2010年 02月 27日 - 00:00 by aya kamikawa
★区議会録画中継により一連の質疑をご覧いただくことができます。
2月26日 第1回定例会 上川あやの一般質問
1.障害者を取り巻く医療環境改善に努力せよ
2.区営施設の避難誘導方法をユニバーサルデザインに
2010年 02月 26日 - 00:00 by aya kamikawa
はじめに、障害者を取り巻く医療環境の改善について伺います。
課題提起の第一は、重度の身体障害者が安心して受診できる、地域の医療機関情報の極端な不足です。現状で障害のある当人がもっている医療情報の多くは、自らの経験やクチコミによるもので、その量も質も限られているのが通例であるようです。
言葉を変えれば、車いすで受診できる医療機関が地域のどこにあり、どの医療機関にかかれば障害に通じた医師に診てもらえるのか、といった基礎的な情報に関してさえ、網羅的な情報が共有されていないのです。
区内では現に、車いすの重度障害のある人の具合が悪くなり、近くの医療機関を訪ねたところ、まず入口の段差がバリアーとなって医療機関に入れない。このため路上で問診のみを受け――つまり医師の診察すら受けられず――薬を処方されておしまい、といった信じがたいトラブルが起こっているといいます。
他にも、脳性マヒで言語障害のある人が地域の医療機関を訪ねても、障害に慣れていない医療者との間で意思疎通がとれない、医療者が患者本人を無視して、介助者からしか病状を聞こうとしない、不随意の反射運動に驚いた医師が触診すらできず、ほとんど診察にならない、必要な検査機器が使えない、注射も受けられない、等々、当事者から出てくる体験談は、悲しいトラブルの連続です。
こうした地域医療の貧困については、これまでも幾度か区に相談を持ちかけてきた方がいるとのことですが、改善の兆しは一向に見えてまいりません。そこで伺いますが、区はこうした地域医療の現状に危機感をもっているのでしょうか。いないのでしょうか。まずはご認識を伺います。
次に、こうしたトラブルを回避する策として、各障害に対応できる、近在の医療機関情報の、なお一層の拡充、発信を求めます。
所管課では昨年、医師会と連携して地域の「かかりつけ医名簿」をまとめており、そのリストには、施設のバリアフリーの有無や、対応できる処置などの情報も含まれているとのことでした。
また、東京都保健医療情報センター「ひまわり」のホームページでも、平成18年の医療制度改革以降、バリアフリーに関する情報が強化され、「車いす利用者への配慮」、「聴覚障害者に対する手話による対応」等、細かな条件検索が可能となりました。ところが、こうした有用な情報が必要とする人にどれだけ届けられたのかといえば、疑問を抱かざるを得ません。
まず医師会の「かかりつけ医名簿」については、区の大半を占める世田谷医師会分の名簿が未だ非公開です。
また、ひまわりの掲載情報の拡充が、区の「障害者のしおり」に紹介されたわけでも、「連協」等を通して区内の障害者団体に説明された訳でもありません。必要とする人に届かない情報など無意味です。この点、区になお一層の広報努力を求めます。見解を伺います。
第三に.障害のある人も受けられる「がん検診」の確立を求めます。
区では現在、胃がん、肺がん、大腸がんなど、6つのがん検診に取り組んでいます。
しかしこのうち、階段つきの狭いレントゲン車で検診を行う胃がん検診については、重度の身体障害者の受診を事実上、排除しており、問題が大きいと考えます。
まず、車いす使用者は入口の段差に躓いて検診車に入ることができません。また、バリウムを飲み、細かく体位変換し、胃を機械で圧迫する――などの検査方法も、重度障害の方々には不向きです。
こうした方々には、内視鏡での健診を案内する、健診車以外のレントゲン設備を案内する等、相応のサービス改善を図る必要があると考えますがいかがでしょうか。区のお考えを伺います。
第4に、車いすを常時使用する身体障害者の健康診査事業に取り組むことを提案します。
すでに国は平成5年2月に、厚生省・社会援護局長名で「身体障害者検診事業の実施について」と題した通知を発出しています。これは車いすを常時使用する在宅の身体障害者に対し、区市町村が主体となって健康診査事業を実施することで、褥瘡、骨の変形、膀胱機能障害等、深刻な二次障害の発生を防ぐことを目的としたものです。すでに札幌市、横浜市、仙台市、新潟市、都内でも北区等がこの事業を実施していますが、当区では手付かずです。
平成10年、大阪府が行った「肢体障害者」の二次障害調査では、対象者の実に53.4%が二次障害を自覚していました。
加えて一般就労経験者の約4割が二次障害を理由に退職。約2割が動作能力の低下から介護が増えたと回答しています。こうした調査結果から見てもこの健診の必要性は明らかです。
区では現在、39歳以下の区民に「区民健康診断」を、40歳以上の区民に「成人検診」を実施しておりますが、これらの検査項目に、重度身体障害者の二次障害診断に欠かせない、頚椎(けいつい)、脊椎(せきつい)、腹部等へのX線検査は含まれておりません。事態を改善すべきです。
今回、提案する障害者健診事業の実施は、重い障害をもつ区民の健康の保持にも、その社会参加の促進にも、介護費用の増大抑制にも繋がるよい取り組みと考えますがいかがでしょうか。
区の見解を伺います。
この質問の最後に、発達障害者、知的障害者の円滑な受診に向けた情報発信について伺います。
発達障害や知的障害のある人にとっても医療は大変に重要です。しかし認知やコミュニケーション能力に独特の特性があるために、医療の現場でしばしば困難が生じます。
医療者の側からは、言葉が理解できず診療が難しい、症状が分らない、医療者の指示に従ってもらえない、パニックを起こされると困る、といった当惑の声が聞かれますし、当人やご家族の側からは、診療を拒否された、力ずくで診療された、待合室の目が怖い、本人に向かって説明してもらえない、などの困惑の声が聞こえて参ります。これらの溝を埋めるために区としてできる努力があるのではないでしょうか。
たとえば「診療サポート手帳」の発行もひとつのアプローチだと思います。
これは、診療時に配慮してほしいことや主治医からの注意事項等を手帳に記入し、これを診療前に見せることで診療を円滑化するものです。すでに千葉県、島根県、横浜市、名古屋市などの自治体で発行されておりますが、区でも同様の工夫はできないでしょうか。
また、安心して受診できる地域の医療機関情報の提供も考えられます。
たとえば日本自閉症協会千葉県支部では、千葉県医師会の協力のもと、県医師会所属の全医療機関を対象に、1.医療の相談にのる、2.知的障害や自閉症の専門診断を行う、3.身体疾患の診療が可能―の3点についてアンケートを行い、その結果を会のホームページで公開しています。区として類似した取りまとめができれば、当事者とそのご家族にとって大きな安心材料になると考えますがいかがでしょうか。
区の考えを伺います。
2010年 02月 26日 - 00:00 by aya kamikawa
最後に、区立施設の避難誘導方法のユニバーサルデザインについて伺います。
昨年3月の予算審議で私からは、区の導入した緊急地震速報の避難誘導方法は、音声誘導のみであり、耳の不自由な方への配慮は不十分。フラッシュライトや回転灯、ピクトグラムなどを活用して配慮してほしい――と申し上げました。
その後、所管課ではさっそく第3庁舎にフラッシュライトを導入する方向で検討を進め、新年度の予算編成に合わせ、予算要求も出して下さったとのことですが、この要求が財政部局から削られたと分りました。そこで伺います。
まず、今回なぜ、聴覚障害者に配慮した避難誘導設備の予算がカットされたのか、その理由について説明を求めます。
次に、区政の本丸である区役所本庁舎にすら、こうした設備を設置しないということは、結局のところ、区の避難誘導において聴覚障害者は切り捨てということなのでしょうか、お答えください。
2009年 11月 26日 - 00:00 by aya kamikawa
2009年 11月 26日 - 00:00 by aya kamikawa
はじめに、少子化が進展する中での大学の生き残り戦略と、区の対応について伺います。
この夏、私立大学の入学者動向をめぐって衝撃的なニュースが流れました。
今年5月1日現在、全国の4年制私立大学の実に46.5%、私立短大の69.1%が定員割れの状態にあり、四大、短大とも定員充足率は過去最悪のレベル。大学が集中する東京、京都の定員充足率はなお一層低い、というのが報道の要旨でした。
大学入学期の18歳人口は92年をピークに減少の一途。一方、大学の数は規制緩和の影響から増え続け、この10年で4年制大学の数だけで、約150校も増えました。
大学入学希望者が、大学の総定員を下回り、えり好みさえしなければ、全ての受験生が大学に入学できる、「大学全入時代」を目前に、国内の大学はどこも生き残りに必死。区内の大学も例外ではありません。
他方、区政に目を転じると、大学は有用な資源です。
地域経済の振興、優れた人材の確保、生涯学習の推進、果ては災害対策等に至るまで、大学は今や街づくりに欠かせないパートナーです。
ところが、区内に立地する大学は減る一方、という現実があります。
83年当時、区内に27箇所あった大学・短大は現在、20箇所にまで減りました。
18歳人口が減少に転じた90年代以降も区内からは、国士舘大学体育学部の多摩移転、明治薬科大学製薬学科の清瀬移転、日大・生物資源科学部の藤沢移転、青学大・理工学部の相模原移転――と、流出の動きが止まりません。
国士舘大の移転では、松陰神社商店街の飲食店がかなり減ったといいます。
青学大キャンパスの閉鎖時も、同大の下宿生がこぞって引っ越した結果、一帯の家賃相場が急落したと伺っています。
このように大学の移転、縮小が地域に与えるインパクトは決して小さくありませんが、区が、区内大学の流出に何らかの手を打った、という話は聞いたことがありません。
去るものは追わず――大学減少はあくまでも民間の判断である――というのが、区の従前の判断だったのではないでしょうか?
一方、市内に37の大学・短大を擁する京都市は、早くから、大学が市域に留まることの経済的効果に注目。その効果は市民総所得の約1割に達するとの試算をまとめ、大学を市の主要産業の一つと位置づけて、その移転抑止に取り組んできたといいます。大学を無くなるに任せてきた、当区との差は明らかです。
加えて大学の新増設、都心回帰に合せて大学誘致に乗り出す自治体も増えています。
区部でも、足立、葛飾、板橋区等が区立校・廃校跡地などを候補地に、積極的な誘致に乗り出しています。足立区は廃校跡地と旧校舎を、破格の条件で提供するなどの手を打って、この4年間だけで、医療、子育て、芸術、環境、工学等の各分野、4大学、学生数1万人の誘致に成功しています。大学という小さくなる一方のパイを多くの自治体が奪い合う中で、「大学立地」に総体としてのビジョンを持ってこなかった区の姿勢は改められるべきと考えます。そこで伺います。
第一に、区はこの間の大学の移転、縮小をどのように受け止め、どのように対処してきたでしょうか? 大学移転に伴う地域経済への影響、街づくりへのインパクトも含めてお答えをいただければと思います。
第二に、区の外部評価委員会からの指摘についてです。
世田谷区外部評価委員会の、委員からは、「区は大学という地域の資源を十分、活かせていない」と、再三にわたり指摘を受けていると伺います。具体的に提言はどのようなもので、区はそれらをどのように受け止め、今後に活かそうとしているのか、現状認識、今後の課題と併せてお答えください。
第三に、年々、熾烈になる大学の生き残り競争、行政の大学誘致合戦に、区はどのように対処してゆくお積りでしょうか。
都心への大学の立地を規制してきた工業等規制法が02年に廃止され、大学・学部・学科の新増設に必要な設置基準も大幅に緩和されました。こうした中、大学はリストラを進め、都心回帰の傾向を強めています。こうした流れを受けて、積極的誘致に乗り出している自治体が多いことは、先ほど述べた通りですが、区も地域の将来を見据え、必要となる人材や資源、――特に福祉、医療人材について――地域の大学に求めてゆく姿勢が必要なのではないでしょうか?
こうした点も含め、区は、大学が区内に立地することへのビジョン、スタンスをどう描くのか、見解をお聞かせください。
2009年 11月 26日 - 00:00 by aya kamikawa
文化財的価値をもつ建築物の部材保管と今後の利活用について伺います。
教育委員会に確認したところ、現在、区で部材保管している、歴史的、文化財的な建築物は、旧清水揚之介邸「はなれ」と、旧棚網家板蔵の2件あるということです。
旧清水揚之助邸「はなれ」は、現在の日産玉川病院の場所に、明治43、4年ごろ建てられたもので、明治期以降、瀬田、岡本の国分寺崖線沿いに発達した別邸建築物群のひとつ、現在の清水建設の社長の別邸内にあった、総赤松造りの建物です。
旧棚網家板倉は、桜丘4丁目の元農家に明治44年頃、建てられたもので、区内でも数少ない、明治時代の穀倉とのことです。
いずれも将来再建して、公開してゆくことを念頭に保管されたものですが、旧清水揚之介邸「はなれ」は、昭和53年の解体から31年間、旧棚網家板倉も平成2年の解体から19年間、再建の目処もないまま、寝かされてきたというのが実態です。
そこで、質問の第一はこれまでの経緯です。
それぞれの建築物の価値を、教育委員会はどう捉え、保管を決めたのでしょうか?
また今日まで建物の復元、利活用がないのは何故でしょうか?
さらに、それぞれの調査・解体・保管に、区はこれまでどれだけのコストを費やしてきたのでしょうか? 説明を求めます。
第二に、建築部材の保管方法です。
旧清水揚之介邸は、解体後、宇奈根にある区の土木倉庫に、旧棚網家板倉は民間倉庫を経て、次太夫掘民家園に保管されてきたと伺っています。
ところが当初の調査で「良好」と判断された、旧清水邸「はなれ」の部材はその後、劣化が進み、梁は処分せざるを得なかったと伺っています。区がこれらを保管してきた倉庫に、温度、湿度を管理できる空調設備は、無かったのだそうですが、文化財行政を預かる者の対応として、いかがなものかと思います。このような施設に20年、30年と部材を寝かしてきた対応は適切であったといえるのか、見解を伺います。
第三に、旧棚網家板倉の映像記録についてです。
所管からいただいた調査報告書によれば、区は調査の一環として同物件の映像記録を「世田谷を記録する会」に委託した、となっています。同会は、映画「名主の家」の製作で納入期日を守らず、不適切な委託費の支払いもあったことが発覚し、16年9月の議会でも大問題になった団体です。
本件の映像についてはどうでしょうか。成果物は納入されたのか、支払い等は適切に行われたのか、お答えください。
最後に、これらの保管部材を今後、どのように活かすおつもりであるのか伺います。
区教委の担当所管は、これまでも、庁内の他の部署に部材の復元、活用を働きかけてきたといいます。しかし、公園を管理する土木部――現在のみどりとみず政策担当部も、集会施設を管理する総合支所も、文化施設を管理する生活文化部も、二子玉川公園を開設予定の生活拠点整備担当部も、何ら具体的な対処を図ってきておりません。
世田谷の歴史を物語る、価値ある建築物の保管であるというのであれば、その資産を区民に還元するべきです。この点、庁内をまたがる課題でもありますので、政策経営部に解決の音頭をとっていただきたいと考えますがいかがでしょうか。所見をお聞かせください。