★喉頭摘出患者のリハビリ用具。助成の選択肢が増えました。
がんの手術で声帯をふくむ喉頭を摘出し、襟元の「永久気管孔」から呼吸する「喉頭摘出者」の支援も上川が10年来、取り組んできたテーマです。
月2万円程度かかる呼吸を整え発声を補佐するリハビリ用具が助成対象となり、12品目から選べるようになりました。。
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◆上川あや
続きまして、がんの手術などで声帯を失った方々への支援策についてです。
2008年9月の本会議で、私が初めてこの問題を取り上げました。
喉頭がんや咽頭がん、たばこを吸う人に多いがんなんですが、このがんの手術で声帯を含む喉頭という部分を摘出しますと、呼吸の出入り口は襟元に医療的に開いた永久気管孔という穴に移ります。鼻や口元は空気の通り道ではなくなり、声を失います。
日本ではこうした方々の声のリハビリテーションは、胃に飲み込んだ空気をげっぷの要領で口元に戻して、声帯は失っていますから、食道の粘膜をかわりに震わせる食道発声が主でした。
しかし、この方法では十分話せるようにはなかなかなりません。また、永久気管孔をそのままにしていては、冷たい外気をほこりとともに吸い込むために、呼吸がずっと苦しいままということが課題でした。
この課題の克服に、海外では広く普及しております声を取り戻すための埋め込み型の人工喉頭と呼吸を整える人工鼻を、区の日常生活用具として認め、給付できないかということを提案したのが当時の質問でした。
その後、区に御理解をいただきまして、世田谷では二種類の器具が日常生活用具として給付対象になりました。患者会では、この世田谷区の支援を好例として全国の自治体に陳情活動を広げ、今では六十五の自治体がこの世田谷の例に倣っています。ところがです。残念なんですが、おくれて支援を開始した自治体のほうが、今では対象品目のセレクションが充実しています。
当区では支援対象とするのは当初と変わらず二品目、これが豊島区ですと四品目、練馬区では九品目から選択が可能ということで、昨年3月、当区も対象品目を広げていただきたいと求めたのですが、区は内々に柔軟に適用するというふうにしただけで、その改善が患者さん方には見えません。当然利用の申し込みはございませんので、給付の結果もふえてきておりません。
支援を充実させたと私にお答えになるのであれば、その内容をぜひ区民に対しても見える形にしていただきたいと考えるんですけれども、いかがでしょうか。
◎片桐 障害施策推進課長
区では、重度障害者児の日常生活を容易なものにすることを目的に、自立生活支援用具等の日常生活用具を給付する事業を行っており、現在、五十八品目を給付対象としております。
手術などで声帯を失った方が使用する人工喉頭や取り込む外気を加温、加湿するために装着する人工鼻につきましては、平成二十二年度より品目に加えており、昨年度は五名の方に人工鼻を給付しております。
先般、委員の御指摘を踏まえ、この間、対象製品の拡大を検討し、新たに開発された器具やサポート用品を必要とする方には、今年度より柔軟に利用が可能なよう対応を図っているところでございますが、これまでのところ、利用の実績はございません。
人工鼻の対象製品の拡大についての案内は、人工鼻に関する個別の御相談をお受けする際に対象製品についても行っているところですが、事前周知によってあらかじめ選択の幅が広がることから、ホームページによる案内などを初め、今後周知の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
◆上川あや
ぜひお願いいたします。