◆上川あや

最後に、話は変わりまして、地域の名称、地名について伺います。

さきの文教委員会に、小学校の適正規模化に向けてのご報告がありました。その説明では、花見堂小、守山小ともに適正規模化に取り組む学校群に含まれるというご報告です。
ここで気になったことの一つは、花見堂、守山ともに仮に学校名がなくなった場合、長く受け継がれてきた地名そのものが地域からなくなってしまうという点です。どちらもかつての代田村の字名から来た名称で、地域の歴史を物語る無形の文化遺産、文化財だと考えるんですが、その文化財が完全に失われる可能性が出てきたと思います。
例えば山崎中学校も統廃合によって世田谷中学校に名前が変わりましたが、山崎の名の由来を皆さんご存じでしょうか。江戸時代、松陰神社から国士舘にかけては大夫山と呼ばれてきた。その理由は、延宝二年、長州藩毛利家の抱え屋敷が同地につくられ、毛利家当主の当時の官職名が大膳大夫だったから。山崎中学校のあたりは、この大夫山の前に位置していたために、山の前と書いてヤマサキ、これが転じて山崎になったそうです。
また、この区役所周辺の字名も、昭和の初めまでは元宿と呼ばれてきました。中世鎌倉街道の宿場がこの第二庁舎、この下あたりにつくられて、世田谷城の城下町の中心もこの第二庁舎周辺だったそうです。戦国時代、現在の代官屋敷周辺に宿場が移されるまでの世田谷の中心も、またこの庁舎周辺だったんですね。その名残でこのあたりは元宿だったということだそうです。
非常におもしろい歴史が地名には秘められていると考えるんです。こうした文化遺産は後世にもなるべく伝えていく、こういった視点もとても大切だと思います。仮に学校名に残すことができなくても、ポケットパークの名前につけるなど、区としても工夫をしていただきたいと考えますけれども、ご答弁をお願いできればと思います。

◎宮崎 政策経営部長

名称の関係ですけれども、区でこれまでも昔の地名を用いた施設、それから土地の寄贈者の名前を含めたもの、それから区民から名称を公募したもの、ワークショップで命名、いろんな形で施設が区民に親しみを持たれるように引き続き実施していかなきゃならないと思っていますし、これまでそういう取り組みを進めています。
今後とも、その施設の名称を含めまして、地域住民、施設利用者の意見も伺いながら、施設機能がわかりやすいことも含めまして、親しみを持っていただけるように心がけるとともに、委員ご提案の歴史的な由来などにつきましても考慮しながら、地域に愛される名称を考えてまいりたいと考えております。

◆上川あや

先ほど代田村の話をしたんですけれども、代田という名称も、これは皆さん結構ご存じかなと思うんですけれども、その名の由来が巨人伝説、だいだらぼっちに由来しているそうです。だいだらぼっちの足跡のくぼみがあったとされる場所が、現在の守山小学校の場所そのものなんだそうですね。こうした民話も地域のまちづくりにぜひ生かしていただきたいと私は考えていますので、積極的な展開を期待いたします。