具体的な成果

★組織ぐるみの不正隠ぺいを許さない!

 

区の「公益通報制度」は、職員が区の組織的な不正を通報した場合、区が自分で調査を行うというもので、国のガイドラインが求める第三者窓口を置いていませんでした。通報内容の公表義務もなく、さらに通報窓口は出入りの業者には秘密。上川が議会でこの点を粘り強く追及した結果、弁護士による第三者窓口が設置され、業者にも通報窓口が公開されました。当初、第三者窓口には調査権限がありませんでしたが、2014年の要綱改正で外部弁護士に調査権限が付与され、通報概要の公表も義務化されました。

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◆上川あや

区の公益通報制度の茶番のからくりについて取り上げます。
本日は、区長にまともな判断能力があるのかを問いたいと思います。

区の不正の告発を組織のお手盛りで握り潰すことが可能な現公益通報制度の改善を求めます。
消費者庁の調査によりますと、現在、都内十四の区が、職員からの公益通報に対し、弁護士等を置いた第三者の通報窓口を設けています。うち八区は、その第三者窓口が調査を行うとしています。また、このうち六区は、そもそも区の組織内部に通報窓口を持ちません。通報は全て第三者窓口が引き受け、調査をするのです。区の職員が組織の不正を訴え出たところで、区が調査をするのでは客観性が保てない、そのような制度をそもそも職員は信用しないというのが最大の理由です。
一方、当区も私のたび重なる要求を入れて、一昨年秋、第三者窓口をつくりましたが、これは単なるお飾りだと私は見ています。
ここでの弁護士の役割は単なる伝達者、メッセンジャーです。区の不正の告発を職員から受けたら、個人が特定される情報のみ伏せ、区の総務部に伝えたらお役は御免です。その後は、区の規定に基づき、主任監察員、副監察員、監察員が調査をする。こう聞けば厳正な対処にも聞こえますが、何のことはない。主任監察員とは総務部長とのこと、副監察員は総務課長、監察員は総務部の職員です。
従来の組織から切り離されるわけでもなく、従来の総務部の仕事を粛々とこなしながら、並行して調査を行うということで、総務部長にも確認をいたしました。区の職員そのものではないですか。この制度のどこに客観性などあるのでしょうか。組織の不正の告発を区の組織で調査し、区の組織で結論を出し、外部の弁護士には異常なしと伝えれば完結できる、まことにお手盛りな制度です。

ちなみに、総務部は私に、第三者通報窓口が調査まで担うのは都内の五区だと示しました。
しかし、ここにもまたうそがありました。私が条例や要綱等を細かにチェックした結果、少なくとも八区は第三者通報窓口が調査を担います。この程度の調査能力しかない、あるいは事実を都合よくねじ曲げ、議会対策を行う総務部が調査を行うというのですから、噴飯物もいいところです。
さらに他区の例ですが、第三者の弁護士からの調査報告を受けた区長が適切な是正措置をとらない場合、弁護士が事案を公表できるとしている区は複数ありました。さらに、千代田区の第三者弁護士も、区長が是正措置をとらなければ、公表、告発、監督官庁への通報を行うと明文化しています。区長を含めて行政が組織ぐるみの不正、隠蔽を行わないように、許さないように制度構築がされているんです。
区長、いかがですか。現行制度は私は茶番だと思っていますが、区長、あなたはこの茶番に加わる御予定なんでしょうか、お答えください。

◎保坂 区長

今御指摘いただいた公益通報の第三者窓口について設置をしているが、その後の手続について、八区が弁護士で調査、あるいは六区が窓口を外部に置いているというようなことについて、区としてそういった制度をつくっておりますが、国が示しているガイドライン、あるいは先ほどありましたけれども、通報者を保護していく制度として潤滑に動いていけるような仕組みづくりをやはり構築していかなければいけない、課題を多く抱えていると考えております。

◆上川あや

第三者の調査をするかどうか聞いているんです。答えてください。

◎保坂 区長

それも含めて検討したいと思います。

◆上川あや

問題はこれだけではありません。まだ大問題があります。
公益通報があった事実を闇から闇に葬ることのできる制度も変えていくべきです。
大田区や墨田区、足立区の公益通報の要綱は、区長は公益通報の件数、主な内容について毎年公表することとする、あるいはしなければならないと定めています。中野区の職員倫理条例施行規則も、公益通報の件数及び事実の概要を年度ごとに取りまとめ、六月の定例会に報告するとともに、区報、またインターネットのサイトで公開するとしています。港区の要綱は「区長は、毎年、内部公益通報の処理状況を区が発行する広報紙等により公表するものとする」と定めています。
一方、当区の要綱に情報公開に関する記述は一切ありません。情報公開の徹底をうたう区長は、これをどう考えているんでしょうか。闇から闇へ葬り去ることが可能な現行制度についても公表を軸とするべきではないんですか、お答えいただきたいと思います。

◎萩原 総務部長

公益通報の制度の調査等の結果の公表につきましては、国のガイドライン等も十分精査いたしまして、今お話にあったような他区の事例も情報収集して、この制度の充実にとって何が一番必要なのかを十分検討してまいりたいと思います。

◆上川あや

お答えになっていないですね。公表することをルール化するべきだと申し上げているんです。
区長はどう考えているんですか。

◎保坂 区長

基本的に公表する方向で考えます。

◆上川あや

当然のことだろうと思います。しっかりお願いいたします。もう五回目の質疑なんですから、しっかりやってください。

公益通報のことをるる取り上げましたけれども、まず弁護士の選任そのものも、他区では、議会の議決に付して客観的な人選を行う、あるいは三年連続してそれ以上にそのまま委嘱を続けることはできないといった規定も設けて、弁護士そのものにも客観性を持たせているんです。いかに世田谷区の制度が、これまで何度も何度も申し上げてもひどかったのかということを肝に銘じて、しっかりと取り組んでいただけるように求めて、私の質問を終わります。