具体的な成果

★区はユニバーサルデザイン推進の為、障害者団体を含めた検討体制を構築しました。

 

この議会質問をきっかけに、区は障害者団体を含めた検討体制を構築。検討会を計7回、光警報装置の体験会を1回開催し改善案をまとめました。この成果は2019年1月のユニバーサルデザイン推進条例の規則改正、4月の施設整備マニュアル改訂版へと活かされる方針です。

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◆上川あや

NHKによる調査で、東日本大震災での聴覚障害者の方々の死亡割合は、全住民の約二倍に達したそうです。
本日の私のテーマは、区民の命を守るための避難誘導設備のバリアフリー、ユニバーサルデザインです。

私がこの問題を取り上げてから、ことしで八年目になります。
従来の避難誘導方法は、日本語での音声誘導に偏り過ぎてきた。そうした反省から、耳の不自由な方々にも危険や異変を知らせることができる光や文字の活用、あるいは外国籍の方にも理解ができるピクトグラム、図案等の活用を区の施設設計に求めてまいりました。
その結果、質問の翌年、二〇一〇年から、この本庁舎に光と文字を駆使した避難誘導設備の導入がスタートし、その後ほかの総合支所にも広げていただくように求めまして、順次その整備が進んできたと理解をしております。
そこでまず、五つの支所それぞれのこれまでの整備状況とその時期、また今後の見通し等についてお聞かせください。

◎荒 災害対策課長 

お話しの避難誘導設備につきましては、平成二十二年度に第三庁舎の一、二階に、緊急地震速報と連動させた赤色回転灯とフラッシュライトつきの電光掲示板を組み合わせた避難誘導装置を試験的に導入し、平成二十五年に第一・第二庁舎の一・二階に、緊急地震速報と連動させた赤色回転灯を設置しております。
その後、設置状況等を勘案し、第一・第二庁舎で設置した緊急地震速報と連動させた赤色回転灯を基本として、平成二十六年度に北沢総合支所と砧総合支所に
設置しております。未設置の総合支所につきましては、烏山総合支所には来年度に、玉川総合支所につきましては新庁舎に設置を予定しております。

◆上川あや

いずれの整備も緊急地震速報に連動するだけで、火災発生時の避難誘導には役立たない設備だというふうに理解をしております。しかし、せっかくの設備投資ですので、火災時も含めて避難誘導全般に役立つ設備とするように運用を変えることはできないでしょうか。お聞かせください。

◎安間 施設営繕第一課長 

現在、設置している避難誘導設備は、お話しのとおり火災報知器との連動はしておりません。火災発生時の避難については、施設職員による誘導を前提に各施設において避難誘導訓練も行っているところです。
避難誘導設備は、災害の種類や障害の種類、程度によって万能ではないのが現状です。しかし、いつ起こるとも限らない災害への対応としては、機器開発の動向に注視していきつつ、施設所管、災害対策所管、ユニバーサルデザイン担当と連携し、現時点で可能な施設改善の方途を研究していくことが必要と考えております。

◆上川あや

ぜひリップサービスにとどめずに、しっかりと改善に努めていただきたいと思います。

◆上川あや

続いて、五つの総合支所以外の整備についてです。

今回、区議会事務局を通しまして営繕担当部にも御協力をいただき、近年改築、大規模改修が進められてきた区民向けの施設について、耳の不自由な方に配慮した避難誘導設備の整備があるのかどうか、実績を調べてみました。
その結果、二〇一二年以降に竣工した、あるいは竣工を予定している比較的規模の大きい二十七施設のうち、一定の配慮が確認されたのはたった二施設なんです。一つは、二十五年三月に竣工した二子玉川公園内の休憩施設、もう一つは、その翌年竣工した代田区民センターです。
区内の障害者団体の方より伺っているところでは、代田区民センターの設備の導入は二〇一二年に区で実施した障害当事者を交えたUDワークショップで取りまとめられた公共施設整備の今後の望ましいあり方の指針をチェックシートにした、それを生かした成果ということなんですが、これら二施設でのみ配慮された理由というのは何なんでしょうか。また、光点灯設備以外で特段配慮された工夫等がありましたら、お聞かせいただければと思います。

◎青木 施設営繕第二課長 

区では誰もが利用しやすい公共施設整備を進めるため、区で策定しているユニバーサルデザイン推進の施設整備マニュアルに基づいて施設の設計施工を行っております。
こうした中、都市デザイン課と連携してさらに利用しやすい施設にするために、毎年度設計施工を行っている施設から対象施設を抽出し、ユニバーサルデザイン検討会やワークショップを開催し、ユニバーサルデザインアドバイザーの助言や利用者、当事者等の意見を得て、設計施工に反映しております。チェックシートにつきましては都市デザイン課において作成し、検討会やワークショップを円滑に進めるに当たってのツールとして、代田区民センターの整備においても活用しております。
点滅誘導灯等の整備は、施設整備マニュアルの緊急時の設備として望ましい整備に記載されておりますが、二子玉川公園休憩施設につきましては、当時の施設所管課との設計検討において設置を決め、代田区民センターにつきましては、検討会などでいただいた点滅誘導灯の設置に向けての御意見を踏まえて設置したところでございます。
代田区民センターにおいて、その他の工夫、配慮した項目につきましては、黒盤面に白文字とした弱視者にも見やすい施設案内サイン計画、内部の壁、床、扉の色のコントラストをつけた見分けやすい色彩計画などがございます。

◆上川あや

チェックシートをつくった当初は、このシートをその後の公共施設整備にも生かしていくというふうにお話をされていたそうですが、その後全く生かされていないんです。何でこんなに場当たり的に整備をしないのか、私には理解できません。
最初の議会での提案から八年がたちます。経験値も当然上がっていることと思います。そろそろ命を守る設備についても、そのUD化は当然のことだと思います。
私たちも七十歳以降、半数の割合で補聴器が必要な難聴者になります。補聴器は、五メートル離れると正確にその音を拾えません。音声だけじゃだめだということははっきりしているんです。ですので、ぜひ施設整備マニュアルにも載せるだけではなくて、公共施設の標準設計指針に盛り込むくらいの姿勢で、ぜひこれを取りまとめて臨んでいただきたいと考えるんですけれども、いかがでしょうか。

◎安間 施設営繕第一課長

これまで答弁しましたとおり、当事者やユニバーサルデザインアドバイザーの意見をお聞きしながら、それぞれの施設に応じた望ましい避難誘導設備の整備を進めてきたところです。また、竣工後の意見もお聞きして検証していくことも必要と考えております。
今後も、障害者等の避難誘導方策の検討の必要性を基本認識としながら、ユニバーサルデザインのスパイラルアップの理念に基づき、先ほど答弁しました避難誘導設備の開発動向も注視し、その施設に応じた望ましい避難誘導方策の改善を進めていかなければならないと考えております。
災害対策やユニバーサルデザイン担当所管とこれまでの取り組みを情報共有、検証し、公共施設における障害者等の避難誘導のあり方を検討していく場を設けてまいります。

◆上川あや

場を設けるということですので、できれば期限を区切ってしっかり結論を出して、先駆的に取り組んでいただきたいと思います。少数派の痛みに対して配慮がなさ過ぎると、私は思います。ぜひよろしくお願いいたします。