障害のある子も遊べる、楽しめる公園に
2009年 10月 09日 - 00:00 by aya kamikawa
◆上川あや
本日は、公園づくりのユニバーサルデザインに関して伺います。
最近、区の開設した公園や広場を訪ねますと、そこかしこにバリアフリー化に向けた努力を感じます。入り口や園路の幅、あるいは段差のない広場、車道に面した出入り口の点字ブロック、そしてバリアフリーの水飲み場など、工夫もさまざまだと認識をしています。最近ではオストメイト対応のトイレも改修等に応じてふえておりまして、公園のバリアフリー化もかなり進んできているなということを感謝しています。
とはいえ、こうした工夫の数々は、あくまでも入り口論だろうと私は思っているんです。公園に入れればそれでいいのか、広場に入れれば十分なのか、トイレが使えればいいのかと考えると、それだけでは公園の機能としては全く不十分だと思うんです。季節の花をめでたり、自然観察をしたり、スポーツに親しんだり、友達と遊具で遊んだり、公園を使う目的は人によって本当にさまざまだというふうに思うんですけれども、年齢や障害の有無を問わず、これらを楽しめる環境整備というものが果たしてなされているのだろうかと考えると、まだまだ課題も多いのかなというのが私の率直な感想なんです。
例えば車いすのお子さんにとってはどうでしょうか。今の公園をその子や親御さんから見ると、どう見えるんでしょうか。友達と砂場で遊ぶことは難しいのかもしれません。滑り台やブランコのあのわくわく感、その子だけは感じられないのかもしれません。どの公園に行けば友達と遊べるんでしょうか。ほかにも、花壇に花が咲いていても、その花をほかの子と同じように、その香りをかぐことは難しいのかもしれません。そう考え始めると、できないことだらけなんですね。
障害を持つ方にとってのアメニティー、楽しさ、快適性ということを考えたときに、区立公園の現状はどのようなものなのか、所管からお聞かせいただければと思います。
◎ 髙木 公園緑地課長
公園の新設や改修の際には、ユニバーサルデザイン条例に基づきまして、入り口、園路、トイレなど、だれでも利用しやすい整備をしてきてございます。しかしながら、委員のお話にございましたような車いすでの使用ができる遊具、こういったものの設置は実績がございません。
その他、公園施設でのユニバーサルデザイン対応という点でございますけれども、羽根木公園の再整備の際に、屋根のある休憩場所部分の段差を解消いたしまして、車いすの方とベンチに座る方双方が利用できるテーブルを工夫するなど、また、平成十九年度に世田谷公園の野球場の人工芝を改修した際に、車いすなどでも入場できるようスロープを設置してございまして、障害者の野球大会、ティーボール大会が行われたと聞いてございます。
また、五感を使う遊具ということでございまして、離れた場所で声を伝え合い話すことができる遊具や、車いすの方が身近に花を楽しむことができるテーブル状の花壇などの設置例がございますが、こうした施設整備は数多い公園の中のほんの一部であるという現実はございます。
◆上川あや
お話を伺いますと、区の改善策は、アクセシビリティー、アクセスのしやすさという点では確かに進んでいるんですけれども、アメニティー、公園そのものの目的ということを考えると、まだまだ向上するべき点があって、スタートラインに着いたところなのかなという感じを受けました。超えるべきハードルはもろもろあるとは思うんですけれども、所管は課題は何だとお考えでしょうか、お聞かせください。
◎ 髙木 公園緑地課長
車いすで利用できる遊具についての課題でございますけれども、まずは遊具の選定に際しましては、障害の程度による遊び方の違いや年齢による違い、安全性の確保などを検討する必要がございまして、製品、事例など、これからまだ十分に研究する必要があると考えてございます。
また、設置場所の課題といたしましては、車いすで利用する遊具となりますと、移動可能な幅やスロープの設置が必要となるなど大型化いたします。また、他の公園利用者と交錯しないような大きな空間が必要となります。また、ソフト面での課題でございますけれども、障害のある子ども、介助者、一緒に遊ぶ健常者それぞれが他人への配慮、安全への意識を高めることがとても大事だと思っております。
◆上川あや
確かに多くの課題はあると思うんですけれども、ぜひ私は前進を果たしていただきたいと考えているんです。
例えばアメリカやカナダでは、バウンドレス・プレーグラウンドというものが既に百カ所以上あるそうです。
バウンドレスというのは制限がないという意味、プレーグラウンドというのは遊び場という意味ですよね。これは、障害のある子どももない子どももともに遊べるよう工夫を凝らして、子どもたちが一緒に遊ぶことを通して生きるスキルをともに学んでいけるようにというコンセプトに基づいてつくられた公園だそうでして、親と専門家たちの熱い熱意がそこには込められているんです。そこに行けば、車いすの子も一緒に遊べる砂場あるいは滑り台、ブランコの工夫等もあるようで、私も画像を拝見したんですけれども、ちょっと感動しました。世田谷でもぜひ生かしていただきたい取り組みだと思いました。
欧米のユニバーサルデザインの公園づくりにおいては、ワークショップ形式が主流であるとのことです。多様な障害を持つ人々に対してもワークショップを開いて、どのような公園を利用したいと考えているのか、子どもたち自身どういった遊びを好むのか、素材、園路、駐車場、トイレのあり方、求められるニーズを公園デザインにふんだんに盛り込んでいるんです。
昨今は日本でもワークショップ形式の公園づくりが盛んですけれども、そこにどれだけ障害を持った子どもたち自身の声が響いているのか、親御さんたちの思いが反映されているのかと考えると、非常に心もとないのではないかなと私は思っています。ワークショップ形式をこの分野で有効に機能させるためには、声の集め方にもぜひ特段の配慮があってしかるべきだろうと思います。
この点、大阪府がつくったふれあいの庭というものや札幌市の藤野むくどり公園は、当事者主体の綿密なワークショップでユニバーサルデザインの公園づくりに非常に成功している好例だということを感じました。どちらも非常に小さな公園なんですけれども、情報を集めてその中身を見ますと、アイデアが満載で、健常である私自身、すごくわくわくする取り組みだなと思ったんです。
区にも、ぜひユニバーサルデザインの先進都市として取り組んでいただきたいと思いますけれども、意気込みのほどをお聞かせいただきたいと思います。
◎ 髙木 公園緑地課長
公園の新設や大規模改修の際には、ワークショップなどの手法により、利用者の意見を聞きながら遊具の内容についてなども検討を進めてきてございます。今後、車いすで利用できる遊具の設置につきましては、さまざまな課題もございますけれども、利用者のご意見や要望を取り入れながら調査研究をしていく必要があると認識してございます。
幼児から高齢者までだれにでも利用しやすい公園づくりにつきまして着実に進めてまいりますとともに、今後、さまざまな障害がある方々に対しまして、ユニバーサルデザインという観点からの遊具、施設の設置につきましても、どのような展開が可能かなどを研究し、取り組んでまいります。
◆上川あや
ご答弁が積極的でうれしく思いました。ありがとうございます。
この取り組みは、障害を持つ子どもだけではなくて、持たない子どもにとっても教育的効果の高い取り組みだと思いますので、自分の子どもに障害があったらどんなふうに思うのか、そんなことも頭に描きながらぜひ取り組んでいただきたいと思います。
