◆上川あや

平成二十九年度世田谷区各会計予算全てに賛成する立場から三点の要望を申し上げます。

第一の要望は、災害対策の穴を埋めていただきたいということです。
私の提案を受けて、区は、昨年春までに改築予定校を除く全区立小中学校八十九校の受水槽に応急給水栓を整備してくださいました。しかし、発災時、受水槽の下流側配管に損傷等が生じれば、内部の水はあっさりと抜け出てしまいます。これを防ぐには緊急遮断弁の併設が必須です。その整備を急ぐよう求めます。
また、区が来年度、設置助成を本格化する感震ブレーカーについても同様です。感震ブレーカーの整備により、夜間の地震で強制停電が生じれば、闇夜が生まれ、安全な避難さえも難しくなります。自動点灯できる保安灯の併設を助成の前提条件とするべきです。改善を求めます。
井戸水浄水プラントの発災時の水質点検、施設点検の体制を区みずからが整える必要も待ったなしの課題です。早急な整備を求めます。

二点目の要望は、世田谷らしさの保持についてです。
世田谷の風土で培われてきた伝統野菜、地域野菜の多くが今存亡の危機にあります。速やかに区内農家、東京都、JA等と課題を共有し、その保護と活用に取り組むよう求めます。
区教委が示す文化財の保存活用方針の具現化には、人的体制の拡充が欠かせません。現状の学芸員は質疑をしたとおり、退職後の再任用と非常勤ばかり、正規学芸員の拡充こそが必要です。改善を求めます。

最後に、従来の発想にとらわれない柔軟な施策の展開についてです。
福祉保健領域の質疑で、保育園用地確保の新たな方策として、立体都市公園制度に着目し、公園面積を減らさずに、保育園と公園の二階建てとできる可能性について問いました。従来の区の候補地の洗い出しからはこぼれ落ちてきた手法でありますが、改めての点検を求めます。
また、三軒茶屋の新たな公共施設整備において、区は民有地の借用ばかりを論じておりますが、区は既にこれ以上ない交通至便な地に区有地を持っております。キャロットタワーから田園都市線に伸びる地下広場、三茶パティオは、区有地であり、その上空の容積率は六〇〇%だそうです。この場所を安易に潰せとは申しませんが、地下通路の保持とビル開発の両立は理論的には可能です。当初からの課題の一つ、太子堂出張所の狭隘化解消等には役立つ可能性を秘めておりますが、全く検討した形跡がないことが不思議であります。困難な課題であればこそ、より柔軟な発想で事務の改善に当たるよう求めまして、私の意見といたします。