◆上川あや

情報公開をめぐりましては、それを下支えする公文書管理手法の改革こそが重要だと私からは申し上げてまいりました。
従来のように年限さえ来れば、各部各課の都合で捨てられる、あるいは会議録等本来重要な資料であっても、そもそも役所の都合でつくらなくても済むといった、現行のルールはぜひ見直していただかなければならないと思います。
情報公開制度のレベルがたとえ高くても、開示されるべき情報そのものがないようでは全く意味をなしません。
この点、保坂区長からは以前の答弁で、私も中央官庁、例えば外務省などが情報公開法の前に大量の外交書類を廃棄処分したことであるとか、あるいは裁判所が明治以来の非常に貴重な裁判関係書類を全部捨ててしまったことなど、憤ったことも覚えているという御答弁で、情報公開・個人情報保護審議会等で議論するべきではないかという御答弁を一年前にいただいたんですが、その後、同審議会での議論も具体的な管理手法の検討の実績もないと私は把握をしています。
御答弁から一年、どんな成果があらわれているのか、また、成果がないとしても、どこまで検討が実際進められたのか、所管部に文書で答えを提出してくださいと求めたところ、全てが全て研究するの一言だったんですね。私はあきれ返りました。区長が掲げる情報公開の徹底には公文書管理手法の改革こそが欠かせないはずなんですが、所管部にやる気がないんです。
区長の考えはいかがなんでしょうか。従来どおり捨てたければ捨ててもよし、つくりたくなければつくらなくてもよしということなんでしょうか、見解を伺います。

◎保坂 区長

昨年のちょうど一年前の決算の審議で申し上げた答弁は、このテーマは情報公開・個人情報保護審議会でしっかり議論してほしいということを所管部に指示してまいりました。その事前の整理みたいなことで細かい作業を積み上げたということですけれども、ただ、必ずしもまだその議論そのものが始まっていない、大変これはよくないというふうに思っております。
この情報公開・個人情報保護審議会でもう議論を開始していただきたいというふうに考えておりまして、どのような情報公開と公文書管理のあり方が望ましいのか検討を急ぐようにと改めて指示をいたしまして、また報告をさせていただきたいと思います。

◆上川あや

検討を急ぐように指示するということなんですけれども、これを受けて、実行に移すはずの総務部長に伺いたいと思います。
昨年秋の質疑では、総務部長にもお答えを求めました。「先ほど区長からもお話がありましたけれども、国において一定の歴史的な必要な文書が意図的に廃棄されたという部分を指摘してのご意見かと思います。いずれにしても、規定上は努力義務ですけれども、そういった方向での検討が必要だとは認識をいたしております」とお答えになっていた。
つまり、所管部として再検討の必要性も認めた、また、公文書管理法の規定で努力義務であることも認めておりました。にもかかわらず、結果はサボタージュ、研究するです。区長答弁を踏まえれば、単なる研究はもう卒業していただきたいと思います。実際の検討はいつから始めて、いつごろまでに終える考えなのか、そのめどをお聞かせください。

◎萩原 総務部長

厳しい御指摘をいただきました。
公文書の管理につきましては、文書等の保存に関して、世田谷区文書管理規程に基づき、一定の基準のもとにやっております。今後、他自治体の先進事例も研究し、審議会からの御意見もいただきながら、世田谷区における公文書の管理のあり方の検討を鋭意進めてまいりたいと考えます。

◆上川あや

スケジュールをやっぱり示せないところに私は不安が残るんですね。約束してもやってくださらないと意味がないんです。情報公開と公文書管理手法の改革というのは車の両輪で、片方だけでは回りませんので、区長、これは言いっ放しではなくて、ぜひしっかり監視をしてください。管理をしてください。
以上お願いしまして、私の質疑を終わります。