◆上川あや

続けて、同性パートナーの医療同意について伺います。

昨年の決算特別委員会で、生死にかかわる医療現場で、同性パートナーが家族として扱われないという課題を取り上げました。厚労省のガイドラインでは、患者の終末期、医療同意をとり得る家族等に同性パートナーも含まれ得る見解が示されていますが、医療の現場にこうした情報は浸透しておらず、現実には排除されるリスクが高いという調査結果を御紹介しました。その上で、区には、男女共同参画と多文化共生条例の区の責務規定に基づき、区内事業者である医療機関に理解を促すよう求め、区からはこれに応じる御答弁をいただきました。
また、あわせて、区民からすれば、区がただ要請をしたというだけでは、どの病院が実際に対応していただけるのか全くわかりませんので、御協力いただける病院の可視化もしていただきたいと申し上げましたが、この進捗状況はいかがでしょうか。

◎加賀谷 調整・指導課長

昨年十一月、世田谷区病院長会におきまして、多様性を認め合う男女共同参画・多文化共生社会の実現を目指す取り組みの一環として、条例担当所管と性的マイノリティーへの理解等の説明を行いました。
内容としましては、国の人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインの解説編に示されております、「家族等とは、今後、単身世帯が増えることも想定し、本人が信頼を寄せ、人生の最終段階の本人を支える存在であるという趣旨ですから、法的な意味での親族関係のみを意味せず、より広い範囲の人(親しい友人等)を含みます」との記載をもちまして、病状説明や面会、手術同意等において、同性カップルを法的な婚姻関係にある親族と同様に受け入れるようとの依頼をしました。あわせまして、区条例や同性パートナーシップ宣誓制度の説明も行い、宣誓書受領書をお持ちになった方を家族と同様に受け入れるよう、チラシを配付し、お願いしました。

また、この間、医療連携推進協議会にて検討しましたお薬手帳を活用した取り組みの周知チラシにて、友人(同性パートナーを含む)との説明を加えることや、今後作成を予定しています在宅医療とACPの普及についてのガイドブックの中で、同性カップルへの理解や受け入れが進むよう周知を図ってまいります。
御提案の表示につきましては、広い範囲で働きかける必要があるため、区としても統一した手法に向けまして、条例担当所管とも調整を図ってまいります。

◆上川あや

質問から一年たったわけですけれども、働きかけてくださった、ここまでは確認できましたけれども、実際使える資源、医療資源を可視化していただけなければ安心にはつながりませんので、また一年後、決特のときに伺いたいと私は考えております。しっかり結果がお聞かせいただけるように、区の御尽力に期待いたしまして、私の質疑を終わります。