◆上川あや

各会計決算認定に賛成の立場から、3点、要望いたします。

一つ目に高齢化への的確な対処です。

都市整備領域の質疑で、長く歩き続けることの難しい高齢者に合わせた座れる街づくりを求めました。区はUDの推進計画でもベンチの整備に目標設定がなく、区が昨年度、実績として報告したのも、公園ベンチの一部整備だけ。これではいつまでたっても高齢者が、能力に応じ、歩ける街とはなりません。所管横断的な取り組みを改めて求めます。

福祉保健領域の質疑では区の「ひとり暮らし高齢者」の認定審査がいかにいい加減であるかについて問いました。区が、より手厚い支援が必要と認める「一人暮らし高齢者」であるのに、その審査は穴だらけ。本人やあんすこ職員からの問い合わせにも区はミスを改めず、私から問い合わせにようやくミスを認めましたが、ご迷惑を掛けた区民にお詫びの一言すらない現状。大変残念です。事務の総点検を改めて求めます。

続いて、災害対策です。
先月9日の台風では区内でも多摩川が夕刻、氾濫寸前と報じられるほどに増水しましたが、7年前のホームレス放置の教訓は生かされませんでした。砧支所で河川敷のホームレスに避難が呼びかけられたのは午後5時すぎ、危険を察知した住民の手によってでした。玉川支所の誘導も午後4時頃と遅く、避難所開設もなく、ただ路頭に迷わせるだけでした。

土砂災害対策にも問題があります。世田谷区では気象庁から土砂災害警戒情報が出されても、避難勧告はおろか避難準備情報さえ出したことがありません。対応の遅れは明らかです。避難誘導の見直しを改めて求めます。

最後に、区長、関係所管、議員の皆さんのご理解とご協力で来月5日より同性カップルの宣誓を認める事務が始まることとなりました。
ここに改めて感謝を申しあげます。しかしこの事務は、尊厳と権利回復の第1歩。本当に一歩目です。
異性を愛することが、選んだ結果でも、努力で変えられるものでもないように、同性愛であることも選べず、恣意的に変えることもできません。そもそも現代医学は同性愛を異常としておらず、彼らも、同等な市民であるはずですが、現実には尊厳が損なわれ行使できる権利も異なります。その尊厳と権利の回復になすべきことは山積。皆さんの引き続きのご理解、ご協力が欠かせません。ここに改めて皆さんのご理解をお願い申し上げ、私の意見といたします。