◆上川あや
初めに、区の障害者雇用率の誤算定と今後の改善策について伺います。
従前、区が国に報告していた障害者雇用率は、本年六月一日時点で二・五一%、法定雇用率の二・五%を辛うじて上回っておりましたが、九月三日の委員会報告ではこれが二・〇五%に急減し、その後、国の依頼に基づいて民間と同じ厳格なガイドラインで再々点検しますと、その率はさらに急減し、昨年六月一日現在で一・六五%ということです。目も当てられません。
本件については、さきの本会議でも多くの批判の声が上がりましたが、当然の反応だと理解をしております。区は責任を痛感していると繰り返し答弁し、おわびの言葉もございましたが、そこで示された改善策では私は納得できないと考えております。
区は他会派に次のように答弁しております。まずは、今年度より従来の身体障害者に加え知的障害者、精神障害者も対象に含めて実施をしている、特別区人事委員会の障害者を対象とする職員採用選考において区の採用予定数を拡大いたします。しかし、ここで言う特別区の採用選考には重大な落とし穴がありますよね。既にこの春の予算委員会で私から指摘をしたとおりですが、ここで繰り返します。
特別区の新たな採用選考では、確かに精神・知的障害者を新たに対象者に加え、三障害全てが選考対象となりましたが、それぞれの障害特性に配慮があるわけではなく、三障害全てを一つの採用区分、採用基準に押し込んでおり、大問題です。つまり、知的障害者に対してもあくまでも学力、教養偏重の選抜試験を一緒に受けさせており、これでは知的障害者が現実には採用されないのではないですかということを指摘いたしました。
そのあしき前例が東京都です。都は特別区より一年早く、従来の身体障害者のみを対象とした採用選考を、三障害全てを対象とする選考としましたが、現在の特別区と同様に三障害全てを同一区分、同一基準で選考した結果、知的障害者の採用はゼロとなっています。この点を踏まえて、区には特別区の障害者採用選考それぞれの障害特性に配慮のあるものに変えるよう進言を求めておりますが、その後の検討状況はいかがなのでしょうか。御報告を求めます。
◎中村 総務部長
特別区人事委員会が統一的に実施する障害者採用選考につきましては、従来の身体障害者に加え、今年度より知的障害者、精神障害者の受験が可能となり、採用の門戸が広がったところです。区といたしましては、障害者雇用の推進に当たり、委員御指摘のとおり、障害の種別を問わず、均等な就労の機会の確保に努めるとともに、採用後、区職員としてその適性を十分生かし、安心して安定的に働くことができるよう職場環境を整えることが重要であると認識をしております。
区ではこの間、昨年度東京都が実施しています三障害の採用選考では知的障害者の合格者がなかったことを含めまして、障害者採用の現状や課題について、特別区人事委員会の事務局と実務的な意見交換を行っておりますが、選考制度も含めた障害者雇用のあり方について、今年度の特別区の採用選考の実施結果も踏まえ、さらには、他自治体等での取り組みも参考に、特別区全体で議論を深めながら、人事委員会への働きかけを続けてまいりたいと考えております。
◆上川あや
しっかりと是正をお願いいたします。
◆上川あや
さきの本会議の御答弁では、特別区のさきに挙げた採用選考とはまた別に、区独自の採用も検討しているということでしたが、この部分でも、知的障害者の採用も視野に入れた十分な配慮、制度の検討を求めたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
◎中村 総務部長
区は率先して障害者の就労を促進する立場であり、早期の法定雇用率の充足は喫緊の課題であると認識をしております。
今後の取り組みにつきましては、特別区人事委員会が実施する統一の採用選考による採用の拡大ばかりでなく、知的障害者、精神障害者の方々を民間企業への就職につなげますチャレンジ雇用の業務範囲の拡大のほか、区独自の採用についても課題を整理しているところです。
この区独自の採用の仕組みにつきましては、現在選考中である特別区の採用選考の結果を踏まえ、東京都が昨年度から実施しています知的障害者の採用選考の事例のほか、他自治体における採用の動向や事例なども参考にして、障害の特性に配慮しながら、個々の適性を生かすことができるものとなるよう、検討を急いでまいります。
◆上川あや
その実態を見てまいりますので、よろしくお願いいたします。