◆上川あや

一般質問に続きまして、男女の事実婚に準じた同性パートナーの取扱いについて伺います。

先の一般質問では、区の職員の退職手当に関する条例に規定する配偶者には、届け出をしないが、職員の死亡当時、事実上の婚姻関係と同様の事情にあった者を含むが、ここでいう事実上婚姻関係と同様の事情に合った者には同性パートナーも含まれると見るべきではないかと問いました。これに対し、総務部長からは、世田谷区においては、同性パートナーも事実上の婚姻関係に準ずるとする社会通念が形成されているものと評価しておりますとの御答弁がありました。つまり、上位法や都条例に縛られない区条例等の範囲では、事実上婚姻関係と同様の事情にある者とする規定、つまり、事実婚を示す規定には同性パートナーも含まれる。当区においては既にそのコンセンサスもあるとの表明だと理解をしております。
この理解の上で、区の条例、規則、要綱等を見ますと、国の上位法、都条例、また、職員の勤務条件等二十三区共通基準から外れる範囲では、既に同性パートナーも読み込め、権利保障につながるものが幾つもあるはずだと考えるのですが、いかがでしょうか。

◎田中 総務部長

世田谷区におきましては、条例等において同性パートナーも事実上の婚姻関係に準ずると区が解釈し、同性パートナーの権利保障につなげられるものがございます。具体的には、総務部においては職員の旅費に関する条例や、福祉の領域においては、世田谷区感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則、また、世田谷区高齢者等紙おむつ支給等事業実施要綱などがございます。
しかしながら、例えば条例等の根拠が法にあるものや、退職手当の支給のように二十三区共通の基準があるものなど、区の解釈だけでは取り扱うことができないものもございます。
今後とも、国や他の自治体などの動向を注視し、同性パートナーの権利保障に係る情報収集に努めてまいります。

◆上川あや

同性パートナーにも適用可能な条例、規則、要綱がそれぞれあると分かりました。

しかし、一方で、それらが実際に役立つためには同性パートナーをどのように認めるのか、事務処理の規定も必要になるだろうと考えています。例えばこの春施行されました職員の休暇制度の平等では、まず、戸籍謄本から独身であることを確認し、住民票から同居の事実も確認した上で同性パートナーであることの申出を受ける書面を準備しております。類似の環境整備を他の条例等でも進める必要があるのではないでしょうか。この点は所管がまたがりますので、ぜひ副区長より御答弁いただければと思います。

◎宮崎 副区長

これまで区のほうでは、同性パートナーシップ宣誓制度の創設を初めとして、この同性パートナーに対します差別や偏見をなくすための啓発、当事者への支援に取り組んできたところでございます。
今御指摘にありましたように、まだ同性パートナーが対象となると判断された制度についても、所管からそれぞれ申請に係る確認書類などの準備を進めてまいりましたけれども、同性パートナーであることの確認方法の整理、制度の周知などには課題が残っているというふうに思っています。

今般、コロナ禍の中で、この行政手続そのものが、各自治体がこの後、取組が始まると思います。こういう中で、今般、この同性パートナーの関係につきましても、この制度のやっぱり矛盾があると思いますので、こういうところをピックアップして点検させていただいて、その制度そのものをやっぱり通して全体を改善に持っていくということが必要だと思いますし、全ての人に使いやすい制度、こういうような取組を進めたい、こういうふうに考えております。

◆上川あや

ぜひ平等な制度にしていただきたいと思います。

◆上川あや

続けて、特別区職員互助組合の事業についても同性パートナーの平等が足りません。特別区職員互助会は、特別区職員全体の各種保険や会員制施設事業などを運営していますが、同性パートナーにも利用可能なものは、入院サポート保険と傷害保険のみとなっています。
区は、同互助会にも評議員を出しておりますので、ぜひ改善に向け努力していただきたいと考えるのですが、いかがでしょうか。

◎田中 総務部長

特別区職員互助組合は、二十三区と一部事務組合の職員の福利増進を図ることを目的とした互助組合で、保険事業や会員制施設事業などを運営しております。
現在、互助組合事業における職員の同性パートナーに対する平等という点につきましては、御指摘のとおり、入院サポート保険と傷害保険のみ職員の同性パートナーの加入が可能となっております。
互助組合には、各区長等及び職員団体により推薦された五十名の評議員から構成される評議員会が議決機関として位置づけられており、本区からも二名の評議員が事業の審議に加わっております。
区といたしましては、今後、より多くの互助組合事業における職員の同性パートナーの平等の拡充を目指して、パートナーシップ宣誓制度や同性パートナーを持つ職員の休暇制度を定めている区や、今後こうした制度を定めていく区とも連携し、互助組合の評議員会等の場を活用し、働きかけてまいります。

◆上川あや

ぜひお願いいたします。