あや流一期一会日記

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8月12日 シャント発声の勉強会。相次いで講演。風のかたち。

2009年 08月 13日 - 11:06 by aya kamikawa

9日は久しぶりに、喉頭がん、咽頭がんの手術で声帯を失った後、声の回復に「気管食道シャント法」を取り入れた方々の団体「悠声会」に参加させていただいた。

昨年9月の議会質問後、同会に参加させていただいたのは今回で2回目。
この間、プライベートでお会いした方もいらしたけれど、一同に皆さんと会するのは本当に久しぶり。再会と交流が嬉しかった。(当時の議会質問はこちら
会の終了後も、シャント(医術的な迂回路の意)の手術に熱心に取り組んでいる、癌研有明病院の福島啓文医師と、同じく新潟県がんセンターで取り組んでいる佐藤雄一郎医師、術後の音声リハビリテーションに先駆的に取り組んでいる言語聴覚士の亀井知春先生とランチを共にすることができた。みなさん私と年代も近くて会話が弾み、今の医療現場が全般的に抱えているもろもろの課題もお聞かせいただくことができた。
基本的には国政上の課題が多かったけれど、医療崩壊の兆しはそこここに顕れていて本当に深刻…。一議員として非常に勉強になった。

昨年の議会質問では外気のチリやホコリ、冷気から呼吸器を守る「人工鼻」と、肺の空気をシャントで食道に送り込み、食道粘膜を震わせて声を取り戻すチューブ、「ヴォイスプロテーゼ」の双方を区認定の日常生活用具とするべきだ、と区に対応を求めたが、行政を十分納得させるには、まだまだ情報不足…。
…というのもこのシャント法、日本では、まだまだマイナーなリハビリテーションなのだ。
がんの手術などによって声帯を含む喉頭を摘出した「喉頭摘出者」は、国内におよそ2万人~3万人。このうちシャント法を声の回復法に取り入れたケースは300例余に過ぎない(昨年の議会質問時のデータ)。これは「喉摘者」全体から見て1~1.5%に過ぎない。
一方、欧米ではもはやシャント発声こそが音声回復の切り札でありスタンダードであると認識されている。その導入の年月は長く、オランダではすでに「喉頭摘出者」の90~95%にシャント法が導入されるまでになっている。これら導入例のおよそ9割で声が戻っているそうだ。声帯を失った後も、多くの人が声を取り戻し、社会復帰を果たしているのだ。
日本では既に欧米では廃れた感のある「食道発声」(食道と胃に空気を送り込み、ゲップの要領で発声する)が、今も音声リハビリのスタンダードとなっている。この場合、長い訓練を経ても、会話を取り戻せる人の割合はせいぜい2~3割とのことだ。
シャント法の普及を妨げている第一の要因はメンテナンス用具のコスト。
その改善のためには、用具を「日常生活用具」と認めて公的給付の対象とするのが早道だ。その認可の権限をもつのは区市町村。だからこそ私は世田谷区から日本のこの閉塞的状況を変えてゆきたいと思っている。
――ということで局面打開に向けて、この夏、区の担当管理職と患者さんたち、治療やリハビリに携わっている医療者の先生方を交えて区庁舎で勉強会・意見交換会を開こうと調整中――。秋の予算要求を前に打開のきっかけになるといいのだけれど…。

☆ ☆ ☆

この夏も講演のご依頼が相次いでいる。
7月8日、大手シンクタンクの日本総研で講演させていただいたのを皮切りに、区内にある日大商学部、ザ・プリンスパークタワーで開かれた異業種交流会、奈良県橿原市の「部落差別等撤廃と人権確立を目指す奈良県民集会(参加者1300人!!)」と続き、今月5日には皇居前の某大手金融機関で、当社・通算5回目となる講師を仰せつかった。この金融機関で人権研修の講師を務めるのは3年目。テーマはいずれも「性的少数者と人権」である。
月末にかけて和歌山、愛媛にも講演に伺う予定。9月の区議会定例会/決算審議を前に政策研究も進めなければならず、気分はかなり気ぜわしくなってきた、、、本分の議員活動も頑張っていかないと!!

☆ ☆ ☆

最後に、素晴らしい映画が上映中なので皆さんにご紹介――。
8月1日から、東京中野区のポレポレ東中野で伊勢真一監督作品の「風のかたち―小児がんと仲間達の10年―」が上映されています。

小児がん患者とその治療に熱心にあたる医師の10年間を丹念に追いかけたドキュメンタリー作品で、私も7月1日、北沢タウンホールで開かれた「優れたドキュメンタリー映画を観る会」主催の完成上映会で拝見し、感涙!!でした。
今月28日まで上映予定とのこと。
大切なご家族、あるいは友達とぜひぜひ味わっていただきたい作品です。