◆三十六番(上川あや 議員)
まず初めに、区内の視覚障害者誘導用ブロックについて伺います。
区内を歩いておりますと、とまれと進めの判別の難しいブロック、周囲に溶け込んで目立たないブロック、サイズや突起の規格が不ぞろいで、利用者を混乱させかねないブロックの多いことに気づきます。
視覚障害者の七割は弱視であり、全盲ではありません。
弱視の方の多くは誘導用ブロックを目で追いながら歩きます。
こうした方々への誘導ブロックには、目立つ色彩が第一に重要です。
また、足裏や白杖でのとまれと進めの判別の難しいブロックでは、危険箇所がわかりづらく、安心して歩くことができません。
区役所の目の前においてすらこうした不適切ブロックが漫然と敷設されている現状には、首をひねるばかりです。
こうした事態の改善を求めて私は、おととしの予算委員会以降三回にわたってこの問題を取り上げてまいりました。
質疑のたびに区は、問題の所在を認め、前向きな答弁をなさいますが、現状を見る限り、区の対処はなおざりで、具体的な改修はほとんど進んでおりません。これでは小手先の答弁と受けとられてもいたし方ないのではないでしょうか。
そこで、以下、抜本的な改善を求め、四点の質問をさせていただきたいと思います。
第一に、改修計画のずさんさについてであります。
一昨年春の予算委員会で私は、全区的な不適切ブロックの調査を求めました。
昨年の予算委員会で区は、全体で約六百五十カ所の不適切ブロックがあることを認め、おおむね五年で改修する方針を表明なさいました。
しかし、この春、十七年度を初年度とする五カ年計画の詳細を確かめましたところ、そもそも要改善とされた六百九十四カ所のうち半数を超える三百七十八カ所が、肝心の改修計画から抜け落ちております。しかも、初年度実際に改修できたのは計画量の半分以下、四四%にすぎません。
つまり、五年で全体の改修をお約束なさったのに、五年計画での改修地点は半数以下、実際の改修率はさらにその半数以下というていたらくです。
区がみずからの議会答弁をはなからほごにしたことは明らかです。これをいかにお考えであるのか、改修計画から漏れた過半数の不適切箇所を今後どう具体に改善するおつもりであるのか、必要量の半数以下の計画すら本当に守られるのか、区の明確な答弁をお願いいたします。
第二に、本庁舎周辺の不適切ブロックの改修について伺います。
昨年春の予算委員会で私は、区役所周辺の不適切ブロックを優先的に改修してくださるよう要望いたしました。
土木課長は、来年度から早期の改修に向けまして優先的に取り組んでまいりたいとお答えになりましたが、答弁で約束した来年度、つまり十七年度は既に終わり、いまだ改修の見込みもないのが現状であります。
区は、庁舎の敷地を含めた区役所周辺の改修を本気で進めるおつもりがあるのか、改めてお聞かせください。
第三に、誘導ブロックの線状整備、面的整備に関する考え方であります。
一昨年の予算質疑で私は、誘導ブロックの線状整備、面的整備が五つの支所でばらばらに判断されている問題点を指摘し、一定の方向性が必要ではないかと尋ねました。
区は、支所により設置状況が異なっている面も確かにあると、その問題点を認め、調整を図り検討するとお約束になりましたが、答弁から二年、何ら具体の方針は固まっておりません。
区はどのような考えで整備を進めるおつもりであるのか、改めて伺います。
この質問の最後に、沿道建築物と歩道のブロックとの連続性について伺います。
せんだって供用が開始された梅丘のだれでもトイレを個人的に検分し、行政の縦割りを見る思いがいたしました。トイレ建物の敷地内には誘導用ブロックが確かに設けられています。
しかし、これに接する区道には、トイレの位置を知らせるブロックが一切ありません。これでどうやってトイレの位置を知ればよいというのでしょう。
また、竣工間もない城山庁舎にも同じ問題があります。
庁舎の敷地境界から入り口ドアまでは確かにブロックが敷設されております。
しかし、庁舎前の区道には、庁舎の位置を知らせる誘導ブロックが一切ありません。いずれも歩道と建築物の所管が異なり、連携がとれていない縦割りの弊害そのものであります。
区はこの春、福祉のいえ・まち推進条例を改正し、区内建築物のバリアフリー化を強力に推し進めることになりました。
しかし、建物がいかに改善されても、そこにつながる公道との連携が考慮されなければ、必要な施設にはたどり着くことすらできません。
今後は、条例に基づく届け出データも参考に、整合性をきちんと図るべきであります。
区のお考えをお聞かせください。
続きまして、急速に失われている区内の近代建築物について伺います。
世田谷区は、対外的に緑濃い閑静な住宅街というイメージが広く定着しています。
区内には、うっそうとした屋敷林がそこかしこに残り、古く趣のある家屋が町の魅力を高めるアクセントになっています。しかし、住宅街のブランドイメージを高めてきた風格ある近代建築物が今急速に失われています。
区の教育委員会が昭和六十二年にまとめた「世田谷の近代建築」によりますと、区内には、明治から昭和初期までに建てられた近代住宅が千七百五十四棟確認されておりました。
区が平成十五年に調査を実施したところ、その存在が確認できた建物は四百十棟、残存率にしてわずか二三%であったといいます。
この調査では、近代建築物の範囲を戦前にまで広げ、四千九百件余りの建築物が新たに確認されたそうですが、これすら老朽化や相続などを理由に取り壊される建物が後を絶ちません。
町の財産として近代建築物をどうとらえるのか、文化と芸術の振興をうたう区の真価が問われています。
そこで、伺います。
区教育委員会は、区内に残る近代建築物について、文化財としての検証をいま一度行うべきではないでしょうか。そして、町の財産としての積極的な保全を区に求めたいと思います。
国は平成八年、文化財保護法の一部を改正し、建築後五十年以上を経た価値ある建築物を、所有者の申請を受けて登録する登録文化財制度をスタートさせています。
より緩やかな基準と規制で、登録後も活用しやすいのが特徴で、急速に消滅する近代建築の保護に主眼を置いています。
相続財産評価額の三割控除、地価税の二分の一減免、改修費用の低利融資といった特典もあり、愛着ある家に住み続けたい区民にとっても魅力ある制度です。
ぜひ積極的な制度利用を区民に働きかけていただきたいと思います。
また、景観法に基づく景観計画の中で、景観重要建築物としての指定も視野に、すぐれた建築物の町の財産としての保全を図っていただきたいと考えます。
それぞれ区の考えをお聞かせください。
最後に、名木の評価と保全について触れておきたいと思います。
緑豊かな住宅都市世田谷を代表する緑に、区が昭和六十二年三月に選定した名木百選がございます。
地域の緑を特徴づける姿の美しい木、地域の人々に親しまれる由緒ある木などを区が特別に選定したものとのことですが、所管に確認したところ、制定から二十年を経た今、現状の把握はなく、失われた木もあるのではないかとのお話でありました。
いっとき華々しく取り上げて認定したきり野放しであることに、区の姿勢がかいま見えるように思えてなりません。
区にはぜひ町の財産としての認識をお持ちいただき、現況の把握を図っていただきたいと考えます。
また、区として残された名木をどう守っていくのか、積極的な保全策も視野に検討いただく必要があると考えますが、区のお考えをお聞かせください。
◎山口 土木事業担当部長
視覚障害者誘導用ブロックについてのご質問に、二点私の方からお答えいたします。
初めに、具体的な改善策についてでございますが、平成十三年九月に視覚障害者誘導用ブロックのJIS規格が示され、それ以降、区では平成十六年度までの間に約百八十カ所の改善を進めてきました。
その後、平成十六年度に、その後の改善計画を作成するため、改めて視覚障害者誘導用ブロックの調査を行いましたところ、規格外、劣化などについて改善を要する場所が約六百五十カ所ほどございました。
この調査をもとに、老朽化や破損などの改善の必要性の高いと考えられる場所約三百カ所を選定し、平成十七年度を初年度とする五カ年計画により改善に取り組んできております。
まずは、この五カ年計画を着実に推進するとともに、平成二十二年度以降、残された場所の改善につきましてもできるだけ早く改善できるように努力してまいりたいと思います。
次に、本庁舎周辺の不適切ブロックの改修についてお答えいたします。
区役所周辺の視覚障害者誘導用ブロックの改善につきましては、早急な対策として、昨年、都市計画道路補助一五四線の視覚障害者誘導用ブロックを黄色に着色し、わかりやすくしましたが、ブロック自体の規格はJIS規格ではない状況のままであります。
区役所は多くの方々が来庁される場所である点を考えますと、その周辺道路の視覚障害者誘導用ブロックの改善の必要性については強く認識しているところでございます。
区役所周辺の視覚障害者誘導用ブロックの改善につきましては、敷地内も含め、本年秋の整備をめどに現在準備を進めているところでございます。
私からは以上でございます。
◎株木 都市整備部長
まず、視覚障害者誘導用ブロックの線状整備、面的な整備についての区の考え方についてお答え申し上げます。
視覚障害者誘導用ブロック設置の考え方につきましては、福祉のいえ・まち推進条例施設整備マニュアルや設計基準に基づきまして、視覚障害者がよく利用する施設を中心にして、地域の状況や道路の状況、利用者の意見を勘案して設置しております。
具体的には、区民参加のもと、面的なバリアフリーを目指した五支所に設けました福祉的環境整備推進地区や、三軒茶屋を重点整備地区としてまとめた交通バリアフリー法の基本構想、二子玉川ユニバーサルデザインのルールづくりなどで視覚障害者等の意見を勘案して、計画や設置を行ってまいりました。
それ以外の地域につきましては、今年度、区立施設バリアフリー調査を進める中で、施設利用者の声を掌握できるように努め、今後の整備に活用してまいりたいと考えております。
次に、沿線建築物と歩道上のブロックとの連続性についてのご質問でございます。
誘導用ブロックの設置につきましては、道路や公共施設の新設、大規模改修や修繕工事にあわせて実施しております。
また、誘導用ブロックの連続性の配慮につきましては、福祉のいえ・まち推進条例の整備基準の中で敷地外の道路または公共的通路に視覚障害者誘導用ブロックが設けられている場合、敷地内に連続して視覚障害者誘導用ブロックを設けることになっております。
ご指摘のとおり、視覚障害者の方々が安全な利用を確保していくために、公共施設と道路等に連続して線状に誘導用ブロックを整備する必要がございます。
本年四月から、各総合支所から地域整備課に福祉のいえ・まち推進条例の届け出業務の一元化を図り、施設計画のチェック体制の強化を行ったところでございまして、さらに、土木事業担当部などの関係部署との連携を図ることにより、視覚障害者とともにすべての人が利用しやすい公共施設の整備に努めてまいります。
続きまして、近代建築物について、町の財産として保全をすべきとのご質問でございます。
平成十六年に制定されました景観法では、良好な景観の形成に重要な建造物を景観重要建造物として指定し、保全、継承する制度がございます。
現在、区ではこの景観重要建造物の指定も含めて、景観法の活用を図る準備を進めており、その中で検討中の風景づくり計画に、周囲の風景づくりの核またはシンボルとなる可能性や所有者の意見の聴取などを指定の方針として定めたいと考えております。
今後、世田谷の風景づくりを進めていくための近代建築物の保全、継承は、景観重要建造物の制度を活用するとともに、教育委員会の文化財担当と連携を図り、また、財団法人世田谷トラストまちづくりの協力も得ながら取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎水戸 生涯学習・地域・学校連携担当部長
近代建築物の保全について、文化財の面からお答えいたします。
区では、昭和五十七年度から六十年度に近代建築調査を実施し、その成果を「世田谷の近代建築」として書籍を発行しております。その後、平成十五年度に改めて調査し、文化財的価値があるものとして、約五千五百件を確認しているところでございます。
しかし、住宅は美術品などと違い、所有者の方が日常生活を営んでいることから、指定による制約を受け、生活に影響を生じる心配もありますので、これらの建物を文化財保護制度に取り込んでいくことはなかなか難しい状況でございます。
国では、平成八年度に所有者への制約が指定文化財より緩やかな登録有形文化財制度を創設し、全国で約五千件の登録がなされております。
区内でも既に個人住宅四件がこの制度を活用しておりまして、今年度新たに三件の登録手続を進めているところでございます。
今後、この制度の普及案内を積極的に進め、所有者の理解をいただきながら登録をふやしていきたいと考えております。
以上でございます。
◎井伊 みどりとみず政策担当部長
名木の評価と保全についてのご質問がございました。
認定したきりで野放しなのが現状、現状の把握を行うべきではないか、また、町の財産として積極的な保全をというご質問でございます。
世田谷区名木百選は、姿の美しさ、珍しさに加え、数百年という年輪を刻む大木、由緒、伝説のある樹木を記録にとどめるために、昭和六十二年三月に選定しております。
名木百選に選ばれている樹木には、公園や神社仏閣のほか、個人のお宅にもある樹木も三割程度含まれておりまして、この多くは緑の基本条例に基づく保存樹木に指定して管理の支援を行ってきておりますが、ご指摘のとおり、調査は行っていないのが現状でございます。
これらの名木は、世田谷の緑を特徴づける長い歴史と文化の中ではぐくまれてきたものでございまして、区の貴重な財産として今後も保全していくべきと存じます。
早速、現況調査を行いまして、保存樹木制度等を活用しながら保全に努めてまいりたいと思います。
以上でございます。
◆三十六番(上川あや 議員)
再質問させていただきます。
まず、誘導ブロックについてなんですけれども、山口部長に再答弁をお願いしたいんです。
半数以下の要改善箇所のうち、五年計画に入れていただいたということはわかりますけれども、ご答弁では、その残る半分以上の箇所をできるだけ早くという言葉だけでした。
ただ、これまで、この区議会で区民の代表を前に答弁したことをほごにしてきた方ができるだけ早くと言っても、簡単に私はうのみにできません。
反省しているお気持ちがあるのかどうかということをいぶかしく思いますし、できるだけ早くということはどういうことを意味しているのか、はっきりお答えください。
◎山口 土木事業担当部長
進行管理が悪かった点については私の方も遺憾なことだと思っておりますし、今後できるだけ早くという部分につきましては、二十二年以降のことでございまして、現時点でその二十二年以後の計画を作成するというのは厳しい状況もございますが、二十二年以後、できるだけ早く努力するということでぜひご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
◆三十六番(上川あや 議員)
約束をほごにしたことを私は忘れておりませんので、これははっきり態度に現実に示していただかない限り、私はまた答弁を求めますので、その点よろしくお願いいたします。
あともう一点、名木の保全についてなんですけれども、景観法に基づく制度で、景観保護樹木というものの指定もあるそうですので、この点、考えられる可能性があるのかどうかということをご答弁いただきたいと思います。
よろしくお願いします。
◎株木 都市整備部長
先ほどお答えしました、現在検討中の風景づくり計画の中では、景観重要建造物と同様に、景観重要樹木につきましても指定の方針を定めたいと考えておりまして、今後、みどりとみず政策担当部と連携を図りながら、また、財団法人世田谷トラストまちづくりの協力を得ながら活用を図ってまいりたいと考えてございます。
以上でございます。