◆上川あや

続きまして、児童生徒の保護者が同性パートナーである場合、現実にあるんですが、この配慮についてです。

本年3月の予算審議で、区の保健・医療サービスの御案内にある家族の定義に同性のパートナーが含まれるかどうかということを伺いました。区からは、職員も同性パートナーは家族と同様であるという認識を持っているという認識が示され、同性パートナーの方も家族同様、区の窓口で相談ができることを広報やホームページの記載を工夫してお伝えしてまいりますとの御答弁をいただいたのですが、区教委の見解はいかがなのでしょうか。

日本では、同性カップルの子育てと聞いてもぴんとくる方は少ないかもしれません。しかし、欧米では、同性カップルによる子育ては珍しくありません。アメリカ連邦の国勢調査局が二〇一一年に公表したデータでも、五十九万三千組の同性カップルの世帯が確認をされました。うち十一万五千組が子育て中というデータでした。
今回、区立学校にお子さんを通わせている女性同士のカップルにお話を伺ったのですが、お子さんがいじめに遭わないよう、また、教職員にどれだけ理解があるのかわからない懸念から、本当の家族の状況は、学校の先生にも、またスクールカウンセラーの方にも口にできず、肝心なお子さん関連の御相談にも差し支えが出ているというお話を伺いました。一方で、学校やBOPからは毎年、家庭環境の調査票や災害時の子どもの引き取り者の登録、また運動会などで入校する際の続き柄の提出が求められるそうで、その都度、心にもないうそを書かざるを得ず、心を痛めているというお話でした。
区教委にはこの十年来、性的マイノリティーを含めた人権研修を教職員に繰り返していただいております。御相談に応じられる体制があるのであれば、ぜひ安心の材料として可視化をしていただきたいということを考えております。区教委の見解はいかがでしょうか。

◎齋藤 教育指導課長

子どもたちの家庭には、ひとり親家庭や外国籍の方、同性パートナーの方など多様な家族の形がありますので、学校においては十分に配慮する必要がございます。
委員御指摘のとおり、学校やBOP等から提出を求める書類にはさまざまなものがあり、それらに対しても人権への配慮は欠かせないものでございます。
例えば、児童理解のための資料には、かつては続き柄の欄としてあらかじめ父、母が印刷されておりましたが、現在はその欄を空欄として、家庭の状況に応じて本人が記入できるようにしております。また、緊急時の引き取りに必要な連絡先につきましては、保護者のみならず、親戚、知人、友人などを指定している方もたくさんおりますので、同性パートナーの方も同様に指定していただくことについては問題ありません。法的な問題による制約があるケースもあるとは思いますが、同性パートナーの方の家族の扱いについては区と同様なものと考え、学校判断で決められるものについては、人権への配慮を優先してまいります。

教育委員会ではこの間、校長会や人権担当者、スクールカウンセラー等の各研修において、多様な性の理解を含め、人権意識を高める研修等を実施してまいりました。こうした取り組みは今後とも継続していくことが重要であると考えております。また、相談体制の充実といたしましては、同性パートナーの方や外国籍の方など、多様な家族の方からの相談にも応じられることなどについて、各校で配布する教育相談関係のお便りでお知らせするなど、躊躇なく御相談いただける情報提供の工夫をスクールカウンセラーの連絡会等において周知してまいります。今後とも、さまざまな機会を通して多様性を尊重し、人権に対する意識が向上するよう努めてまいります。

◆上川あや

よろしくお願いいたします。