◆上川あや

続きまして、話は変わりますが、区が所有する映像資料の保管について伺います。

かつて映像資料の中心を担ってきたのはフィルム類だと思うんですが、これが昨今、ビネガーシンドロームといいまして、加水分解という過程で経年劣化するということが知られるようになってきました。一部の自治体ではこの記録保存をすごく急いでいるんですね。
区と区教委に確認しましたところ、区がかつて作成し、テレビ放映した「風は世田谷」、こちらのシリーズ、また、区教委で作成した教育用映画の大部分については、確かにこの間の緊急雇用対策事業を使ってデジタル化が進捗したということで、これ以上の画像の劣化や滅失は防げたのかなと思いました。ただ、そのほかの映像記録、また各部各課が記録保存したようなもの、こういった映像については、どこの部にどれだけ資料があるのか、また、その管理はどうあるべきかといった共通化は全くないんだそうです。
区民共有の財産として映像を管理していく観点からは、現状の野放しということは改めていただきたいと私は考えています。
この観点についてどうお考えになるでしょう。

◎平澤 広報広聴課長

委員ご指摘のとおり、広く使われてきたフィルム、またビデオテープにありましても劣化してしまうということは十分知られていることでございます。これらの映像を後年に伝えていくために、デジタル化するなど保管に努めることが大変重要であると当然認識しております。
区ではこれまで、お話にございましたとおり、広報広聴課にて制作いたしましたテレビ番組「風は世田谷」、教育委員会におけます文化財記録映画のデジタル化を行うなど、主要な資料の保存については取り組んでまいったところでございます。今後もこれらの作業を地道に継続する必要があると考えておりまして、既にデジタル化したもの以外にも貴重でデジタル化する必要がある映像資料はないかなど、改めて確認するなどし、保存に努めてまいりたいというふうに考えております。

◆上川あや

「風は世田谷」のデジタル化については、所管の課長からも確かに伺ったんですが、DVD化は各一枚つくっただけということで、これもちょっと私はどうなのかなと思ったんです。つまり、今、区政情報センターで貸し出しをしていますけれども、今どきビデオプレーヤーなんて持っている方はいなくて、DVDを保存用に焼いたということでは貸し出しなんか全くできないんです。あるだけではやっぱり意味がなくて、活用していく方策もしっかり考えるということを忘れないでいただきたいと思います。
若干時間がありますので、一言いただけますか。

◎平澤 広報広聴課長

貴重な映像は区民の共有の財産として考えておりますので、順次、できるところからやっていきたいと思います。

◆上川あや

今、コンパクトディスクも百円ショップで安く売られていますし、著作権があるような区の作品であれば、それほどお金はかからないことですので、こういった区民にどう提供していくのかを必ず忘れずに、実践に生かしていただきたいと思います。