◆上川あや

最後に、民族、国籍差別を公然と行う団体等への公共施設の貸出しについてです。

差別の扇動をする蓋然性が極めて高い団体にまで公共施設の利用を認めるべきかどうか、この課題がお隣川崎市でも大問題となり、川崎市では昨年全国で初めて、刑事罰を含む差別禁止条例を施行したところです。
一方、川崎市よりも早く全国で初めて民族、国籍差別を区条例で禁止した当区では、依然、公共施設の利用制限の基準にも、民族、国籍差別を制約する規定等はないままで野放しです。
ヘイトスピーチ同様、その有害性について、既に法的基盤のあるオウムや暴力団に対しては、区立施設の利用制限に言及がありますのに、民族、国籍差別に無策な状況は変えるべきとの趣旨で質問したところ、区からはヘイトスピーチ対策法並びに区条例の趣旨を踏まえつつ、他自治体の先行事例を参考にしながら、公の施設の使用の在り方の検討に取り組んでまいりますと踏み込んだ御答弁がありました。しかし、この問題でも改善が見えません。
公共施設の利用制限に慎重を期す姿勢については理解ができますが、着実に前進をしていただかなければなりません。現在の検討状況と併せて、改めて同取組への決意を伺います。

◎舟波 地域行政課長

地方自治法第二百四十四条第二項では、「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。」とされており、ヘイトスピーチによる施設の利用を制限するに当たっては、不当な差別的言動の行われるおそれや、他の利用者に著しく迷惑を及ぼす危険が客観的な事実に照らして認められる場合といった条件が必要になります。そのような判断を施設管理所管がするに当たっては、第三者機関等から意見聴取する必要性についても、他自治体の事例を研究する中で浮き彫りになりまして、様々な課題を慎重に検討し、各施設の設置条例との整合を図ることも考えてございます。
いわゆるヘイトスピーチ対策法や、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の趣旨を踏まえ、差別的な言動は許さないという姿勢を堅持し、生活文化政策部や施設管理所管と連携し、しっかりと検討を進めてまいります。

◆上川あや

しっかりと条例に従って公共施設の適正管理、よろしくお願いいたします。