具体的な成果

★性的マイノリティの相談窓口が明示されました。

 

上川あやの提案で、都内の自治体で初めて、性的マイノリティの相談窓口が区のホームページにアップされました。心の健康相談担当者(医師)、教育相談室の専門員がご相談に応じる体制が整えられました。

性的マイノリティの相談 ※クリックすると拡大します

 

性的マイノリティの相談(区HP)

具体的な成果

★区教委の電話相談、性のなやみに応じます。

 

上川の提案で、全区立学校で配られる電話相談カードの例示に「性のなやみ(こころやからだ)」が加わりました。不登校や自殺念慮の割合が高い、性的マイノリティの子どもたちへの配慮です。

性のなやみ(こころやからだ)※クリックすると拡大します

 

性のなやみ(こころやからだ)

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◆上川あや

本日は、区長部局の性的マイノリティーの相談窓口の確立が教育委員会に対して半年程度おくれることについて伺います。
本日は、心の相談事業を直接担っている各支所の健康づくり課に対して伺ってまいります。

区長は、この問題をめぐる昨年九月の答弁で、性同一性障害、同性愛など性的マイノリティーの皆さんの問題については、基本的人権を守る観点や自殺予防の観点に加えて大変な生きづらさを抱えている思春期、青年期にある子ども、若者に対する支援を考える上で重要かつ深刻な問題であると認識をしているとおっしゃいました。
また、保健所長も三年前の本会議で、同性愛者の心の健康リスクについて触れ、学校で仲間外れにされていると感じたことがある人が四二%、言葉による暴力被害を受けたことがある人が五五%、さらに六五%の人が自殺を考え、約一五%が自殺未遂の経験があると京都大学等の調査結果を引用の上、医療、保健、福祉、教育の専門職が性の多様性を理解する必要があると述べました。
心の相談事業を行う各支所の健康づくり課長も基本的に同じ見解と考えてよろしいでしょうか、お伺いします。

◎上田 世田谷総合支所健康づくり課長

心の健康事業の所管課長として、専門職が性の多様性を理解する、その必要性はあると同様に考えております。

◆上川あや

区はこれまでのご答弁で、思春期精神保健相談、せたがや子どもテレフォンなどの各分野の相談事業で個別にご相談があった場合には、性的マイノリティーの悩みにも相談に応じてきているとしてきました。相談窓口を明示してほしいという私からの要望に、いや、既に相談の窓口はあるんですよ。対応してこなかったわけではないんです。具体的に性的マイノリティーの方のお悩みも伺いますと、明示はしてこなかったかもしれないんですけれども、窓口はあるんですよというわけです。
ところが、改めて窓口の明示をと求めますと、それでは困る、すぐには応じかねる、しばらく準備の時間をいただきたいとなります。これは矛盾ではないのでしょうか、お伺いいたします。

◎上田 世田谷総合支所健康づくり課長

世田谷総合支所の健康づくり課では、これまで地域の中で日々心の悩みを持って生活している方々の心の健康相談を実施してまいりました。相談内容は、統合失調症やうつ、思春期では、発達障害やひきこもり、そして家族問題など多岐にわたっております。性的マイノリティーの相談もこの中で個別に対応し、きめ細かな配慮ができるように専門研修等の準備を進めてまいりました。しかしながら、委員ご指摘のとおり、十分な相談体制ができていなかったため、相談窓口のご案内を行っておらず、相談はほとんどございませんでした。

◆上川あや

足りないところを率直に認めたご答弁だと思います。

同性愛者の人権をめぐる公的判断としては、府中青年の家の利用をめぐり、東京都と同性愛者のグループとで争われた裁判が有名です。
裁判は九七年、一審に続く東京都の敗訴で確定しておりますが、その判決文にはこうあります。

当時は、一般国民も行政当局も同性愛ないし同性愛者については無関心であって、正確な知識もなかったものと考えられる。しかし、一般国民はともかくとして、都教育委員会を含む行政当局としては、その職務を行うについて、少数者である同性愛者をも視野に入れたきめの細かな配慮が必要であり、同性愛者の権利、利益を十分に擁護することが要請されているものというべきであって、無関心であったり、知識がないということは、公権力の行使に当たる者として許されないことである。

つまり、相談事業を行う行政職員も知識がないことはそもそも許されない。心の相談対応に当たる専門職ならば、なおのこときめの細かな対応があってしかるべきでしょう。しかも、当区の保健所の場合、何年も前からその心の健康リスクが深刻であることを認め続けています。なのになぜ今さら研修なのでしょうか。情報収集なのでしょうか。無関心が過ぎるのではないでしょうか。いかがでしょうか。

◎上田 世田谷総合支所健康づくり課長

委員のご指摘については、真摯に受けとめ、性的マイノリティーの相談に大きな関心を持って取り組んでいきたいと考えております。
相談窓口の明示のほかに、具体的に相談をどのように受けるのか、医療機関へはどのようにつなぐかについても検討を進めているところでございます。

◆上川あや

昨年九月の議会質問では、既にお隣の川崎市と鹿児島市が医療、人権、教育の各部門連携のもと、性同一性障害に関する相談の窓口を明示していることをご紹介しました。川崎では、相談窓口を明示して以降、一年四カ月間で、それまで一件しかなかった相談が七十九件に急増し、驚いたそうです。また、鹿児島市も相談窓口を明示して以降、八カ月間で二十数件もの相談が寄せられたと伺っています。
社会に根強い差別がある問題ほど当事者は声を上げることが難しく、ニーズは潜在化しがちです。世田谷ほどの大都市で相談の声が寄せられていないとしたら、安心感を提供できていない窓口にこそ問題があると言うべきです。
心の健康相談を担当する健康づくり課には、当事者の立場に立ったきめの細かな配慮を改めて求めますし、相談窓口の早期開設に向けても最大限の努力を払っていただかなければならないと私は考えています。所管課の考えはいかがでしょうか。

◎上田 世田谷総合支所健康づくり課長

相談窓口につきましては、保健所と調整し、進めているところでございます。質の高い相談支援を行うためには、職員への十分な研修など、時間をいただくこともございます。区民の心の健康を担う所管である健康づくり課は、真摯に向き合い取り組みを進めております。性同一性障害や性的指向についてだれにも話せず、日々悩み続けている方々のために、保健所、教育所管とも連携し、来年度前半に準備ができ次第、一日でも早いご案内を考えております。

◆上川あや

しっかりとお願いいたします。

◆上川あや

残り時間がありますので、もう一問お伺いいたします。
これは「区のおしらせ」の三月一日号、区報「せたがや」の最新号です。一面を丸々使って「〝こころ〟の疲れに気づいていますか」と書かれまして、心の健康相談、今回伺っている健康づくり課が所管ですけれども、取り上げています。ところが、相談窓口のご案内、健康づくり課の連絡先には、やはりというか、電話番号しかないんですね。紙面のどこを見ても配慮がありません。耳が聞こえない人、話せない人、あるいは発話が難しい人、こういった方の深刻なお声をどうやって聞くつもりなんでしょうか。排除される方に対する姿勢が全くなっていないと思いますけれども、ご感想をお願いいたします。

◎上田 世田谷総合支所健康づくり課長

申しわけございませんでした。
健康づくり課では、これまですべてのパンフレット等にファクス番号等を入れて対応してまいりました。今回のことにつきましては、配慮が足りなかったと考えております。今後十分な配慮を行ってまいります。

◆上川あや

改善されることをしっかり期待いたしますので、しっかりお願いいたします。