◆上川あや

まず、区立学校の校則の公開について改善を求めて伺います。

この夏、文部科学省が生徒指導に関する教職員向けの手引書、生徒指導提要を十二年ぶりに改訂しています。そこでは、校則を誰でも確認できるよう学校ホームページなどで公開し、制定の背景や見直しの手続も示すことが適切だとし、児童生徒が校則の見直しに参加することの教育的意義を説いています。また、少数派の意見も尊重したルールにすることの必要性も明記するなど、画期的な内容となっています。

一方、当区では、二〇一九年六月に私の一般質問で、区立学校各校の校則を原則ホームページ等で公開するよう求めました。これに対し区教委は、校長会と連携して取り組む、なるべく急ぎ、秋頃を目途に公開させていただきたいと御答弁され、新聞やテレビ等でも好意的な報道が相次ぎました。
ところが、その後、私のもとに、実際には学校ホームページで公開していない学校が多いのではないかとの保護者の方々の声が寄せられ、私も調べましたが、サイト内検索の窓から「校則」あるいは「きまり」と入力してもヒットせず、学校の校則が確認できない学校が多い印象です。

そこでまず、確認します。区立学校の全校で校則は公開されているでしょうか、伺います。

◎井元 副参事

世田谷区立中学校では、校則について、生徒の自主性や主体性を大切にしていくことが必要であるとのことから、各学校で令和元年度より見直しを進め、ホームページに公開することとしてきました。
委員御指摘のとおり、一部公開していない学校がございましたが、そういった学校には校則公開の趣旨に基づいて既に指導しており、現在は全校が公開しております。

◆上川あや

次に、たとえ学校ホームページに校則の公開があっても、それを決してうのみにできず、非公開の裏校則が多数存在する区立学校の例を御紹介します。

ここでは学校名は伏せますが、教育指導課の方にはお見せした区立学校の配付資料の記述内容からの御紹介です。
いずれも同中学の保護者の方から提供された資料です。それらには、学校配付の入学のしおり、生活のきまり、服装規定、体育の授業等が含まれ、学校ホームページにはない禁止事項、裏校則がめじろ押しです。

例えば頭髪について、学校ホームページの校則では清潔な髪型を心がけてくださいとあるだけですが、プリントの生活のきまりでは、パーマ、染色、脱色、異型(普通ではない髪型)、整髪料は禁止、前髪は目にかからない、髪の毛が肩にかかる程度の長さになっている生徒はゴム等で束ねとあり、ゴムの色まで明記があります。また、通学かばんについても、学校ホームページでは機能的なものを用いてくださいとあるだけですが、プリントの生活のきまりでは、華美なものにはしない、紙製やビニール製のものは禁止と明記があります。
その他のプリントにも、他クラスへの出入りは禁止、移動教室以外は他の学年のフロアには行かない、一年生は基本としてA階段を使う、先生によって態度は変えない、体育の授業の終了時には、先生の解散という合図で移動など細かい謎ルールがめじろ押しです。

つまり、学校ホームページではさも自主性を重んじた校則であるかのように見せながら、実際には自主性を奪うような細かな義務づけ、権利制限が数多く生徒、保護者には明文で示されているということです。これでは学校のホームページ公開の意味などないのではないでしょうか。区教委が求める校則公開との整合性をどう図るのか、併せて見解を求めます。

◎井元 副参事

教育委員会では、各学校に対しまして、校則の男女別の規定や表記、細かな規定や表記、誤解を受ける懸念のある表記等を見直した上で、生徒手帳に記載する校則の内容をホームページへ公開するよう通知いたしました。
委員御指摘の学校はこの通知に基づいて運用しておりますが、ホームページへ公開した内容だけでなく、さらに詳細な内容が記されたプリントを配付している状況が生じております。禁止事項として明文で生徒に示されている決まりなど、実際上、校則として機能しているものについても原則公開することを検討してまいります。
教育委員会としましては、今年度、生徒指導提要が改訂される予定であることからも、今後、校則の公表の在り方について校長会と協議を進めてまいります。

◆上川あや

骨抜きが幾らでも可能なルールは変えてください。

奥沢中学のサイトを見ますと、サイト内検索から「校則」「きまり」の二つのワードで検索しても何一つヒットしません。それでいて、学校生活のきまりの掲載が校則の代わりであるようです。生徒手帳の内容を公開するよう通知したという御説明ですが、現場対応は異なっているようです。
尾山台中学もサイト内検索では何らヒットせず、生徒手帳ではなく、学校生活の手引きの公開が校則公開であるようです。
烏山中学も生徒心得の公開が校則の公開であるようです。上祖師谷中学に至っては今挙げたいずれのワードでもヒットはせず、しらみ潰しにページを開いても、とうとう校則は見つけられませんでした。各校対応がばらばらで、探したい人が探しても見つからない校則の公開では困ると考えます。区議会会議録のサイトのように、類語で検索すればすぐにヒットし、たどり着ける、あるいはすっきり校則という一つの表現で統一するなど、改善はできないのでしょうか。

◎井元 副参事

教育委員会としましては、学校等から公開される情報は誰でもアクセスしやすいものであるべきと考えております。今後、校則の公表の在り方と併せて、区議会会議録の検索方法等も参考にしながら、分かりやすい公表の方法についても校長会と協議を進めて改善してまいります。

◆上川あや

最後に、制服や標準服について、男子はこれ、女子はこれと決めつけないことも区教委の原則のはずなんですが、そこから外れた制服紹介をしている学校ホームページがありました。その資料も所管課にはお見せをしましたが、これだけ裏校則が横行する現実を見てしまいますと、区教委の出す方針など結局空手形であって、各校制服への取組でもやっていることはばらばらではないかと疑わざるを得ないのですが、いかがでしょうか。

◎井元 副参事

教育委員会としましては、学校のホームページに記載されている全ての内容を確認することができておりませんでしたが、委員からの御指摘を受けて学校のホームページを確認いたしましたところ、十分に精査されていない内容が掲載されており、改めて各学校に掲載内容を確認するよう指示いたします。
今後、人事異動により、他の地区から異動してくる教員や新しく採用される教員もいることから、年度当初の校長会や生活指導主任会などの機会を捉え、定期的に区の方針を徹底してまいります。

◆上川あや

今後は答弁の言いっ放しはやめて、しっかり点検をするように再度お願いいたしまして、私の質疑を終わります。