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2005年議会活動報告
世田谷区議会
上川あやの世田谷区議会における活動をご報告いたします。
掲載情報一覧

11月30日 第三回定例会 上川あやの一般質問(全文)

1.シーティング(座位保持)について
2.総合福祉センターの今後について


6月9日 第二回定例会 上川あやの一般質問(全文)

1. 失語症への支援について

2. 災害時のコミュニケーション支援について



活動報告

世田谷区議会・平成17年第四回定例会において一般質問を行いました。

質問内容は以下の二点です。(議事録より)

1.シーティング(座位保持)について
2.総合福祉センターの今後について

区議会録画中継により一連の質疑をご覧いただくことができます。

(一般質問) 

http://www.city.setagaya.tokyo.jp/

 

◆三十七番(上川あや 議員)

初めに、歩行の困難な障害者、高齢者に適切な座り方を提供する座位保持の技術、シーティングに関連して何点か質問いたします。

寝たきりは寝かせきりから始まると言われます。

欧米のリハビリテーションが導入された八〇年代以降、介護の現場では寝たきりの人を起こすことに多大な努力が払われるようになりました。

座ることはさまざまな身体機能を刺激します。

筋力低下や関節の拘縮、骨粗鬆症を予防し、嚥下や排せつ能力の維持にも役立ちます。

顔が前を向くことでコミュニケーションが容易となり、社会性を高めることにもつながります。寝たきりの人を起こす必要性そのものについては論をまちません。

しかし、現状の対処には重大な問題が残されております。

体を起こすことばかりに関心が集まり、どう座るのか、座り方の質に十分な配慮がないのです。

歩行に困難を覚える人の多くが車いすを利用します。

日本に普及している車いすの大部分は標準型と呼ばれる布張りで、折り畳める画一的なサイズの車いすです。

標準型の多くは身長百七十センチから百七十五センチの人を想定したつくりになっています。

つまり、大半の高齢者、障害児の体にはそもそも適合しません。

また、テントの素材と同じキャンパス地一枚のシートでは体重の分散ができず、座る姿勢も崩れやすくなります。

長時間座ることで床ずれにつながりやすく、長期にわたって使用すると脊椎の変形や股関節の拘縮につながる危険すらあります。

標準型車いすは、そもそも畳めることを最優先につくられており、短時間の移動に耐える機能しかありませんが、区立特養を含めたほとんどの介護施設、在宅介護の現場では一日何時間も、しかも何年にもわたって座り続けられているのです。

欧米では、シーティングの専門教育を受けた専門家が一人一人の身体条件に合わせて車いすの各部を調整するシーティングが広く行われています。

このため、使われる車いすもモジュラー型と呼ばれる進化型です。

一方、日本にはこれに類する専門職もなく、理学療法士や作業療法士の教育課程においても、シーティングはほとんど取り上げられていないといいます。

また、福祉用具の選定にかかわる相談員やケアマネジャーについても車いす適合の技術は教育されておりません。

日々使用しているいす、車いすの多くが不適切であるにもかかわらず、本人も周囲の関係者もその問題に気づかぬまま漫然と使用されているのが現状であります。

そこで伺います。

第一に専門的な相談業務についてです。

区の総合福祉センターでは、この夏、理学療法士、作業療法士、介護福祉士等が連携するシーティング相談の日をスタートさせました。

自治体として非常に先駆的な取り組みであることは評価いたしますが、相談日は月に一日、第三木曜日の午前に限られ、本庁の担当課ですら私が質問通告するまでその存在に気づかないほど地味な取り組みであります。

必要な方に届く情報発信を工夫するべきです。

また、相談日の拡充も検討すべきです。

シーティングは、利用者の自立性を高め、介護負担の軽減につながります。

また、骨格の変形や床ずれといった深刻な二次的障害を回避でき、医療費の削減にもつながるはずです。

厳しい財政状況であるからこそ、先を見据えた予防策の充実を検討するべきであります。

相談業務の改善、充実に向けた区の考えをお伺いいたします。

第二に、区立特養での対処についてです。

先日、東京日の出町にある特養日の出ホームを見学してまいりました。

同所では、平成十三年からスタッフがシーティング研究会を立ち上げ、個々の入居者に応じた車いすを調整し、食堂のテーブルやいすにも細かな調整を行っています。

行き届いた座りの質の確保には大変な感銘を覚えました。

一方、せんだって見学させていただきました二カ所の区立特養では、依然、標準型車いすに座りっ放しの人、前後左右に姿勢が大きく傾いたままの人、姿勢を保とうとテーブルに手をついたまま放せない人が存在し、ご案内くださった職員はシーティングという言葉すらご存じありません。

両者の違いは明らかであります。

ぜひ区立の特養においても質の高いシーティングを加味した介護に取り組んでいただきたいと考えます。

区のご所見を伺います。

第三に、介護職の方々への啓発であります。

車いすのレンタルにかかわるケアマネジャー、実際の介護を担うヘルパーにシーティングの重要性を認識していただく必要があります。適切な福祉用具をアドバイスできる能力、福祉用具を生活の中で生かす援助が決定的に不足しています。

総合福祉センターでは、ことし初めのSofuku講座で、車いすの座り方について一時間の講座を開いたと伺っていますが、シーティングの理解に必要な専門領域は多岐にわたります。

研修内容の充実と開催頻度の拡大がなお必要であろうと考えます。

今後の研修に対する区のお考えをお聞かせください。

この問題の最後に、シーティングを必要とする方々、区民一般への啓発について伺います。

シーティングのターゲットとなる障害のある方、介護保険の要介護者については、既に区に詳細な把握がございます。

ぜひ効果的な情報提供をお考えいただきたいと思います。

また、広く区民一般にシーティングの大切さを伝える取り組みも必要です。地域包括支援センター、在宅介護支援センターなどの相談窓口、区報を初めとする各媒体の活用もご検討いただきたいと考えます。

今後の啓発に向けた区の考えをお聞かせください。

続きまして、総合福祉センターの今後についてお伺いいたします。

総合福祉センター、いわゆる総福に指定管理者制度を導入する条例改正がさきの定例会において行われました。

現在、区保健センターによる受託の継続が選定委員会で審査されておりますが、将来、管理者の公募に移行することは確実であります。

従来より総福では、都内随一とも言えるきめの細かいリハビリテーションを行ってまいりましたが、障害者手帳の有無を問わない補聴器相談、失語症会話パートナーの養成、さきに触れたシーティング相談の実現もこうした前提があってこそ可能となるものです。

こうしたきめ細かな対処の姿勢は、今後の指定管理者の公募に当たっても、ぜひ堅持いただく必要があると考えます。

区の方針をお聞かせください。

一方、総福における個々の事業は、在宅サービス部、保健福祉部、子ども部、教育委員会のそれぞれが所管しており、本庁にもその全貌を掌握する者がおりません。

区は、総体としての総福をどう位置づけるおつもりでありましょうか。

また、縦割りを廃する管理が必要ではないかと考えますが、それぞれ区のご見解をお聞かせください。

最後に、きめ細かくすばらしい総福の取り組みであっても、その内容が区民には非常に見えにくい現状が本当に残念です。

事業の詳細を本庁の所管課ですら把握していないケースが少なくありません。

今回取り上げたシーティング相談もその一つであります。

必要な人に存在の見えない社会資源にどれほどの意味があるでありましょうか。

庁内との情報共有、区民に見える情報提供の改善に向けた努力を求めます。

区の処方せんをぜひともお示しください。

◎秋山 保健福祉部長

シーティングについて、相談業務の充実についてお答え申し上げます。

シーティングとのお話がありましたけれども、座位保持、座っていることを保つという意味でございます。

また、シーティングとは、障害者や高齢者の方々が寝たきりになることなく、いすや車いすなどを適切に使用して自立的な生活が送れるよう支援をしたり、介護者の負担を軽減する技術を言います。

シーティングの大切さを認識いたしまして、相談日を今年度、総合福祉センターでスタートさせましたが、このほか福祉用具の展示相談室「たすけっと」でも福祉用具の展示や相談、情報提供を行い、座位保持を含めて区民の適切な福祉用具の選択を支援しております。

また、総合福祉センターの理学療法士などの専門職員との連携により、その機能をさらに発揮しているところです。

福祉用具を必要とする人に適切な情報を提供することは重要なことでありますので、シーティングを初めとして福祉用具の適切な使用につきましても、さまざまな手段で周知してまいりたいと思っております。あわせて、総合福祉センターで行っておりますさまざまな福祉用具の選択の支援の一つとして、車いすに関する相談の充実も図ってまいりたいと考えております。

ケアマネジャーやヘルパーに対する研修の取り組みについてでございます。

重度の要介護者にとりまして、日中の座位時間を確保することは重度化を予防し要介護度の改善を進める上で非常に重要であり、自立支援を目指すケアマネジメントの基本的考えであると認識しています。

現在区では、新任者、現任者、リーダーなどの対象者別に体系的なケアマネジメント研修を実施しておりますが、そこでは総合福祉センターが主催する座位保持に関する研修などもその一環として位置づけ、介護事業者等へ積極的に周知をしております。

今後も区としてケアマネジメント研修の充実を図り、座位保持の重要性を含めた自立支援、重度化予防を目指すケアマネジメントの考え方をケアマネジャーやホームヘルパー等に広く普及してまいります。

総合福祉センターのこれまでの取り組み、それからきめ細かな対処姿勢の堅持など総合福祉センターに対する区の方針をというご質問でございます。

区立総合福祉センターは、乳幼児から高齢者までのすべての障害者を対象に、保健、医療、福祉の連携のもと、障害に関する相談や生活訓練など専門的な支援を行う障害者福祉の中心的施設としてその役割を積極的に果たしてまいりました。

介護保険制度、指定管理者制度の導入など取り巻く状況は変わってきましたが、地域リハビリの分野では、拠点施設となるなどその重要性はますます増大していると認識をしております。

高次脳機能障害や発達障害などの新しいニーズや課題にも対応するため、専門スタッフの能力や施設機能を十分に発揮し、全区的な拠点施設、専門施設としてより充実できるよう進めてまいります。

また、指定管理者制度の導入に当たりましても、こうした考えを取り入れてまいりたいと考えております。

縦割りを廃する管理が必要とのお話がございました。

保健福祉部の方が所管をしておりますので、私の方からお答えをいたします。

総合福祉センターは、区における障害福祉推進の中心的施設の一つと位置づけております。

現在、総合福祉センターに対しまして、事業委託等を行っている所管は、福祉保健領域から教育委員会まで四部五課にわたっておりますが、保健福祉部計画調整課が全体の調整を行っております。

専門性を持った所管は必要ですが、それぞれがばらばらになることなく、保健福祉部が中心となって連携を図ってまいります。

次に、区民に見える情報発信の改善に向けて区の処方せんをというお話でございました。

総合福祉センターは区の受託事業にとどまらず、自主的な事業等も展開しております。

必要な人に必要な情報が届くよう、区民向けの情報発信についてはきめ細かな対応が必要と考えております。

総合福祉センターのすばらしい取り組みにつきましては、総合福祉センターみずからが必要な人に自発的な広報などを通し発信していくことはもちろんのことですが、区としてもできる限りの機会をとらえ、さまざまな広報の媒体を使い、効果的に情報を発信していきたいと考えております。

また、それらの事業を区の関係所管が掌握していることは当然必要なことであると考えますので、今後も総合福祉センターと区の所管課との連携を深めるとともに、さらに庁内での情報の共有化を図るなど、工夫してまいります。

以上でございます。

◎亀田 在宅サービス部長

シーティングに関しまして、区立特養での認識を改善すべきではないかというご質問でございました。

区立の特養ホームでは、日中ベッドを離れて座って過ごしていただくことが入居者の生活の質を向上させるために重要であるとの視点に立ち、専用の機器の使用等により、座位を保持する取り組みを行っております。また、経管栄養で寝たきりだった方でも、施設が準備したいすごと傾ける機能を持つチルト式車いすなどを使うことにより、座位が安定し、食堂で他の利用者と食事時間を過ごすことができるようになったというケースもございます。

特養ホームの車いすについて申し上げますと、施設がお勧めしてその方に合った車いすへの乗りかえをされたケースもございますが、特養ホームに入居される方は今まで使っていた車いすをそのまま持ち込むケースも多く、必ずしも一人一人に合った車いすや座りとなっていない状況もございます。

今後、さらに座位での生活の質を高めるという視点から、特養ホームの施設長会を通じて、区内の民間特養ホームも含めまして、総合福祉センターで開催されるシーティングの研修会等の情報を積極的に提供していきたいと考えております。

もう一点、シーティングに関しまして、一般区民への啓発につきまして、有効な情報発信の工夫はできないかということでございますが、座位保持の重要性につきましては、議員のお話のように床ずれを防止する効果だけではなく、嚥下効果による食欲の増進、尿意や便意の促進など、要介護者の身体機能の低下を防止するため、重視すべきと言われております。

ご指摘のとおり、専門職だけではなく在宅介護を行っている一般の方々へ座位保持の重要性を周知することは、重度化予防のために大切だと認識しております。

区では、座位保持の必要性について記載いたしました在宅介護のための介護保険活用読本を平成十六年三月に発行し、またそれをホームページ上で公開するなどの取り組みを行ってまいりました。

今後も地域包括支援センター等を通して、介護者の孤立化を防止するなどの取り組みを含め、介護者へ正しい知識の普及を図るなど、さまざまな機会を活用してまいりたいと存じます。

以上です。

◆三十七番(上川あや 議員)

ただいまのご答弁なんですけれども、区立特養での現状についてなんですが、利用者の方が持ち込んだ車いすだけが問題ではなくて、やはり私が見たところ、標準型の不適切な車いすに座りっ放しの方が実に多いんですね。ですので、その辺は蒙昧な話にしないように、健康を守れるように、しっかり指摘しておきたいと思います。

一点、質問いたします。

私はさきの質問の中で、相談の体制の強化あるいは専門家の養成が、介護費用の削減あるいは医療費の抑制にもつながるということで、投資効果が高いというようなお話をしたんですけれども、この点、基本的にご同意いただけるのかどうか、お聞かせください。

◎秋山 保健福祉部長

座位を保つということは、それだけ重度化予防になるということをしっかり私どもは認識いたしております。

重度化予防になるということは、それだけ医療費の削減効果もあるというふうに考えております。

以上でございます。

◆三十七番(上川あや 議員)

しっかりお願いいたします。

最後にお願いなんですけれども、この庁舎の入り口にも置いてあります折り畳まれている標準型の車いすにぜひ一回座ってみてください。

要介護度が高い方は自分で座り直しがききません。

そこに一時間座ってみると、いかにそれがつらいものかということをよくわかっていただけると思います。

こんな話があるんだということを耳に挟んだということで終わりにしないで、実際的な改善をしっかりお願いしたいと思います。

この点について必要とあればまた重ねて質問してまいりますので、しっかりご検討いただくようにお願いいたします。

世田谷区議会・平成17年第二回定例会において一般質問を行いました。

質問内容は以下の二点です。(議事録より)

1. 失語症への支援について

2. 災害時のコミュニケーション支援について

区議会録画中継により一連の質疑をご覧いただくことができます。

(一般質問)

http://www.city.setagaya.tokyo.jp・・・

◆三十七番(上川あや 議員)

まず初めに、失語症への区の対応について伺います。

失語症とは、脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷などにより言語野を損傷し、その機能を損なうもので、高次脳機能障害の一つです。

脳卒中は我が国の死亡原因の第三位を占め、一命を取りとめた場合でも、その三割から四割に失語症が残ると言われます。

また、若年層では交通事故の後遺症から失語症となるケースが多く、国内の失語症者は五十万人に達するとの推計もあります。

失語症は、いつ、だれの身に起こってもおかしくない障害の一つなのです。

失語症では、話し言葉だけでなく、聞く、読む、書くのそれぞれに影響が残ります。耳は聞こえていても言葉の意味がわからない、目に見える文字や文章が理解できないといった症状から、言葉や文字のわからない外国に一人取り残された状態にも例えられます。

しかも、長期にわたりリハビリを行っても失語症を完全に治すことは困難で、家族との意思疎通などにも困難が残ります。

社会の理解や支援が乏しいために社会復帰も難しく、当人とご家族の苦悩は大変に深刻です。

社会生活や職業生活から見た失語症は非常に重い障害でありますが、その障害は外見にあらわれず、身体障害者手帳が交付されないケースも多いといいます。

言語障害と認められた場合においても、障害の等級は三級か四級にとどまり、障害に伴う困難が正当に評価されていないと言われます。障害に対応する行政の援護もほとんど制度化されておらず、事態の改善に向けた努力が求められます。

そこで、質問させていただきます。

第一に、区の行う相談・訓練事業についてです。

当区では、外郭団体の総合福祉センターを中心に、障害への相談、訓練を実施しています。

センターには複数の言語聴覚士が在籍し、失語症への専門的な訓練を実施していますが、具体の取り組みについてはほとんど広報されておりません。

区の相談窓口や総合福祉センターに、当人やご家族からの相談が寄せられて初めて紹介される内容となっており、有用な社会的資源があるにもかかわらず、必要とする方にそれが見えません。積極的に広報するべきです。

また、一定期間言語訓練が行われても、その後、どのように生活をすればよいのかについてのアドバイスがなく、失語症者の多くが困惑しています。

中長期的な視野に立った相談、指導の体制を整備するべきと考えます。

それぞれ区のご見解をお聞かせください。

第二に、安心できる場所の確保についてです。

失語症に対する社会のサポートは乏しく、リハビリ後も失語症者の多くが職場や学業への復帰を果たせない現実があります。

自宅を中心にした生活を送らざるを得ず、自宅以外の居場所を求め、通常のデイサービスなどを利用しても、周囲とのコミュニケーションが難しく、結局その利用をやめてしまう場合が多いといいます。

家庭以外の居場所が少なく、家族との交流も困難です。

失語症の本質は孤独病であるとも言われます。

生きがいを見出し、ソーシャルスキルを向上させるためには、安心して参加できる場の確保が不可欠であります。

区内には、ふれあい・いきいきサロンを中心に六つの失語症グループが活動していますが、その開催頻度はいずれも月一、二回にすぎず、会場も梅丘のセンターに偏っています。

一定のエリアごとに居場所が確保されることが、社会性を高める上で重要であります。

居場所の拠点づくりに向けた工夫と努力を区に求めます。

ご見解をお聞かせください。

第三に、失語症者への就労機会の確保です。

失語症者が復職できる割合は八%にすぎないというデータがあります。

コミュニケーションの難しさと無理解が就労を阻む壁となっています。一方、失語症になっても、その人の判断力や記憶力、礼節ある態度、その人らしい性格に大きな変化はないといいます。

適切な援助があれば生かされる能力の多くが埋もれているのです。

区内で失語症者を主な対象とした作業所は岡本作業ホームの玉堤分場のみで、その定員は十九名にすぎません。

就労意欲に比べて、その受け皿は極端に不足しています。

失語症者の勤労意欲にこたえる区の処方せんをぜひともお示しください。

第四に、失語症者のコミュニケーションを補佐する会話パートナーの養成が必要です。

会話パートナーは、失語症者の悩みや特性を理解し、適切なコミュニケーションの橋渡しを行う人で、視覚障害に対応したガイドヘルパー、聴覚障害者に対する手話通訳や要約筆記に当たります。

日本では、有志の言語聴覚士が中心となり、二〇〇〇年からその養成が始まり、現在では行政の主体的な養成事業として、板橋区や横浜市、我孫子市などでもその養成が始められています。

当区では、総合福祉センターの言語聴覚士にこの会話パートナーの養成に精通したすぐれた人材がありながら、それを生かした取り組みには一切なっておらず、大変に残念です。

当区も積極的にすぐれた人材を活用し、会話パートナーの養成を図るべきと私は考えます。

区のご所見を求めます。

最後に、失語症にかかわる啓発についてお伺いします。

失語症に関する社会の理解はまだまだ不足しています。

失語症は、精神的なショックから声を失う失声や、運動機能の麻痺により、いわゆるろれつが回らなくなる障害としばしば混同されます。

失語症者に直接かかわる可能性の高い医療従事者や介護者においてさえ、言葉は話せなくても筆談はできるはず、五十音の文字盤を使えば意思の疎通はできるといった誤った理解が少なくありません。

失語症者の家族でさえ、障害を正しく理解し、有効なコミュニケーション手法を知る人は多くないといいます。

行政職員についても同様の問題があります。

区は各層に向けた啓発を積極的に展開するべきです。

区のお考えをお聞かせください。

続きまして、災害時のコミュニケーション支援について、聴覚障害に焦点を当て質問いたします。

区は現在、災害対策の総点検を実施し、来月初めの取りまとめを予定しています。

私も、さきのオウム問題・災害・防犯対策委員会において、その検討状況の中間報告をお受けいたしました。

いただきました資料によりますと、高齢者、障害者、子どもなど災害要援護者に対する支援が、重要な五本柱の一つに掲げられております。

しかし、その内容を見ると、障害者対応として挙げられているのは、災害当初の安否確認と避難所への誘導、介護事業者らと連携した訪問サービス、特養ホーム、障害者施設と提携した二次避難所の確保やショートステイの実施となっています。

聴覚障害は、さきに質問した失語症と並び、コミュニケーションにかかわる障害でありますが、障害特性に応じた情報保障の取り組みについては何らの言及もありません。

阪神・淡路大震災では、当初有力な情報源であったラジオ情報が聴覚障害者に共有されず、情報の隔絶から強い不安を与える結果となりました。

また、避難生活での配給のアナウンス、罹災証明書の発行、仮設住宅の申し込みなど重要な情報の提供が音声情報に偏り、聾唖者の多くは、周りの状況を見て、わけもわからず行列に並ぶ結果になったといいます。

今回の防災対策の総点検に当たっては、聴覚障害に対応する情報保障についても十分な検証を行うべきです。

既に、新宿区や足立区、港区などにおいて手話通訳者、要約筆記者との連携を裏づける協力協定の締結が進んでいます。

当区においても、手話通訳、要約筆記者の団体、グループとの間に同様の仕組みづくりを進め、災害時への備えを図るべきであります。

本提案に対する区のご見解をお伺いいたしまして、壇上からの質問を終わります。

◎亀田 在宅サービス部長

失語症者へのさまざまな支援につきまして、六点ご答弁をいたします。

まず、区で実施しております言語訓練等について積極的な広報をというご質問でございますが、失語症は交通事故や脳血管障害等により、言葉をつかさどる脳の一部に障害が生じて発症するもので、会話が困難になる場合や文章の読解が困難になる場合など、さまざまなものがございます。

現在、総合福祉センターにおきましては、身体障害者デイサービス等を通して、言語聴覚士による専門的な相談やリハビリに取り組んでおります。

平成十七年四月一日現在、言語聴覚士は常勤一名、非常勤九名の合計十名で対応しております。

ご指摘のとおり、必要な方々にこれらの相談訓練を利用していただけるよう、広く周知していく必要がございます。

「障害者のしおり」はもとより「区のおしらせ」やホームページ等を活用して、区民の方々へ周知してまいります。

二点目でございますが、この言語訓練を終了した後どのような生活をすればよいかについても専門的なアドバイスが必要ではないかというご質問です。

失語症の方のリハビリが終了した後の生活上のアドバイスにつきましては、訓練当初から訓練後の生活のありようをも想定いたしまして、相談やリハビリを行っているところでございます。

一方、失語症者の方々の機能の十分な回復には長い年月を必要とし、一定の訓練終了後の生活にも継続的な支援が必要な場合も少なくございません。

このため、訓練を終了した当事者の方々がつくる自主的グループ活動に言語療法聴覚士などの専門スタッフがかかわることにより継続的なアドバイスができるよう検討してまいります。

三点目の、安心できる居場所の確保についてでございますが、リハビリ等を終えた失語症の方々が集い、生活上の悩みや社会復帰に向けて話し合い、相互に励まし合うことは必要なことでございます。

また、リハビリが終了した以降も、社会復帰を果たすまでの間につきましては、援助者などのサポートが欠かせません。

そのため、失語症を含めました高次脳機能障害の方の受け入れを行っている施設や当事者の自主グループ、家族会等とも連携を図りながら、リハビリ終了者や既に社会復帰を果たした方々が時に集いながら相互に活力を得る居場所づくりにつきまして検討してまいりたいと考えております。

次に、勤労意欲にどうこたえるのか、失語症を主たる対象とした区内作業所は一カ所である、勤労意欲とその能力に比して就労の場は限られている、区の対応はというご質問でございます。

失語症の方々は、障害発症以前にさまざまな職業経験のある方も多く、就労の問題につきましては当事者の生きる意欲にどうこたえていくかという大切な問題です。

お話しのように、現在、岡本福祉作業ホーム玉堤分場等の身体障害者通所授産施設が失語症者を受け入れております。

個々の失語症者がその能力を活用して生き生きと働くためには、失語症の方の意欲に加え、失語症の症状や失語症の方の抱える悩みにつきまして、区民や事業者等周囲の理解を促進しながら、柔軟な就労形態の中でその意欲にこたえていくことが大切です。

区は、総合福祉センター等で一時的な相談を受けるとともに、今後も東京都障害者職業センター等の公的機関やNPOなどの就労支援・生活支援団体等と連携を図りながら適切な就労支援を行っていきたいと考えております。

次に、会話パートナーの育成についてでございますが、会話パートナーとは、ご案内のとおり、失語症のさまざまな症状を理解しまして、失語症にある人たちの不自由なコミュニケーションを補いながら、周囲の方や社会との仲立ちをする人のことと考えております。

ご指摘のように、専門的な言語聴覚士による訓練だけではなく、失語症者の生活上のさまざまなニーズに十分に対応することが必要でございます。

家族や周囲の方々が失語症への理解を深め、ともすれば孤立しがちな失語症の方々を周囲で支えていくことが必要であると考えております。

また、区内にも、失語症支援を目的として活動しているグループも会話パートナーの役割を果たしております。

今後も、総合福祉センターやこれらの活動グループ等と連携を図りながら、会話パートナーの養成を含めて失語症への理解普及に努めてまいります。

最後に、失語症者の啓発活動につきまして、身近な家族、医療関係者、区の職員にすら十分な知識があるとは言えない、社会的啓発をどう図っていくかというご質問でございます。

失語症に対する理解を深め、適切な援助技術を習得するため、現在、ヘルパーやケアマネジャーを対象といたしまして、総合福祉センターにおいて年四回、基礎編二回、応用編二回、研修を実施しております。

地域における障害者理解の促進は、ノーマライゼーションプランの大きな柱の一つでございます。

今後もさまざまな機会を通じまして、障害者への理解普及、啓発に努めてまいりたいと存じます。

以上です。

◎室星 危機管理室長

私の方からは、聴覚障害者の方々に対する災害時のコミュニケーション支援、災害時協力協定を締結してはどうか、こういうご質問にお答えいたします。

聴覚障害者の方々は、日常生活を送る上で手話や筆談などさまざまなコミュニケーションの手段を確保されておりますが、災害時の混乱している状況の中では情報の収集が困難になることが想定されます。

区では現在、聴覚障害者の方々に対する災害時の対策として、障害者団体と協働し、聴覚障害者のための防災手帳の作成を行っているところです。

また、災害時区民行動マニュアルでは、聴覚障害者の方々などに対する対応について区民の皆様に広く啓発するなど、自助及び共助による災害時の対応に取り組んでおります。

今後とも、区といたしまして聴覚障害者の方々に対する災害時の情報提供の仕組みづくりに向け、手話通訳者や要約筆記者などの団体、グループとの協力協定の締結についても検討してまいります。

以上でございます。

◆三十七番(上川あや 議員)

それぞれ前向きととれるご答弁、ありがとうございました。

実際的な変化を期待しています。

一点、再質問いたします。

失語症に対する啓発に関してですが、ご答弁では、さまざまな機会を通じて啓発を図るとありました。

私は質問通告の中で、職員の理解不足ということについても挙げていますが、ご答弁は区の職員に対しても働きかけを強めていただけるということで理解してよろしいのでしょうか。

◎亀田 在宅サービス部長

お話にございましたように、区の職員の一人一人が失語症に対する理解を深めることが大切だと考えております。

今後、さまざまな機会をとらえまして、保健福祉領域の職員にとどまらず、研修調査室等とも連携いたしまして広く職員全体に普及啓発を図ってまいりたいと考えております。

以上です。

◆三十七番(上川あや 議員)

ありがとうございます。よろしくお願いします。

失語症について、在宅サービス部からご答弁はいただきましたが、これは全所管が注意していただきたいと思っているんです。

例えば、お子さんが学校からお知らせのプリントを持ってくる。

失語症者の方はそれを理解できないということもあると思います。

各所管の窓口に失語症の方が行って要件を満たすということは難しい、あるいは「区のおしらせ」を見ても理解は難しいと思います。

失語症はコミュニケーションの障害です。

つまり、その方だけの問題ではなくて、そのコミュニケーションを図る我々の問題だということを認識した上で、それぞれ職務に生かしていただく、何ができるのか考えていただくということを切にお願いいたします。


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