東京・霞ヶ関に向かう。
今日は法務省人権擁護局が主催する「人権に関する国家公務員等研修会」に講師として参加させていただくのだ。
かつての「サラリーマン時代」、中央官庁所管の公益法人に勤めていた私。
見慣れた街を以前と違った立場で訪ねている今の変化が何ともフシギな感覚である。
ホールへと上がるエレベーターの中、世田谷区にお住まいの参加者の方よりあたたかな声を掛けていただく。
区議選では私に投票くださったとのこと。
何とも有り難いひとこと。
初心を忘れちゃいけないと噛み締めるひと時であった。
7階の会場エントランスには、法務省の人権イメージキャラクターの「(人権)まもる君」と「(人権)あゆみ」ちゃんの姿。
担当者さんとの簡単な打ち合わせを済ませ、主催者である法務省人権擁護局の局長よりご挨拶を頂戴し、しばしお話する機会をいただいた。
今回の参加者は全省庁、所管特殊法人の職員など六百十数人。
対する講師は私ひとり。
今回の聞き手の数は私にとって過去最高数だ。
「緊張したら嫌だなぁ…演台から見える景色はどんなだろう?」と思ったけれど、これまでに経験している3、400人も今回の600人も会場が醸す雰囲気に大きな違いはないのだと感じた。
講演のなかでは性同一性障害に限らず、インターセックス、同性愛者らを含む性の多様性をはじめに概説させていただいた。
そのうえで「非典型的な性」を生きる人たちの社会的な困難の具体例、海外で広まる権利擁護と日本の現状について説明した。
次いで私の個人的な体験をお話しし、その視座から見えてきた社会、さらには議員活動を通し強く感じるようになった少数者共通の課題についてもお話して終了。
きっちり1時間半で講演を終えた。
会場では涙を拭う方の姿もあった。大役を終えてホッ。
つづくアニメーション映画「もも子」を私も拝見させていただく。
同研修会でアニメの上映は始めてのことというが、かなりの感動作だと思った。
日々、人権擁護局に寄せられるさまざまな声。
そういったなかには「人権を同性愛の問題などと一緒に語るな」といった批判の声もあるのだと聞く。
偏見というものの広がりとその根深さを強く感じさせられるエピソードだ。
人種差別の問題も女性差別の問題も…これまでのその環境改善にあたっては、実際の当事者が声を上げて問題の所在を繰り返し訴え、改善を求めてあちこちに足を運ぶ息の長い活動があったことを思う。
人々の偏見を変えてゆく上では問題の社会的なビジビリティ(可視性)を高めてゆく努力が欠かせず、問題の実在を証しつづけることが必要だと思う。
まさにComing out of the
closet (押入れ=ヒミツから抜け出し立場を明らかにする)が一つの鍵なのである。
差別を受ける可能性をもつ者は、苦しくとも「苦しい」とさえ言いにくい。
この轍をどう踏み越えてゆくのか。
その課題は、重い。
◆ ◆ ◆
先だって、世田谷区議会の一期生で構成される「一期の会(いちごのかい)」の仲間たち13人と横須賀のリサイクル施設を見学させていただいた。
全国から注目される横須賀市の先進的な取り組み。横須賀は、容器包装リサイクル法の最先端をゆく街なのである。
私たちが訪ねた2月4日も那覇市からの議員団とすれ違う。
まず「燃せるゴミ」から生ゴミを効率的に取り出して、ガス化し清掃車を走らせているプラントを見学。
次いで、缶類、ビン類、プラスチック、紙類の容器包装廃棄物を徹底して選別、資源化する中間処理プラント「アイクル」を見学する。
夕方の時間一杯いっぱいまで見学してまわる。
見学先では、皆、矢継早に質問を重ねる充実した視察となった。
参加した誰もがかなり触発された様子。
世田谷の今後にもヒントを活かしたいと思う。
世田谷区議会では二期生、三期生などもそれぞれ親睦の会を開いているが、行政視察に乗り出したのはこの10年、私たちの代が初めてのことだという。
会派という縦の枠を超えて横の連携も、もっともっと深められたらいいなと思う。