具体的な成果

★男性向け相談サービスが初めて行われました。

 

世田谷区立の男女共同参画センターが行う相談事業3つは全てが女性向け。しかし、都内12区は男性からの相談も受け付けています。上川の提案で、男性相談が2014年度に実施されましたが、これでは不十分。女性も男性もともに手を携える〈共同〉参画社会に向けて引き続き取り組みを続けます。

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◆上川あや

まず、単刀直入にお伺いいたします。区の男女共同参画の相談事業から男性が完全に排除されている、その理由は何でしょうか、お答えください。

◎清水 人権・男女共同参画担当課長

現在、男女共同参画の相談事業といたしましては、女性のためのと名称につけて、悩み事相談、キャリアカウンセリング相談、そして就業バックアップ相談を実施し、そのほかにドメスティック・バイオレンス関係の電話相談を実施しておりますが、女性のためのとあえてしているのは、安心して女性が相談しやすいようにとの配慮からでございます。そもそも男女共同参画推進の取り組みは、これまで男性に比して女性がさまざまな場面において活躍できる機会に恵まれてこなかったという社会的背景を受け、男女がともに社会参画できることを意図しているものです。現在、男女間のトラブルによる家庭問題などについて、DV全般相談などの電話相談では、男性からの相談があった場合でも相談内容によりその方に合った相談機関を御案内するなど対応をしております。したがいまして、男性を相談から排除するということで行っているものではございません。

◆上川あや

国の第三次男女共同参画基本計画では、初めて男性相談の確立という文言が明記されました。国はこの理念に基づいて交付金も新設しまして、男性相談を始める自治体もこのところふえています。国全体を見ますと、今なお自殺者は三万人弱で推移をしておりまして、その七割が男性となっています。そしてDV相談では、被害者相談の充実はもちろんですけれども、加害者に対するかかわりもまた不可欠であるはずです。世田谷区は県レベルの人口を持っています。男性からの相談ニーズがないわけでは決してないと考えます。さらに、女性のみを相談の主体とするという考え方も、男女共同参画の理念に照らしてバイアスを感じますし、違和感があります。以上もろもろの理由から、男性にも相談の窓口があるべきだと考えますがいかがでしょうか。区の見解を伺います。

◎清水 人権・男女共同参画担当課長

区は平成九年、男女がともに生きるせたがやプランを策定し、組織名称もそれまでの女性政策室から男女共同参画推進室へと変更いたしました。女性の社会参加の支援と並んで、男性の家庭や地域への参画を進める取り組みを積極的に行うこととしたものです。
国の第三次男女共同参画基本計画において、男性にとっての男女共同参画の具体的な施策として、精神面で孤立しやすい男性に対する相談体制を確立するとともに、自殺予防等心身の健康維持の支援を進めるなど、男性に対する相談体制の確立や心身の健康維持等を掲げております。男女共同参画社会の実現に向けて、女性の地位向上が男性に比べて進んでいる、男性の参画の機会が少ないなどの状況に応じて、男性相談の必要性はあるものと認識しております。
区では、男女にかかわらず生きづらさを感じている方に対して、高齢者、子ども、生活支援などあらゆる場面における相談事業を実施しております。こうしたさまざまな切り口からの相談事業を継続することが、男女がともに生きやすい社会を実現できると考えております。

◆上川あや

今回議会事務局を介しまして他区の状況についても確認をいたしました。
既に男性相談というものを開設している区が一区、また、女性向けの相談事業の中で男性からの相談も受け付けるとしている区が十区、合わせて十一区は男性からの相談も排除をしておりません、受け付けております。このうち六区は、女性相談の開設当初から男性からの相談を受け付け排除はしていない、また四区は途中から男性の相談も受け付けるように変えたそうです。男女別の内訳を見ますと、女性相談で男性からの相談も受け付けるとしている区のデータですと、既に二割から三割が男性からの相談で占められていたりもする。

男女共同参画をうたうのであれば、男性を相談から排除するのではなく、支援をするべきだと考えます。
たとえ男性相談を早急に立ち上げることは難しくても、既存の女性相談で男性からの相談も排除せず受け付ける。また、三郷市の十日間相談、埼玉県庁の一日相談などを参考に一定期間男性相談を開催する、もしくは保健所のこころの健康相談事業を担う保健師の方に週一回程度電話番号を割り当てて受けていただく、知恵を絞ればできることはいろいろあると思うんですね。男女共同参画の相談事業を男性にも開放するように求めます。見解を伺います。

◎清水 人権・男女共同参画担当課長

男女共同参画の視点に立って、男女が生きやすい社会の実現に向け、男女が抱えるそれぞれの観点からの悩みに対応できるよう、委員の御提案も踏まえ、今後の相談事業のあり方について検討してまいりたいと存じます。

◆上川あや

この質問は私は以前にも、多分六、七年前にしているんですね。ぜひ今回は積極的な展開になるように期待しています。