◆上川あや

最後に、コロナ禍の下、区立学校で行われた分散登校についてです。

分散登校で登校する児童生徒の数を半分に減らすグループ編成をするに当たり、性別で半分に絞った学校があるようだと、この夏、知人から知らされて大変驚きました。まさかと思いつつ区教委に伺いますと、担当課長も大変驚いた様子で、念のために調べてくださったんですが、残念ながら区立小中学校各一校で、そのような扱いがあったことが確認されました。これは適切な対応ではないだろうと私は考えています。

戦後、教育基本法では男女共学が公立学校の基本であるとされました。また、本区は男女平等教育を重視して、男女混合名簿を都内でもいち早く導入した先進自治体の一つです。さらに、文科省からは、性同一性障害を持つ児童生徒への配慮を求める通知も複数回、教育現場には出ています。そして、性の多様性に配慮し、差別を禁止する区独自の条例を持っており、これに加えて男女共同参画の理念に照らしてもおかしいと考えます。ところが、あっさり学校現場では、一方のみの性別で登校させてしまう判断に驚いてしまいます。
職場の三密回避に男女どちらかだけを出勤させる。あるいは、議員の男女比が仮に男女同数だったとして、男女どちらかだけを議場、委員会室に入れて会議を進めてしまう。大人の環境に当てはめれば、すぐにおかしいと気づくはずの類別が安易に教室に持ち込まれる。こうした学校現場の判断には注意喚起を改めて求めたいと考えるのですけれども、お考えを伺います。

◎池田 教育政策部長

新型コロナウイルス感染症対策のため、小中学校においては四月、五月の臨時休業、六月の分散登校期間を経て教育活動を再開いたしました。分散登校期間には、教室内の人数を半分に減らして授業を実施するため、各学校において出席番号などを基にグループ編成を行っておりましたが、小中学校それぞれ一校ずつ、男女別のグループ編成を行った学校がございました。
学校の対応は男女平等教育を行うべき教育機関として不適切であると考えております。各学校からは、今後は十分に注意するとの報告を受けておりますが、教育委員会といたしましても、校長会を通じて、改めて性の多様性に配慮した教育活動を推進するよう指導してまいります。

◆上川あや

ぜひ、多様性尊重の条例にしっかり合わせた意識の啓発、定着、お願いいたします。