区の公益通報制度のルールは「お手盛り」過ぎる(質問原稿より)
2010年 03月 24日 - 00:00 by aya kamikawa
世田谷区の「公益通報制度」について伺います。
公益のため、内部告発を行った労働者に対する解雇等、不利益な取扱いを禁止した「公益通報者保護法」が、2006年4月に施行されました。
これを受けて世田谷区でも、同法の施行日より独自の制度運用が始めましたが、その内容を調べますと非常に「手前味噌」なルールだと感じます。
問題の第1は、通報窓口です。
国の公益通報のガイドラインは、行政内部の窓口に加えて、外部に弁護士等を配置した窓口を設けるよう明確に求めています。
ところが区の要綱は、内部職員からの通報は総務部事務監察担当課で、区の業務を請け負う外部労働者からの通報は総務部総務課、あるいは各所管課で受けるとしています。
つまり、告発通報を受け付けるのも区の組織、調査を行うのも区の組織、その決着をつけるのも区の組織です。こういう制度設計を「お手盛り」と呼ばずに何と呼ぶのでしょうか?
一方、23区中13区は区から独立した外部窓口を設けています。
2003年にいち早く「公益通報制度」を導入した千代田区も二人の弁護士を外部窓口とし、その人選も公正を期すよう、毎年、区議会定例会の議決に付しています。
世田谷区と他区とでは、客観性、透明性、積極性のレベルが全く違うんですね。
そこで「あなたなら組織の不正を知ったとき今の制度設計で通報できますか」と私も周囲の区職員に聞いてみました。
返ってきた感想は全てが全て後ろ向きなものでした。
・引き換えに失うものを考えますよ
・もし言ったら、まず支所、外郭に出されるでしょうね
・本所にはまず居られません。政策決定に関わる所には居られないでしょうね、絶対に。
・不正を知った職員は「自分の知っていることで立証できるだろうか」と必ず問いますよ。区に通報したところで、代わりに調べるなんて事は絶対にしてくれないですよ、この人たちは。
・シッカリとした証拠を持つのは、意思決定に関わる人、権限をもつ首謀者です。
・外側に窓口でもなければ、絶対に言わないですよ。
――とのことです。
そこで、国のガイドライン通り弁護士など外部窓口を設置するべきだと申し上げたところ、所管の答えは「今後の課題として受け止める」という全く前進のないものでした。
では伺いますが職員のこうした不信感に区はどう答えるでしょうか?国のガイドラインを無視して「区の内部に通報窓口を置き続ける理由」と併せてお答えください。
また、通報が秘密裏に処理されることも問題です。
所管に確認したところ内部通報はこれまで1件、外部からの通報も1件あったとのことです。しかし区は、その中身の公表はおろか、件数の公表すらしていません。
国は「公益通報者保護法」ガイドラインで「各行政機関は、必要と認める事項を、適宜公表する」と開示を求めていますが、区は全てを秘密としています。
しかも、この件数は正式に担当課で「受理」として処理した件数であって所管課に「持ち込まれた件数」そのものではないそうです。「受理」とせず「相談」に留めた件数についても確認しましたが、「カウントしていない」「不明」というのが区の答えでした。
一方、中野区の要綱は、通報の概要を「毎年公表しなければならない」としています。千代田区、杉並区もその概要を「公表しなければならない」と定めています。区も従来の「絶対秘密主義」を取り払う必要があると考えます。区に透明性を確保する考えがあるのか? ないのか? 方針をお聞かせください。
通報範囲も拡大するべきです。
区が要綱で、通報範囲としているのは「公益通報者保護法」が定める「最低限」の範囲に過ぎません。約420の法律が規定する犯罪行為や、最終的に刑罰に問われるモノのみが通報の対象です。国のガイドラインは通報の範囲について国が定める最低限の他に「適正な業務の推進のために各行政機関において定める事実」を追加できるとしていますが、世田谷区は何一つ追加していません。こうした最低限の内容しか受け付けない区は23区中、4区しかありませんが、世田谷区は残念ながらその1区です。
大半の区は、対象法令を増やしたり、法令違反全般を対象としたり、倫理違反全般にまで通報対象を広げるなど、よりよい制度運営に努めています。
順法・公正な区政運営を言うのであれば、世田谷区も他区と同様にその範囲を広げるべきですが、現実はそうなっておりません。
そこで伺いますが、公益通報を、法が定める最低限しか受け付けない区の意図はどこにあるのでしょうか? ご説明を願います。
公益のため、内部告発を行った労働者に対する解雇等、不利益な取扱いを禁止した「公益通報者保護法」が、2006年4月に施行されました。
これを受けて世田谷区でも、同法の施行日より独自の制度運用が始めましたが、その内容を調べますと非常に「手前味噌」なルールだと感じます。
問題の第1は、通報窓口です。
国の公益通報のガイドラインは、行政内部の窓口に加えて、外部に弁護士等を配置した窓口を設けるよう明確に求めています。
ところが区の要綱は、内部職員からの通報は総務部事務監察担当課で、区の業務を請け負う外部労働者からの通報は総務部総務課、あるいは各所管課で受けるとしています。
つまり、告発通報を受け付けるのも区の組織、調査を行うのも区の組織、その決着をつけるのも区の組織です。こういう制度設計を「お手盛り」と呼ばずに何と呼ぶのでしょうか?
一方、23区中13区は区から独立した外部窓口を設けています。
2003年にいち早く「公益通報制度」を導入した千代田区も二人の弁護士を外部窓口とし、その人選も公正を期すよう、毎年、区議会定例会の議決に付しています。
世田谷区と他区とでは、客観性、透明性、積極性のレベルが全く違うんですね。
そこで「あなたなら組織の不正を知ったとき今の制度設計で通報できますか」と私も周囲の区職員に聞いてみました。
返ってきた感想は全てが全て後ろ向きなものでした。
・引き換えに失うものを考えますよ
・もし言ったら、まず支所、外郭に出されるでしょうね
・本所にはまず居られません。政策決定に関わる所には居られないでしょうね、絶対に。
・不正を知った職員は「自分の知っていることで立証できるだろうか」と必ず問いますよ。区に通報したところで、代わりに調べるなんて事は絶対にしてくれないですよ、この人たちは。
・シッカリとした証拠を持つのは、意思決定に関わる人、権限をもつ首謀者です。
・外側に窓口でもなければ、絶対に言わないですよ。
――とのことです。
そこで、国のガイドライン通り弁護士など外部窓口を設置するべきだと申し上げたところ、所管の答えは「今後の課題として受け止める」という全く前進のないものでした。
では伺いますが職員のこうした不信感に区はどう答えるでしょうか?国のガイドラインを無視して「区の内部に通報窓口を置き続ける理由」と併せてお答えください。
また、通報が秘密裏に処理されることも問題です。
所管に確認したところ内部通報はこれまで1件、外部からの通報も1件あったとのことです。しかし区は、その中身の公表はおろか、件数の公表すらしていません。
国は「公益通報者保護法」ガイドラインで「各行政機関は、必要と認める事項を、適宜公表する」と開示を求めていますが、区は全てを秘密としています。
しかも、この件数は正式に担当課で「受理」として処理した件数であって所管課に「持ち込まれた件数」そのものではないそうです。「受理」とせず「相談」に留めた件数についても確認しましたが、「カウントしていない」「不明」というのが区の答えでした。
一方、中野区の要綱は、通報の概要を「毎年公表しなければならない」としています。千代田区、杉並区もその概要を「公表しなければならない」と定めています。区も従来の「絶対秘密主義」を取り払う必要があると考えます。区に透明性を確保する考えがあるのか? ないのか? 方針をお聞かせください。
通報範囲も拡大するべきです。
区が要綱で、通報範囲としているのは「公益通報者保護法」が定める「最低限」の範囲に過ぎません。約420の法律が規定する犯罪行為や、最終的に刑罰に問われるモノのみが通報の対象です。国のガイドラインは通報の範囲について国が定める最低限の他に「適正な業務の推進のために各行政機関において定める事実」を追加できるとしていますが、世田谷区は何一つ追加していません。こうした最低限の内容しか受け付けない区は23区中、4区しかありませんが、世田谷区は残念ながらその1区です。
大半の区は、対象法令を増やしたり、法令違反全般を対象としたり、倫理違反全般にまで通報対象を広げるなど、よりよい制度運営に努めています。
順法・公正な区政運営を言うのであれば、世田谷区も他区と同様にその範囲を広げるべきですが、現実はそうなっておりません。
そこで伺いますが、公益通報を、法が定める最低限しか受け付けない区の意図はどこにあるのでしょうか? ご説明を願います。
