◆上川あや

テンポよくまいります。
拠点整備部が二十七年度に予算化したイッツコムスタジオ・アンド・ホールの借り上げ経費について伺います。
まず、二十七年度予算での費目、予算額、その積算方法、また目的、さらに決算額は幾らかお答えください。

◎渡辺 都市整備政策部長

お尋ねの平成二十七年度の借り上げの予算につきましては、二子玉川東地区再開発事業の建築工事の竣工に伴いまして、地区内に新設しましたイッツコムスタジオ・アンド・ホールにおいて、広域生活・文化拠点としての魅力の創出拡大と、各事業の情報発信力、普及・啓発効果を期待しまして、文化発信事業に取り組むこととしたものです。
借り上げに係る予算につきましては、款項目の順に土木費、都市計画費、都市計画総務費でございまして、予算事業名は拠点まちづくりの促進で、予算額千七十八万九千円、決算額は千十一万九千円となります。また、その予算額の積算につきましては見積もりを徴収して決定しておるものでございます。

◆上川あや

今回の予算計上では、まず同ホールを使うことありきで庁内に募集をかけたと聞いています。
拠点整備部で会場費はうちが持つから使わないかと庁内で募集をし、五つの部が手を挙げました。結果、区は七つのイベントに千十二万円の会場費を費やした。ところが、その七つのイベントの前年度の会場費はいずれも無償で使える区の施設を利用しているためゼロ円でした。今年度も、エネフェスを除けばやはりゼロ円です。つまり、例年会場費ゼロ円で開いてきたイベントばかりを、区は区内で最も高額なホールを使って開いたということです。このような御祝儀相場的な税の投入が許されるのか大変疑問です。

昨年六月十八日の文教委員会に、このホールを利用して、小学生の保護者のための都立高校フォーラムを開催するという報告がありました。その際、借り上げ費用がかかるのか、かかるなら幾らかかるのか私から問いました。副参事は当初、拠点まちづくり担当部というところが取りまとめをしている。今回、新しい施設ということで、この施設を使ってみるイベントということで全庁的に調査があったときにお手挙げをしたところ、教育委員会としての費用はかかっていないんですが、担当部のほうで費用はかかっているというふうに聞いていると言葉を濁しました。さらに、続けて金額を問いますと、一事業当たり百万円前後の金額がかかるというふうに聞いていると、なお曖昧な答弁です。
その後、他会派からも質疑が出て教育長が御答弁になります。庁内でどういうことができますかという募集がありました。教育委員会としては、一、二件挙げた。料金が発生するのかどうかわかりませんと、ここでもコスト認識が余りにも薄く、ずさんな会場設定に驚きました。

開催結果にも大変問題がありました。昨年、同フォーラムには六百八十六名の応募がありました。ところが会場のキャパシティは三百四十名しかありません。つまり、区教委は、何と来場希望者の半分以上を断わったんです。結局、区教委は、二度、同ホールを使いました。今挙げた都立高校フォーラムと、例年の参加者から見てホールの半分も満たせないイベント、世田谷ガリレオコンテストです。これで借り上げ費用は合わせて二百四十九万三千百八十円、間違いないでしょうか。

◎工藤 教育政策部長

平成二十七年の九月五日に開催した都立高校フォーラムでは、百十三万二千九百二十円でございます。また、平成二十八年一月三十日開催の世田谷ガリレオコンテストでは、百三十六万二百六十円でございます。合計で二百四十九万三千百八十円となってございます。

◆上川あや

その前年度、今挙げた二つのイベントは、それぞれ京西小学校、玉川区民会館で開催されたので会場費はともにゼロ円だった。間違いないでしょうか。

◎工藤 教育政策部長

そのとおりでございます。

◆上川あや

今年度もそれぞれ世田谷区民会館、成城ホールなので、やはり会場費はゼロ円となる。間違いないでしょうか。

◎工藤 教育政策部長

そのとおりでございます。

◆上川あや

生活文化部も、拠点整備部の誘いに乗りまして、同ホールで三連続のイベントを開きました。その前年度、区立成城ホールを使い会場費ゼロ円で開催できたせたがや歌の広場を、自分の部で会場費を使うわけじゃないからと急拡大させまして、ミュージック3days in 二子玉川と銘打って、三日連続で開きました。合計税込み五百万円弱の会場費支払いを予定したけれども、その後、東急電鉄から協賛金が出ることになり、大幅減額とはいっても高い二百九十万円を支払った。間違いないでしょうか。

◎田中 生活文化部長

区では、毎年「世田谷芸術百華」として、多彩な文化・芸術の取り組みを区内関係団体などと連携し実施しております。その一環として、昨年はせたがや歌の広場コンサートが二十五周年を迎えたこともあり、二子玉川にて音楽文化の振興と区民の音楽活動の促進を図ることを目的とし、ミュージック3days in 二子玉川を開催いたしました。金額については御指摘のとおりでございます。

◆上川あや

大変放蕩なんですね。なぜ同ホールを使う必要があったのか生活文化部に尋ねました。
例年、同イベントが開かれていたのは成城ホールで、会場を固定化させたくなかった。他の広域生活・文化拠点にも広げたかったという言いわけを聞きました。しかし、下北沢も三軒茶屋も御存じのとおり広域生活・文化拠点です。タウンホールやパブリックシアターなら無償で開催できたはずのイベントを、区内一高いホールで三日連続開いたというところに、自分の部が金を出すわけじゃないからというコスト認識の甘さを感じざるを得ません。結局、二十七年度、区はイッツコムホールの借り上げを七回行って、計千十二万円の会場費を費やしました。それが、ことしは使用回数ゼロ回、借り上げ費用もゼロ円となっているということで間違いないでしょうか。

◎板谷 政策経営部長

二十八年度予算では、イッツコムホールの賃借料としまして、十一月に行われますエネフェス事業分の三百五万円のみ計上しておりますが、昨年度の運営状況等を踏まえ、今年度のエネフェス事業はホールを使用せず、ガリレアのみを借用して実施する予定ですので、今年度イッツコムホールの使用予定はございません。

◆上川あや

会場の見直しは賢明な御判断だと思います。
区が各種イベントを開くことを私は否定いたしません。しかし、できるだけ低廉なコストで最大の効果を引き出そうと努めることが各所管部の努めではないんでしょうか。一連の予算消化は、無駄もまた弊害も大変大きかったと思います。区はこれをどのように総括されるのか、そこに反省が含まれるのかどうか伺います。

◎板垣 副区長

二十七年度に関しましては、二子玉川の再開発事業が完了し、種々の施設がオープンし、またその集客効果を見込みまして、広域生活・文化拠点の活性化として、まち開き元年であることから二子玉川での開催としたところでございます。
こうした取り組みが今年度のエリアマネジメントの強化、また地元企業等の実行委員会形式で行ったTOKYO ART FLOW 00などにつながりまして、新たな事業展開の種となったものと認識しております。イベント事業を初めといたしました各種事業費の予算計上に当たりましては、事業実績、実現性、実効性などを総合的に判断する必要がございます。委員御指摘の点も十分に踏まえ、よりよい事業の執行に努めてまいります。

◆上川あや

反省があるのかどうかよくわからない答弁だったんですけれども、取材の段階では謝罪の言葉もいただきましたので、反省していることを期待いたします。今後こういう放蕩三昧がないようにぜひお願いいたします。
終わります。