を持たず、同性愛、両性愛の傾向を持つようになると報告されています。また逆に、みずからを同性愛ではないかと思い悩んでいた者が、後に性同一性障害であったとわかるケースもあります。性同一性障害と同性愛、両性愛は別の概念でありますが、多分に連続性を持つものであり、相談対応によっても、一方のみを受け入れ、一方を排除するという対応は誤りです。
以上の理由から、前出の相談窓口の確立では性的指向の悩みに対してもきちんと対応していく姿勢を明らかにする必要があると考えます。見解を伺います。

◎保坂 区長

上川議員にお答えいたします。
性的マイノリティーの相談窓口の確立及び明確化するべきであるとのご質問をいただきました。
区は、性同一性障害、同性愛など性的マイノリティーの皆さんの問題については、基本的人権を守る観点や自殺予防の観点に加えて、大変な生きづらさを抱えている思春期、青年期にある子ども、若者に対する支援を考える上で、重要かつ深刻な問題であると認識をしているところでございます。
特に若い世代の自殺者の中に、性的マイノリティーであることで孤立感を深め、また、存在を否定されるような無理解や差別に傷つき悩んできた人が少なくないことに重大な関心を持っております。
区は、これまで人権尊重や男女共同参画の視点に立って性的マイノリティーに関する区民理解を図るため、講座や講演会など普及啓発に努めてまいりました。また、自殺対策の一環として、今年度より性的マイノリティーに関する外部の相談機関、相談支援機関のご案内をパンフレット等で始めているところであります。
また、思春期精神保健相談、教育相談、せたがや子どもテレフォンなど各分野での相談事業で、個別に相談があった場合には応じていると聞いております。しかしながら、こうした相談体制について、議員ご指摘のように、性的マイノリティーの方々に対する積極的なアナウンスは必ずしもしてこなかったというふうに認識をしております。
一方で、お話しのように、性同一性障害だけでなく、性的指向による悩みを抱えていらっしゃる方も含めて、抱え切れない悩みを持ちながら相談につながっていない、つなぐことができない方もまだまだたくさんいらっしゃることと思います。
区としては、今後、こうした性的マイノリティーの方々に相談窓口がさまざま用意されていることや、一人で抱え込まずに相談してほしい、積極的なメッセージを発する必要があると考えております。
今後、相談窓口を周知し具体の相談につなげていくことにあわせて、相談を受ける側がよくこの問題を理解し、研修等で認識を高めることも含めて質の向上を図っていきたい。人権や保健、子ども、教育など、関係部署が連携して具体的な取り組みを始めるように指示したところです。

◆上川あや

ご答弁ありがとうございました。
区長のご答弁のところで、いま一度簡単な確認をと思います。窓口はまず明確にしていただけると。それには性同一性障害だけではなく、同性愛、両性愛も含むということのご答弁と理解してよろしいんでしょうか。そのことの確認と、あと、教育委員会のほうにもご答弁を私通告で求めましたので、連携のことは区長のほうから一言言及がございましたけれども、教育委員会からも一言ご答弁いただければと思います。

◎保坂 区長

今確認をいただいたように、窓口を明確化することについて行います。さらにはもう一点、この点についてもしっかりと行っていきます。よろしいでしょうか。

◎古閑 教育政策部長

教育委員会の取り組みについてお尋ねがございました。
性同一性障害や、また性的指向などについて悩んでいる子どもたちの相談窓口の確立は重要な課題であり、速やかな対応が必要であるというふうに理解しております。
教育委員会としまして、相談窓口としての教育相談室があることを明確にして周知を図るとともに、相談員が適切かつきめ細やかに相談に答えられるように、研修等の充実を初め、体制を強めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。

◆上川あや

今回尋ねました窓口の明確化は、私、四年半前から尋ねてきた問題で、ようやくの変化が生まれてうれしく思います。しっかりその後の行く末を見守ってまいりますので、ご協力をお願い申し上げます。