具体的な成果

★手話通訳者派遣の回数・時間数制限が撤廃されました。

 

上川の指摘で「第二次男女共同参画プラン」素案から一旦は消えた「男性相談」が復活。
年6回だった男性相談が、2019年度には年12回に倍増します。

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◆上川あや

続いて、男女共同参画プランについてです。

先日、第二次男女共同参画プラン(素案)が議会に報告されました。現プラン、また、三月のたたき台に比べてもかなりの前進が見られ、高く評価をしています。しかし、さらなる改善を求めたいと考えています。

第一に、女性だけがDV被害者であるかのような区の記述についてです。素案が掲げる基本目標は四つです。その三は、女性に対する暴力の根絶となっています。
DV被害者は、男性にも、また、性的マイノリティーの中にもいます。素案はそのこともきちんと述べています。ところが、区が目標に掲げる暴力の根絶対象は女性だけ、おかしいと思います。内閣府男女共同参画局が二十六年度に行ったDVに関する調査でも、配偶者からの被害経験の有無に、女性の四人に一人、男性でも六人に一人があると答えました。暴力は、相手が誰であれ根絶されるべきで、ここであえて女性にと限定的に目標を記すことが適切であるとは思えません。
性別に基づく固定観念からの解放を目指すのが同プランのあり方であるはずで、男性は加害者側、女性は常に被害者側であるかのような記述は望ましくありません。配慮ある記述変更を求めます。見解を求めます。

次に、男性相談の記述を消してしまったことについてです。
現行プランの中にも、第二次プランのたたき台にもあった男性向け相談の実施が今回の素案では消されてしまいました。素案が予定する男性向け事業は、父親向けの育児講座の開催、男の料理教室の開催、男性のためのワーク・ライフ・バランス推進講座等の開催、男性のための健康教室とさまざまありますが、男性に見事に情報を提供するのみの一方通行です。聞く姿勢は一切ありません。日本人男性の自殺率は女性の三倍高いことが知られています。家庭にも、職場にも、友人にも弱音を吐きづらい男性たちに声を聞く回路を開かない姿勢は理不尽です。
区はこれまで私の質問に、男性相談のニーズはあると答えてきました。区の実施した意識調査でも一定のニーズを感じてきたものと思います。男性相談のニーズについて改めて区の見解を伺います。

区がここ数年行った男性向けの相談は、その手法が望ましいものではなかったと考えています。年にたったの一日、日中の数時間ホットラインを開いても相談の声は届きません。区外では、男性相談を定期的に開いたり、男女共同参画の相談事業として、性別を問わず相談を受け付けるところがふえています。
区も、女性のみに幾つもの相談の窓口を開くのみでなく、男性側にも相談の窓口を常設的、定期的に開くべきと考えますがいかがでしょうか、見解を伺います。

◎田中 生活文化部長

私からは、第二次男女共同参画プラン(素案)について、三点に御答弁いたします。
初めに、女性に対する暴力の根絶という表現についてでございます。
第二次男女共同参画プランは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律に基づく市町村基本計画である世田谷区配偶者等暴力防止基本計画として位置づけている計画です。配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の前文では、「配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっている。」と記載されています。また、区で対応している事例においても被害者の大半が女性であることから、女性に対する暴力の根絶を基本目標Ⅲに掲げさせていただきました。
一方、内閣府における男女間における暴力に関する調査結果によれば、男性の六人に一人が被害経験があると答えており、性別などにかかわらず暴力は根絶されるべきだと認識しております。御指摘の点を考慮し、また、素案への区民意見やアンケート結果を踏まえ、あらゆる暴力の根絶につながるようさらに工夫してまいりたいと考えております。

次に、男性相談のニーズへの見解についてでございます。
男性相談のニーズについては、男女共同参画に関する区民意識実態調査によれば、男性の四三・七%が誰かに相談したいと思ったことがあると答えていますが、一方で、無料で利用できる相談機関があれば利用すると思いますかという問いに対して、二七・八%の人が利用しないと答えています。また、DV相談において、区では、男性からの相談事例があったことから、現在、DV相談を初め各種相談事業で男性からの相談に対応する体制をとっております。
男性相談は、ニーズは一定程度あるものの、実際の相談につながっていない可能性も考えられることから、声を上げにくい男性が一歩踏み出し、相談事業を利用していただけるよう、今後十年間を見据えて、男性のニーズの把握と効果的な情報発信に努めてまいります。

最後に、男性相談の手法についてでございます。これまでの男性相談については、年に一回予約不要の形で実施してまいりましたが、残念ながら実績はございませんでした。この結果も踏まえ、男性相談も定期的に実施することや、開催時間帯を工夫することで利用のしやすさが増すのではないかと考えております。一方で、性別にかかわらず誰もが相談できる機会をふやすことで男性も女性も相談しやすくなるのではないかとも考えられます。
第二次男女共同参画プランにおける推進体制では男女共同参画センターの相談機能の充実を図ることとしており、男女共同参画の視点から、男性も含め、誰もが利用しやすい相談事業の充実に向けて引き続き検討してまいります。
以上でございます。

◆上川あや

あと、生活文化部長から先ほど御答弁があった中で、DV相談において男性からの相談事例があったことから、現在、DV相談を初め各種相談事業で男性からの相談に対応する体制をとっていますとおっしゃってはいますが、DV相談以外全部、女性のためにと枕言葉をつけて相談の窓口を開いているんですね。配慮がやっぱりないんです。ちゃんと相談できるように、相手のマインドに合わせた御案内をこちらでもお願いして、私の質問を終わりといたします。