議会活動報告と成果

上川あやの議会活動報告です

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「身体障害者補助犬」について

2009年 09月 17日 - 00:00 by aya kamikawa

◆上川あや

初めに、身体障害者補助犬について伺います。
今回の質疑では、これまで区政で省みられることのなかった補助犬の課題に絞って伺ってまいります。

質問の第一は、補助犬と補助犬ユーザーの避難所等での受け入れについてです。
過去の被災地では、補助犬と補助犬ユーザーが引き離される事態が相次ぎました。
九五年の阪神・淡路大震災では、避難所への盲導犬同伴に周囲の理解が得られず、給餌、排せつといったケアもできる状況にないことを理由に、ほとんどのユーザーが盲導犬と離れて暮らすことを余儀なくされました。
二〇〇四年の新潟県中越地震でも、震災に遭った盲導犬六頭のうち、ユーザーとともに避難所に暮らすことのできた犬は一頭だけでした。このケースでは、避難住民の多くがこの盲導犬を日ごろから見なれており、理解があったこと、担当者の適切な判断があったことが受け入れの決め手になりました。
一方、区の防災計画や避難所運営マニュアルには補助犬に関し一切記述がありません。しかし、補助犬法の趣旨に照らせば、避難所も当然補助犬を受け入れるべき立場です。区として課題を整理し、補助犬受け入れに向けた環境整備を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。

第二に、区庁舎等に補助犬用トイレを開設していただくよう求めます。
補助犬同伴の外出で最も苦労するのは、町なかで補助犬の排せつ場所を見つけることだそうです。補助犬は訓練を経て、ユーザーから指示されるまで排せつを我慢するようしつけられています。しかし、盲導犬のユーザーは視覚にハンディーがあるため、出先で排せつ場所を見つけることが困難です。通りかかる人に尋ねようにも、どうアドバイスするべきか困ってしまうという人が少なくありません。また、排せつ物を持ち帰ると説明をしても、公共スペースでの犬の排せつを快く思わない市民もいます。加えて、補助犬受け入れを積極的にアピールする役所にすら、補助犬のトイレスペースはないのです。こうした現状を区の配慮で積極的に変えていただきたいのです。
ここで、先行事例のパネルを用意しましたので、例示させていただきます。


京王プラザホテルの補助犬トイレ

京王プラザホテルの補助犬トイレ


一枚目のパネルは新宿の京王プラザホテルに設置された補助犬用トイレです。エントランスのわきにございます。
二カ所ある緑色の人工芝の場所が排せつスペースです。一方に段差が用意されていますけれども、これは介助犬を使う車いすユーザーの世話のしやすさに対する配慮だそうです。角には排せつ物を捨てられるごみ箱がありまして、そして床を洗い流せるシャワー設備もあるという設備です。


札幌市・豊平区役所にあるトイレ

札幌市・豊平区役所にあるトイレ


続きまして、二枚目のパネルに移りたいと思います。こちらは札幌市の豊平区役所にあるトイレです。十数年前、役所に勤務する盲導犬ユーザーのためにつくられたそうです。建物わきの植栽のスペースをあけまして砂利を敷き、盲導犬のトイレにしています。こういった設備であれば費用もかからず、その設置は可能であるはずです。頭上には二階部分が張り出しておりますので、雨にぬれる心配もなく、犬の排せつケアができるということになります。この犬のところには、看板なんですけれども、こう書かれています。「ここは盲導犬のトイレです。盲導犬以外の使用、および、立ち入りはご遠慮ください。衛生面には気をつけております。豊平区役所」と書かれているそうです。

せんだって、区内に本部を置く日本補助犬協会の方にこの写真を見ていただきましたところ、犬の生理から考えてみても排せつを催しやすい場所で、広さも十分にあり、段差が手前に少々あることを除けばすばらしいということでした。日に何度もこのトイレを使う犬があらわれることでもなければ、水道設備を特に設置する必要もないのではないかというご感想でした。

こうした補助犬用トイレは、私が把握をしているだけでも、まつもと市民芸術館、静岡空港、福岡市社会福祉事業団あいおいセンター、沖縄県立博物館、美術館などに広がりを見せています。区の掲げるユニバーサルデザインのまちづくりには、こうしたトイレの整備も当然含まれるべきであると考えます。
区のご所見を伺います。

第三に、補助犬ユーザーの経済的負担の軽減を求めます。
補助犬の維持には、医療費だけで年間五万円から十万円、えさ代などの飼育費に十数万円、合わせて二十万円程度の費用がかかるそうです。しかし、都のユーザー支援の策は皆無で、獣医師会が年に三万円の医療券を出すのみだそうです。これでは年間の医療費すら賄うことはできません。
このため、横浜市では、補助犬に独自の医療証を交付し、医療費を全額肩がわりしています。埼玉、福井、岡山県など予防接種を補助する自治体、犬登録料の減免を行う自治体も少なくありません。加えて、岡山県倉敷市など岡山県内の六市では年間七万二千円の飼育費を、また、岐阜県内の六市二町は三万六千円から六万円のえさ代補助をしています。
区も区内ユーザーの実態把握に努め、負担軽減に向けた検討を行うべきであると考えます。区の考えを伺います。

◎河合 危機管理室長

私からは、補助犬ユーザーの避難所での受け入れについてお答えをいたします。
ご指摘のいわゆるペットとは異なる補助犬については、災害時という非常事態においても、身体障害者補助犬法の趣旨にのっとり、避難所への同伴を受け入れるべきと考えます。
区では今後、他自治体の事例も参考にしながら、課題や対応等を整理の上、避難所運営マニュアルに反映させてまいりたいと考えております。また、二次避難所での補助犬の同伴につきましては、関係所管を通じて、おのおのの施設管理者に対して働きかけを行ってまいります。

一方、避難所で補助犬の同伴の円滑な受け入れが行われるためには、周辺住民、とりわけ災害時に避難所の運営に携わっていただく避難所運営組織の方々のご理解が不可欠であります。区としましては、こうした観点を含め、関係所管が連携して補助犬の制度や役割に関する理解の促進に努めてまいります。以上です。

◎堀 総務部長

区役所本庁舎に補助犬用のトイレをというご質問をいただきました。
盲導犬、聴導犬、介助犬などの補助犬は、いわゆるペットとは異なり、利用する方にとっては、まさに目であり、耳であり、日常生活や社会参加をする上で欠かすことのできない存在となっています。
補助犬は、公共施設や交通機関などのほか、不特定多数の人が利用するスーパー、ホテル、病院やレストランなどへの同伴が認められており、補助犬を利用する方々にとって外出の機会と時間を広げていただくために、社会的な理解とサポートの必要性があると認識しております。
ご指摘の補助犬のトイレにつきましては、本庁舎での設置場所の問題や利用のためのルールづくりなどを含めて解決すべき課題もあろうかと考えますが、バリアフリーを推進する区としては、これら介助を必要とする方々の行動範囲をサポートするためにも検討していきたいと考えております。以上でございます。

◎佐藤 保健福祉部長

私からは、三点についてお答えします。
まず補助犬につきまして、補助犬ユーザーの経済的負担の軽減についてお答えいたします。
東京都では現在、視覚障害者、肢体不自由者及び聴覚障害者の自立と社会参加を目的に、無償で補助犬の給付事業を実施しております。
区におきましては、特別な訓練を受けた補助犬は、障害者の方々が積極的に地域で自立した生活を行う際の生活のパートナーとして大変重要であると認識しており、補助犬ポスターやステッカーを配布することにより、区民への理解、啓発を行っております。
補助犬は、障害者の生活にとっては欠かせない存在と考えますが、補助犬に係る諸経費につきましてはご本人負担となっております。お尋ねの補助犬の維持にかかわるえさ代等の公費負担につきましては、今後、二十三区の状況なども勘案しながら検討課題とさせていただきたいと思います。