樹種ごとの防火性能を緑の誘導に活かせ
2010年 03月 17日 - 00:00 by aya kamikawa
◆上川あや
続いて、樹木の防災性能に着目して質問いたします。
せんだって、鹿児島県のウエブサイトを見ておりまして、興味深い記事が目にとまりました。樹木による防火性能を利用するという記事で、樹木はその種類によって火災の拡大を阻止したり、延焼速度を遅くする機能が期待できるとして、樹木ごとの防火力と、隣家の出火場所となりやすい台所との間や建物の窓近くに生け垣を植栽すると輻射熱による延焼を防ぐのに効果的、あるいは、火の粉を防ぐためには高垣が効果的など、植え方の工夫の説明がされておりました。
その後、情報を集めてみますと、樹木の持つ防火性能には古くから知見と研究が積み重ねられてきており、特に、その土地に本来生えていた樹木、潜在自然植生にかなった木は風土に適して育ちも早く、高い防火性能を期待できるものが多いとのことでした。関東以西の海抜八百メートル以下の地域では、これがタブ、シイ、カシ類などの常緑広葉樹になるのだそうですが、今やそういった緑は本来の〇・〇六%しか残っていないのだそうです。我々の周りにはかなりの緑が残されているように見えますが、その多くは非常に人為的なものなんだそうです。
防火の実例として、関東大震災時の旧岩崎家別邸、今の清澄庭園ですが、ここでは外周のたった幅二、三メートルの緑が二万人ものとうとい命を火災から守ったのだそうです。そこからたった二キロしか離れていない板塀に囲まれた陸軍被服廠跡地に逃げ込んだ四万人のうち三万八千人はたった一時間の間に亡くなったんだそうです。また、新しいところでは、阪神・淡路大震災のときに、神戸市長田区の大国公園というところだと思うんですが、照葉樹林で市街地の火災が焼けどまりまして、多くの命が守られたというのも有名な事例だそうです。
こうした樹木の防火性能を、これから推進しようとしている緑化基準の強化とあわせて広く発信することは、みどり33の推進にも安全安心のまちづくりにもつながると思うんですけれども、いかがでしょう。
◎ 小野田 みどり政策課長
世田谷みどり33の実現に向けては、世田谷区にふさわしく、さまざまな緑化の効果を踏まえた樹木を活用していただくことが重要な取り組みであると考えています。先ほど言われましたこのような樹木の機能、効果を生かしながら、緑化基準に沿った緑化を実施していただくため、区では、区民、事業者に向けた情報提供について積極的に行ってまいりたいと考えております。
その一つの方法としまして、建築に伴う緑化のためのガイドブックという冊子の作成を予定しております。来年度早期の発行に向け準備を進めております。ご提案の趣旨につきましても、防火性の高い樹木や風土に合った樹木の紹介など、多角的な視点から植栽計画の参考となるよう情報を掲載してまいります。
◆上川あや
よろしくお願いします。
