◆上川あや

区の健康保険一部負担金の減免及び徴収猶予制度の広報には非常におかしな部分があると考えています。本日はその不正確、不誠実な部分を指摘し、是正を求めたいと思います。

区のホームページには、同制度の趣旨を冒頭次のように説明しています。「世田谷区国民健康保険では、災害など特別な事情により収入が著しく減少したことで、一時的に生活が困難となり、資産等を活用しても保険医療機関等へ支払う医療費の一部負担金の支払いが困難となった場合には、申請により一定期間支払いを減額・免除または徴収猶予になる制度があります」。

ここで言う減額免除とは、義務教育就学から六十九歳までならば、かかった医療費の三割を医療機関の窓口で支払うべきところ、区の判断でその割合を減らしたり、これが減額です。また、区の十割負担としたり、これが免除に当たります。また、本人の経済状況が回復するまでの最長半年間、区が支払いを肩代わりして時間差でその支払いを求めたり、これが徴収猶予ですね。困窮する国保の加入者を支援するものです。
区のホームページは、その申請期間について、減免と徴収猶予を一緒くたに、治療を受ける前の一言で片づけていますが、不正確です。

根拠となる昭和三十四年の厚生省通知は、申請期間について次のように書いています。「一部負担金の徴収猶予又は減免の措置を受けようとする者は、あらかじめ保険者に対し、様式第一による申請書を提出しなければならないこと。ただし――ただしです――徴収猶予については、急患、その他緊急やむを得ない特別の理由がある者は、当該申請書を提出することができるに至った後、ただちにこれを提出しなければならないこと」。

つまり、急患、その他緊急やむを得ない特別の事情があった場合には、事後の提出でもよいとする例外があります。
これを書かなければ、区民が出先で倒れて救急搬送されて、あるいはにわかに具合が悪くなり、役所に立ち寄り、事前に相談、手続する余裕やいとまがないままに医療にかかられた方は、徴収猶予は事後受けられないものと誤解を招きます。
区民一般は制度の運用の大本となっている国の通知も、区の例規類もまず見ないのですから、なおのこと区民に向けての広報では正しく書くべきではないのでしょうか、いかがでしょうか。

◎箕田 国保・年金課長

徴収猶予の申請期間については、御指摘のとおり、事前申請に加え、緊急やむを得ない特別の理由がある場合は、事後の申請もできることになっております。ホームページの広報につきましては、随時適切な点検と見直しを行っていかなければならないところ、これまで不十分な点がありました。申請期間の例外事由の記載を漏らし、そのままとしておりました。大変申し訳ございません。区民の誤解を招かぬよう、ホームページの記載を速やかに修正いたします。

◆上川あや

区のホームページでは減額免除を受けられる期間を三か月以内と書いていますが、これもあくまで原則であり、絶対ではないはずです。
国が発出した一部負担金の徴収猶予及び減免に係る通知によれば、減免期間は療養に要する時間を考慮し、一か月単位の更新制で三か月までを標準とすると書くのに続けて、ただし、三か月までに期間を限定するものではないとはっきりくぎを刺しています。
また、区の処理要綱の減免について、さらに三か月以内の期間を設定して、引き続きこれを行うことができると規定をしております。なのに、なぜ三か月以内と書くのでしょうか。
ここは、少なくとも、原則三か月などと例外もあると分かる広報でなければうそになります。こうした不正確で厳しく限定的な記述が、支援打ち切りの格好の説得材料になりかねないことを危惧します。この点も正確な記述に改めるよう求めますけれども、いかがでしょうか。

◎箕田 国保・年金課長

減額免除できる期間についても御指摘のとおり、三か月とは標準の期間となっております。三か月までと期間を限定するものではございません。こちらも同様に、誤解を招かぬよう、原則として三か月のようにホームページを修正いたします。また、期間の更新につきましては、減額免除及び徴収猶予の御相談や申請をお受けする際にも、例外の取扱いを含め、丁寧な御案内に努めてまいります。

◆上川あや

区が配布する国保のしおりにも問題があると思っています。
同しおりでは、先ほど来、何度も出てきた一部負担金の徴収猶予の項目や、記述そのものが欠落しております。なぜ現に存在する救済策を書かないのかが分かりません。
聞けば、一部負担金の減免と徴収猶予とでは認定範囲にも違いがあるということです。つまり困窮の度合いや今後の経済状況回復の見通しによって支援策の一方、負担金の減免は受けられないが、他の一方、徴収の猶予なら認められるケースもあるということです。ならば、なおのこと徴収の猶予についても漏れのない広報をしなければおかしいのではないでしょうか、いかがでしょう。

◎箕田 国保・年金課長

一部負担金の減額、免除について、小冊子国保のしおりでは、対象や期間などを記載するところでございますが、委員御指摘の徴収猶予の項目につきましては、記載スペースの関係もあり記載しておりませんでした。困窮する被保険者を支援する点からも、減額、免除に加えて、徴収猶予を全世帯に案内することは重要であると認識しております。

まずは、全世帯に七月にお送りする国保だよりにおいて、一部負担金の徴収猶予について御案内いたします。また、全世帯に国保制度の御案内としてお送りしている区民向け小冊子国保のしおりについては、次の改訂時に掲載できるよう紙面の調整をいたします。

◆上川あや

最後に、区の当該ホームページの広報を充実させる一助として、ページの末尾に関連する例規や、要綱のPDFを上げる、あるいは例規集、要綱集に直接リンクを貼り、区民に制度の全体を見ていただけるようにする工夫を提案いたします。手間もコストもかからない改善策となるはずですけれども、いかがでしょう。

◎箕田 国保・年金課長

委員御提案のホームページの末尾に、関連する例規、要綱のPDFを記載する、または例規集、要綱集への直接リンクを貼るといった工夫により、ホームページという特性を生かし、区民が知りたいと思う情報が伝わるよう広報を充実させることにより、区民に制度の全体を見ていただけるようにするとともに、記載内容を見直し、本制度の相談等につなげていけるよう努めてまいります。身近な広報であるホームページの活用が図られるよう、今後とも分かりやすい広報を行う取組を進めてまいります。

◆上川あや

今回の支援策の広報なんですけれども、水際対策とも受け取られかねないようなこうした不正確な記述、けしからんと思います。
ぜひほかの所管の皆さんも、自分たちの広報について、不正確な、誤った、誤読を招くような、誤読というか書き方が間違っているんですね。こういうことがないように再度点検を求めまして、私の質疑を終わります。