◆上川あや

初めに、新型コロナウイルス対策の特例として、本区の国保条例に導入された傷病手当金の支給に関して伺います。

同手当金は、従来、会社員等の加入する健康保険にはあっても国保にはなかった制度です。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止の見地から、国保加入の感染者にも休みやすい環境を整備するため、国が導入を促し、本区でも一月一日に遡り導入されました。その原資は、全額が国庫負担。同ウイルスに感染または感染したおそれのある方が三日連続休んだ後の休業日について、最長一年六か月、平均日給の三分の二を支払います。通常は世帯主の請求をもって支払われますが、世帯主である本人が死亡した場合の請求権者については法に規定がないままで、従来、会社員等の健康保険では民法の法定相続人の考えが準用されてきました。

しかし、本区は、性的指向による差別を禁じる条例を持つ区です。同条例に基づき、本区は今春、同性をパートナーとする区職員の休暇制度を異性の配偶者と平等としましたし、昨年、私が質疑をした災害弔慰金の支給、災害義援金の給付に対しても、区は遺された同性パートナーを配偶者に準じて扱う方針を示しています。ならば、今回の傷病手当金についても、同性パートナーを遺族として配偶者に準じ、平等に扱うべきであり、その請求権を認めることがフェアな対応だと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を問います。

◎澁田 保健福祉政策部長

私からは、傷病手当金の同性パートナーによる遺族請求についてお答えいたします。

先般、専決処分により条例改正し、運用を開始している傷病手当金は、世帯主以外の被保険者が新型コロナウイルスに感染するなどした場合であっても、世帯主が申請者となります。世帯主が死亡した場合、亡くなられた方の相続人が申請することができます。相続人が申請する際には、世田谷区国民健康保険傷病手当金実施要綱に定める代理人届を世帯主との関係性で証明できる戸籍謄本等を添付の上、提出していただきます。同性パートナーにつきましては、例えば同居しているが、お互い別世帯の場合でありましても、世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱に定めるパートナーシップ宣誓書受領証などを添付の上、代理人届を提出していただければ配偶者に準じて扱うこととし、申請を受理いたします。
今後も新型コロナウイルス感染拡大防止に努めるとともに、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の趣旨を踏まえ、傷病手当金制度を適切に運用してまいります。
以上でございます。